この連休は、株式教室の基礎と言う感じで、ざっと…基礎知識を振り返っています。初日はGDPの話で「付加価値の創造」が大切だという事、二日目は「景気循環の波」を話しました。今は技術革新のコンドラッチェフの波が進行しています。AIの活用などはそういう分野ですね。そうして昨日は「決算書の見方」と言うか…。当然の事ですが、カタルは日本の村社会論理を否定して効率化社会にすべきだと述べています。その為には「ROE経営」が必要だと述べて、一貫して…その事を訴えています。
日本の場合は「雇用に重き」を置くために「構造改革」を遅らせたのです。メディアは弱者救済を訴えてきました。しかし…時代の変遷により、日本人も変わらねばなりません。日本が高度成長を成し遂げ、日米貿易摩擦になった時に1980年代前半ですが…その時に構造改革を始めるべきだったのですが、しかし現実は、「行け行けドンドン」だったのです。「内需拡大」を問うた前川レポートは有名でしたが、確信を突いてなかったのかもしれません。この提言は1986年ですから、少し遅かったのでしょう。カタルも詳しくないので…その内容を聞いてみました。そうしたら答えは…
- 「日本は国際社会に貢献するために、経済構造を改革し、市場開放と内需拡大を進めるべきである。
- 内需拡大のためには、所得税や法人税の引き下げ、社会保障の充実、住宅政策の推進などが必要である。
- 市場開放のためには、関税や非関税障壁の撤廃、サービス業や農業の自由化、知的財産権の保護などが必要である。
- これらの政策は、日本経済の国際競争力を高めるとともに、円高や貿易摩擦などの問題にも対処できる。
です。
この中の市場開放と国際競争力を高めるのが重要かな? 日本は未だに閉鎖的です。コメの農業政策を観ると分かります。建設業界も然り…です。国際競争力を高めるために、規模の拡大ではなく「効率性を競うべき」でした。その為に高い利益率を追求すべきだったのです。
ROEの分解式は、「売上高利益率」*「総資産回転率」*「財務レバレッジ」です。
まぁ借金を増やす「財務レバレッジ」より、先ずは「利益率」を高めることです。日立のような総資産経営を追い求めるのは、新興国の話です。労働賃金が安い所は、伸びが大きくなりますが、車の輸出で日米貿易摩擦が起きた時に、何故、構造転換をしなかったか? 当時の政策官僚は猛省すべきです。あの時に構造転換を始めているならアジアの覇者に成れたのでしょう。
日本の多くの企業は、売上高に対する営業利益率は10%未満です。大半の企業は5%程度なのです。それでも…規模の拡大を重視するから、混乱をしました。必然的に「失われた時代」に、到ったのでしょう。
この時間闘争(成田闘争)は、中国などの賃金上昇を待つことになりました。高度な文明社会は、効率化の重視の筈です。ようやく…マイナンバーカードが定着し始め…スマフォ一台で全てが片付く「社会形態」に変えるべきでしょう。やはり「キャッシュレス社会」の構築を急ぐべきです。既に中国は「デジタル人民元」の世界です。
まぁ話が逸れますが…だからキーエンスは、低PERの日本市場でも…高い利益率を誇るからPERは42倍の評価なのです。この利益率の概念は、競争に打ち勝っている証です。
さて…ゴタクで始まりましたが、皆様が好きな…と言うか、株式投資で関心のあるのは財務分析より「テクニカル分析」の方でしょう。カタル自身、証券マンのペイペイの頃はこのチャート論に魅了され、様々な本を読みました。そうしてカタルの現役当時は、まだ方眼紙を使って自分で「罫線」を引いていました。今ほど便利な時代ではなかったのです。手作業で過去の新聞から株価を拾って、自分でチャートを書いていた時代です。「酒田五法」などは江戸時代のコメ相場の時代の話の言い伝えです。いろんなものが存在します。一目均衡表などもそうですね。
