市場の混乱は「ある方向性」が「支持される」まで…揺れ動いて…その均衡点を探すのでしょう。今は…AI時代への「過渡期」なのでしょうね。米国の実質賃金と名目賃金はプラス圏にあり…基本的に、既にインフレ期を乗り越えて、「新しい成長期」に移行した可能性が高いのです。
この為に、米国の「潜在成長率の水準」が2%ですが、この水準が、更に高まる可能性がある為に…米国10年債の金利も上昇している…との仮説が考えられます。そうすると…10年債の金利が4.5%から5%になる可能性もあります。
どっちにしても…現状のインフレを終息させる目的の金利高は、目標を達成しつつあり…本来なら金利も下がる可能性があったのが、少し前の市場のコンセンサスです。
カタル自身も、このシナリオを主眼に銘柄を選別していましたが、今は、ひょっとすると…米国は既に「新たなステージ」に突入した可能性があります。だって…既に実質賃金がインフレを克服したからプラス圏になったのです。しかし…同時に商業不動産を中心に、未だに金利高を克服してない「現象」もみられますから…その観察期間が必要になります。故に、しばらくは「市場のコンセンサス」が固まる時間が必要なのでしょう。
でも…日本は新しいステージに入っているのですよ。
メディアに出ている馬鹿アナリストは、一時的な「輸出などの増加」で…GDP数字が「かさ上げ」されていると言いますが、それは違います。これまで10年間かけて実行されたアベノミクスと…日銀の辛抱強い緩和政策に支えられて、ようやくデフレを脱却して新しいステージに入りました。
その様子が分かるものを、日経新聞は載せていませんから…カタルが内閣府の資料を基にして…独自に、実質GDPと名目GDPの変化率では違いが見えませんから「金額推移」を見れば…一発で、今の日本の経済状況を知ることが出来ます。そのグラフを提示しておきます。
証券マンは、このグラフを元に、セールスをしましょう。これからは「名目時代」が加速しますから。「資産投資」が当然のことですが、活発化しますから…「野村証券」株(8604)を買いましょう…と「100万株単位」で、顧客にセールスをするのです。
参考事例はTSMCが新工場を設置する熊本の菊陽町周辺の基準地価を顧客に示せば…反論は出来ません。ラピダスの千歳市周辺でも良いしSBIと共同で台湾の力晶積成電子製造(PSMC)の事例を説明しても良いですね。国内回帰で、製造拠点の「新設」が相次いでいます。ここで…「貨幣乗数効果」の話を持ち出せば、完全に顧客を説得できます。大きなお金で投資を始める有力な識者は、多く居るでしょう。100万株と言っても…5億円程度の話しなのです。
このような時代背景があるから…バフェットに続き、米国の有力ファンドが続々と日本株の新規投資活動を開始したのでしょう。
昨年の12月の黒田さんの金融政策変更が「基点」になっており、「三菱UFJ」(8306)を中心に、株価の推移を追うと…その事が実感できます。最初の基点は此処です。
そうして、ようやく「金利裁定」概念が働き始めますから…「日本製鉄」(5401)の配当利回りを観て、株価が上がって来たことを説明します。いずれも、一度休んで…あまり期間を置かずに乖離調整を経て、更に新高値を更新する「循環買い物色」が起きています。これは名目経済を表す現象です。
故に…3月の株価変動に続き…5月に先物主導の「指数相場」が開始されました。
今はこの先物から現物株に移行する段階です。裁定買い残の減少は、その移行「度合い」を示す一つの現象です。「ルネサスエレク」(6723)の1900円台の「高値」を買っても…上手く指数買いが入り、一段高で、カタル達は株を利食いしています。
ただ…たぶん、AIによる新時代への突入時期は、もっと遅れると思っていましたが、米国は意外にも早く…インフレを克服している可能性が高まり、10年債は再上昇をしていますから、エーザイ、大阪チタンは少し違うと思うけれど、メルカリも上手く伸びず、ジェイドGやBASEも腰折れをした相場になっています。
時間軸の僅かな…「読み違い」でしょうが、難しいものですね。
完璧に時間軸を読むことは…。少し応援をする種族が増えるなら、方向性も変わったのでしょうが、出来高推移を観ると、明らかに…ジェイドGなどは、既存のファンドの利食いが勝ったように感じています。でも金曜日、昨日はこのラインは、既に消化したような出来高推移になっていました。こんなに利食い売りが出るとは思っていないから、買い増しで新ステージ入りと思った「強気の見方」が「一歩後退して」様子見になりました。
