GDP(付加価値)とは…

本日からの連休は、株式の「基礎講座」を開きましょう。株価の成り立ちを知れば…理解が深まります。近年の傾向を観ていると、この知識がないために目先の需給バランスばかりを気にして相場が動いているように感じるからです。そもそも市場参加者は、本当に経済の成り立ちを知っているのでしょうか?

何故、その事を感じるかと言えば…正しい時期に船株相場は大きく人気化しませんでした。カタルはそれを「低PERの謎」と表現をしていました。そうして既に半導体市況などはピークアウトして赤字になるのに…その設備投資の「レーザーテック」の馬鹿高値の説明が、出来ていません。確かに安全保障に格上げされて、二番天井を付けるのは分かりますが、それにしては、連日のTICK回数で、第一位になるのは少し異常です。

TICK回数の上位

やはり多くの市場参加者は、目先の動向に溺れて動いているように見えます。正しい資金配分が出来ないなら、日本は間違った方向に向かいます。市場経済の株式市場、本日は日経新聞の一面には「予算配分」の話が掲載されています。間違った予算の使い方をすれば…未来の国家競争に負けます。

せめて市場参加者のレベルを高める作業を、基礎的な事ですから、この連休に綴ろうと思います。有料の会員ページでは、互いに切磋琢磨して…自分達の技量を高めようと努めていますが、改めて…カタルの理解の範囲ですから、解釈が間違っているかもしれませんがカタルの認識レベルで綴ります。

先ずは国家の経済力を測る「ものさし」は、やはりGDPでしょう。チャットGPTにその事を質問してみます。

「GDPとは、Gross Domestic Productの略で、日本語では国内総生産と訳されます。GDPは、一定期間内に国内で新しく生み出されたモノやサービスの付加価値の総額で、国の経済活動の規模や動向を示す指標です。付加価値とは、サービスや商品などを販売したときの価値から、原材料や流通費用などを差し引いた価値のことです。GDPには、物価の変動を考慮するかどうかによって、名目GDPと実質GDPという2つの指標に分けられます。名目GDPは、その期間に実際に発生した価格で計算されるGDPで、物価の影響を受けます。実質GDPは、物価の影響を除いたGDPで、一定の基準年の価格で計算されます。GDPの伸び率が経済成長率に相当します。」と回答してきました。各GDPなどは此方から…

米国のGDPと成長率の推移
中国のGDPと成長率の推移
日本のGDPと成長率の推移

そこで世界のGDPの推移と成長力を観てみましょう。米国が一番で2番は中国、3番はドイツに抜かれそうですが…未だに日本です。このGDPは人口により決まりますからね。ドイツの人口は8315万人で日本は1億2600万人ですから1.5倍にも拘らず近年は肉薄されています。ドイツが3兆8610億ドルで日本は4兆9200億ドルです。1.27ですね。本来なら人口比の1.5倍の開きが必要です。

ドイツのGDPと成長率の推移

カタルが問題にしているのは「失われた時代」で低迷した伸び率の話です。この違いを生んだのが実質経済と名目経済の違いです。資産投資の利益拡大が経済成長を加速させます。しかし日本はバブル経済の反省でそれを否定しました。

インドのGDPと成長率の推移

その為に…日本は5.16兆ドル(2013年)が5.49兆ドル(2022年)で、この10年間の平均は0.6%成長ですが、米国は成熟社会でも16.69兆ドルから23.76兆ドルで平均の成長率は3.3%です。一方、固定資産投資(不動産投資)を活用した中国は9.61兆ドルから18.28兆ドルで平均成長率は6.8%なのです。

この付加価値の争いは重要です。国家の利益の話です。付加価値とは、よく小麦粉とパンの関係の話しで、説明をされます。原料の小麦粉を加工してパンを作り、価格差を産み出しますが…この価格差が「付加価値」で…この合計金額がGDPです。このGDPを伸ばすために金融政策や財政政策が実施されます。金融政策には金利の上下から、お金の量を決めるマネタリーベースの話とマネーストックの関係(貨幣乗数)です。通常はマネタリーベースを増やせば…マネーストックは増えますが、「流動性の罠」に陥り…この関係が働かない程、国民の意欲を疲弊させた「清貧思想」のことを日々のレポートで綴っています。官の規制が強すぎたのです。