カタルの上司だった専務は、これ一筋で…セールスをしていたバカでした。チャート論なんか…とカタルが思ったのは、上京をして、よちゃんに出合い…彼の相場作りを知った時に、馬鹿らしくなって、その勉強を止めました。彼らのグループは、チャートの専門家を雇って、毎日、帝国ホテルの一室に集まって、作戦会議を開いて…大引けの株価までコントロールしたのです。そうしてチャートを専門家の指示に、従って株価を創っていました。
でもかなりの確率で…チャート通りに株価が動くことも事実です。故にテクニカル分析などの分野も発展しています。皆さんの多くは目先主義です。カタルがやっている投資法とは、違います。カタルはもっと「スパンの長い」と言うか…「時代投資」を主眼にしています。時代の流れに合わせた投資法です。だから何度も出てくる「市場の整合性」を大切にしています。時代には様々な相関関係があるのです。
このアノマリーと言うか…。過去の分析に従った投資法を採用しているのがヘッジファンドの投資法で、商品を絡めた投資というコモディティ・トレーディング・アドバイザー(CTA)と呼ばれる商品先物や為替などのトレンドに従って売買する投資法です。
グローバル・マクロと呼ばれる世界経済や政治の動向を分析し、株式や債券、為替、商品などの金融商品に投資する投資法でロング・ショートと呼ばれる株式や商品などの金融商品に対して、上昇するものに買いポジションを持ち、下落するものに売りポジションを持つことで市場変動に対応する投資法です。大きな仕掛けですよ。記憶に新しいのは日銀の政策転換を迫った年末から年初の相場です。「三菱UFJ」(8306)などが年末から大きく株価が上がりました。彼らの手法です。でも空振りですが…。
カタルの投資は「空売り」はしませんが…この考え方に似ています。
日本は違いますが、今は世界の流れは「逆金融相場」と呼ばれる金利高の局面です。これがまもなく終了して、既に逆業績相場に入っているのでしょう。そうして皆さんが話題にしている年内に「金利引き下げ」があるかどうか…。議論になっている分岐点は、金融相場の入り口の話です。
此処では「景気循環」の話を話題にしています。この景気循環は「在庫循環」の話です。半導体はその話題です。4―6月期に在庫整理が終わるなら…時代背景に産業革命のようなAI革命が進行していますから「コンドラッチェフの波」が強く働きます。この綱引きを半導体の相場は、今、問うています。レーザーテックを度々…カタルが取り上げていますが、まもなく下値を打つ可能性もあります。でもカタルは、あまりに高い評価の後遺症が、相場に残ると思っています。
まぁこんな事を書いていると…スペースが消えて、チャート論の話が出来ません。何処まで丁寧に解説をするか難しいですね。読者の知識レベルは様々です。専門家も中には居るでしょうから…。最近の市場参加者は、目先しか見ていないように感じています。
安全を何処まで重視するか? それとも目先の株価動向を重視するか?
この間の時間概念は、人それぞれで違います。ハッキリ言って、資金量で違うのです。証券マンは10億円とか…20億円のお金を動かします。だから買う時間も必要です。その為に株価を買うポイントも変わります。でも1億円以下のお金なら…大概の人はこのラインでしょう。そうすると…目先を、どうしても追いたくなります。
今は市場環境が弱いのです。米国は「逆金融」の状態です。この後、「逆業績」が鮮明になる筈ですが…これが微妙なのです。雇用統計値など…相変わらず強いのです。これは金融政策と財政出動が「相反する動き」をしているために、どうしても長引きます。バイデンがインフラ法案を可決させて…昨年から始動しています。半導体のCHIPS法は2022年8月に署名しています。故に実際の稼働は、今年からになります。
このような「疑心暗鬼の政策」なので、市場要因はなかなか…強くなりません。だからどうしても「薄利多売買」の戦略が、正しいのかもしれないのです。ここから「更に一段高」しない相場は、そういう事ですね。「Jトラスト」の下落も、そういう事でしょう。全ては市場要因の影響を受けています。
さて本日、書こうと思っている主眼に入る前の…「前置き」が長くなったので二部作にしますか…明日もチャート論を書こうかな?