でも指数株もジェイドGも同じ…「75日線ライン」を維持しています。故に、少し警戒しすぎたかもしれません。たぶん、まだ「市場のコンセンサス」が固まってないのでしょう。
株式市場の株価形成は、未来の社会の形をイメージして株価が創られています。
「産業革新機構」(2009年7月に設立された)は、官主導のアメーバー組織から…本来は役目を終えたら解体されるのが筋ですが…そこは「村社会」の日本ですから、官は増殖を繰り返して…組織を拡大させるアメーバー組織です。
その後、形を変化させて、延命した株式会社 産業革新投資機構(INCJ)がしゃしゃり出て…「ルネサスエレク」(6723)を再生させました。「時」に恵まれましたね。コロナ禍から…半導体工場の相次ぐ…火災が重なり、一気に「価格交渉権」が復活します。
しかし、この「時の神」の前髪をしっかりと掴んで…コネクテッドカーに的を絞ってM&Aで時間稼ぎをした…CEOの柴田さんは、なかなか…の器です。
同社は2030年に、時価総額を6倍にする目標を掲げたそうです。
CFOの新開さんも賢そうに見えます。今は追い風ですから…非常によく見えます。でも柴田さんの話を聞いて、気に入ったことは、「顧客目線の製品づくり」をやっているようで…自社製品に拘らずに、良いものを使って「総合的なサービス」を実施している点です。
たぶん…今はまだ株価は調整期ですが、良いものになる可能性があるのでしょう。財務面で劣っていますから、株主還元などは後回しです。その姿勢ではなく、どちらかと言えば…「新興株」目線の…「新しい車社会」でグローバルな覇権を握ることが出来るかどうか…です。ドイツのインフィニオン・テクノロジーズと戦うためには、「スピードが命」になります。日本企業は多くの場面で、この時間軸の変化、が苦手で海外勢に負けています。
でも楽しみな企業ですね。故に、カタルの観察株の一つなのです。何故なら、車が大変貌を遂げると思っています。
単に今までは移動手段の一つでしたが…この移動時間を「楽しむ方向性」になります。故にソニーなどの企業もホンダと共に参戦をしています。このような業界の「革新期」にチャンスが発生します。株価が5倍、10倍になる夢と言うのは、変化率が激しい業界です。
車はエンジンからEVと言う変化だけでなく、それは…ほんの一角の話です。革新的なアイディアが「覇権争い」の勝者になります。少し「格落ち」企業のイメージもありますが、逆境から…一気に「覇者になる」要素を持っています。
兎に角、駄目だったから、産業革新投資機構(INCJ)の傘下になったわけです。この駄目具合が、落ち込みが大きい企業は、その「反動」も大きなものになります。お船の相場と同じことですね。その要素を持っており、その資質も有していますから、観察企業でしょう。EVではなく…あくまでも「CASE」なのです。
レポートの前半に掲げた名目値と実質値の違いですが…僕らは実質の世界で生活をしているのではありません。常に「名目値」に、人間の心が揺れます。名目値がプラス圏になって、実質値を上回ると…人間は頑張ろうと思うものです。
ようやく…日本経済は、長い「眠り」から…「目覚める」訳です。もうこの路線は決まっていますが、その過程のスピード感を読むのが難しいのです。ぴったりした時間軸のタイミングは資金力があるなら自分で相場が作れます。
バブル期は、秀和や桃源社など…色んな馬鹿が、周りに多く居ました。建設会社もその口です。故に時代のバブルに踊り、自前で…ゴルフ場建設ですよ。社長が馬鹿ですから、パンストを作っている会社が、なんで…ゴルフ場なのでしょう。厚木ナイロンは苦しみました。やはり経営者の資質が、株価を決めるのでしょう。
カタルなんか…劣っていますから…「ルネサスのこちらの解説」を聞いても、英語を多用されますから、チンプン・カンプンの部分が多いですが…それでも馬鹿は、バカなりに努力をして…退屈なビデオを45分程度観て、納得しました。
カタルはもともと…ルネサスが「大好き」人間です。現役時代は株価が500円で低迷するときに、何故、こんなに市場の評価は低いのか? 悩んでいました。でも今回、もう一度、観察できることになり嬉しいですね。それでは…また明日。