この金融政策と財政出動のタガで設備投資の増加を促します。最近、半導体の補助金政策はこの事を言います。財政出動です。米国ではCHIPS法などが財政出動になります。経済のさじ加減を減速と加速、ブレーキとアクセルを組み合わせて…経済活動をコントロールします。あまり加速させると日本のバブル、またはリーマンショックのような暴走を許すことになり…あまり厳格に規制をすると日本のように失われた時代になり「流動性の罠」が長く続きます。いくら黒田さんが笛を吹いても「一人舞台」です。株式市場ではなかなか株価が一段高しませんが、これは未だに…市場は「疑心暗鬼」なのです。

さてGDPの話しから、政策の話をしましたが、会社の収益では、売り上げから原材料費を引いて…利益が生まれますが、その売上高「営業利益率」が高い企業が優秀で…低い企業が劣勢なのは理屈で分かると思います。この粗利と呼ばれる部分で株価の価値が決まります。

キーエンスの決算短信から

高い付加価値を生み出す企業は、例えば…日本では「キーエンス」(6861)かな? こちらがキーエンスの決算短信です。実に…売上高営業利益率は54%です。つまり100円のうち54円が儲けですよ。通常、このような付加価値があるなら…必ず、競争相手が生まれ、競合して利益率が下がる筈です。何故、キーエンスは高い営業利益率を続けることが出来るのでしょう。だから株価の評価はPERが42倍で市場から高く評価されています。際立つ利益を生み続ける会社だからです。この付加価値(利益率)の合計がGDPなのです。

政策と言うのは国家レベルで…このGDP成長率を高めることを言います。ところが…日本は「間違った政策」を実施した為に…ずっと低迷を続けています。株価のPERは、この「利益率」、「成長力」で判断されます。それではキーエンスの「成長度合い」はどうでしょう。如何ですか? 

キーエンスの売り上げなどの推移

ずっと…右肩上がりに伸び続けています。社長は中田さんですが…キーエンスを立ち上げたのは会長の滝崎 武光さんです。凄い経営者です。あまりメディアに登場していませんが、カタルより10歳上の77歳です。しかも彼は高卒です。学歴ではなく…本物人間の一人です。何故、経団連の会長に推薦されないのでしょう。異色の経営者ですが…国家の為に「三顧の礼」を尽くせば…動くんじゃないかな?

基本的に、カタルが日経新聞を批判し続け、日本を間違った方向性に導いたのは、官僚の仕組みだろうと思っています。本日の日経新聞の予算配分にも…その事が報じられています。規模拡大、予算を多くとったものが優秀だと言う評価です。結果責任を問う仕組みに変えるべきでしょう。予算は費用対効果の結果により配分すべきです。

別に官を批判している訳ではありませんが、「総資産経営」の規模の拡大に走ったのは「プラザ合意」が分岐点だったのでしょう。その時に規模の拡大を止めて「ROE経営」、つまり効率化に道を切り替えるべきでしたが、間違った選択をしたまま…走っています。

規模を追うのではなく、経営効率の高い争いを定着させるべきだったのです。日立が「変わらないことが社風」と…当時の社長室長がカタルに述べたのです。そうして「この木なんの木」のCMの後に、永遠と続く企業グループを誇示したCMの記憶は、まさにその総資産経営の表れです。茨木の日立村は、みんな日立の関係者で街が成り立っていると言います。

その日立は、今は構造転換を始めましたが、道半ばです。もし1985年、あの前後に次の的確な手を打っていたら… つまり、国家レベルではこのGDPを増やすことが大切なのですよ。

人口が低迷しても「効率化」を高めることは出来ます。AIの活用です。無駄な時間を省くのです。昨日は佐野ラーメンの話が紹介されていました。「バンカン」と言う会社が地図上に混雑具合などを表示して、効率化を産み出す報道です。良いレポートでした。各自治体が地域活性化を担っている報道です。NHKではマウンテンバイクを使った山道の整備の話を、南アルプス市で行っている取り組みが紹介されていました。「地域おこし」は、あっちこっちで…始まっています。

市場でも…正しい理解が進むなら、目先の株価の値動きで一喜一憂する「鞘抜き」投資が改善されると思っています。この連休は、こんな基礎的な経済知識の仕組みと株価の成り立ちを考えたレポートを綴ろうと思っています。明日は個別株の決算書の見方と言うか…読み方と言うか…そんなものを書こうと思っています。ザっ…とです。本当に基礎の基礎と言うレベルです。きっと退屈な人も多いでしょうが…具体論を交えて原稿を書こうと思っています。また…明日



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