カタルが選択している「仕手材料株」と言う相場の合間を狙った選択肢は、全体相場が弱い時に選択されます。しかも…ある程度、市場要因も良くなくては駄目です。微妙な環境のなかで選択されるセクターです。
「大阪チタン」(5726)は好業績ですが、若干、割高かもしれません。しかし、ここからフル操業ですが、好業績の「上昇確度が鋭い」のです。何しろ「市況もの」です。お船のような感覚ですよ。爆利益になることは、ほぼ確定でしょう。カタルは一株利益が200円を超えると述べています。
だから…早めにやると「空売り」を巻き込み相場としては面白い存在です。でも相場の仕掛け筋は、あまり上手い「仕掛け」ではありません。やはり…昨年末に少しシコリを残したのでしょう。あの時にやり過ぎなければ…本来は、既に相場になっているタイミングの筈です。
そうして「エーザイ」(4523)は、企業業績の改善は先ですが…夢の大きな選択です。しかも大阪チタンより、こちらはまだ少し…マシの「仕掛け筋」のように感じています。何しろ200日線を上回って推移しています。カタルは大阪チタンのやり方は、このパターンだと思っていたのです。しかし手の内が、あまりよくないようです。だから…時間を待たされています。あの時に「やり過ぎた後遺症」が、多少あるのでしょう。
そうして今、買い始めたのが「ロコンド」(3558)です。この株は、まだ相場が奇麗に立ち上がっていません。しかし200日線は「辛うじて」右肩上がりに変化しており、株価の初動波動としては…楽しめます。ここから1年から2年程度は、株価が上昇を続けるのでしょう。下がっても心配は要りません。どんどん…買えば良いのでしょう。
逆に…カタル自身は、まだ買っていませんが、(一度、売り買いをしたかな?)「リクルート」(6098)は大型株ですが、時代背景から見て、ここから…主役になります。上記の3銘柄より遥かに大きな大型株の部類でしょう。故に、ゆったりした株価波動だろうと思いますが…人気時は、意外に軽い株価でしょう。この銘柄はまだ「200日線が下降」を続けています。故に、目先をやる人は、時間を覚悟しないとなりません。1年程度は下値を覚悟して…この水準から株を集めるのです。
基本的に…目先を重視するなら、高値の株を追わねばなりません。「国内回帰」現象が定着して、全体の相場が強いなら、設備投資の「オークマ」(6103)などは、株価位置が高いので、時間をあまり待たずに…値鞘を抜くことが出来るかもしれません。ただ週足を観ると様々な壁があります。やはり重いかな?
「ルネサスエレク」(6723)は、一段高した後ですが…車の半導体はテーマとして浮上しますね。しかし、このクラスになると…ドイツの「インフォニオン・テクノロジー」がありますからね。トヨタの影響で…折角、良い位置に居た会社ですが、大きく水を空けられました。世界の覇権は、既に…難しいのかもしれません。
株価を観る場合、日足ばかりではなく…週足を参考にして、過去の壁を観ることは重要です。やはり…ルネサスの方が、株価位置が高い中でも「一段高」が期待できる銘柄かも知れません。しかし今は、日足を観ると分かりますが…200日線との「乖離が大きく」高値を更に追えるかどうか…難しい株価位置です。このラインを完全に離脱した後の方が良いかもしれません。このチャート論の解説は、明日にしましょう。もう長くなったからね。それでは…また明日。
これから会員レポートを書き始めますから、会員の方は、明日にでもお読みください。尚、手続きを終えて…まだパスワードが届いてないと言う人は、畏れ入りますが、ご一報ください。既に新しいパスワードの配布は終わっています。