カタルが「大阪チタン」(5726)に熱くなっている理由を話します。先ず…全体の相場観です。基本的に、個別の「仕手材料株」として…銘柄を選択したのは、この大阪チタンと「エーザイ」(4523)の二つです。
何故、個別の仕手材料株を選択したのか? この理由は世界的に経済環境の読みが難しいために…大きく相場を張ることは出来ません。米国はインフレで金利高です。これは世界的に同じ環境です。そうして景気の読みはリセッションに陥る可能性もあり…今はまだインフレの鎮静化を待っています。終盤には違いありませんが、金利のピークアウトの意見は割れています。つまり先の読みが確定せずに…「揺れている予想」の段階に、大きなお金が本格的には動きません。このような景況感の狭間では…個別株の仕手材料株が物色されます。
全体市況が弱いか…不透明なために、相場は強弱感が対立しやすい「買いにくい株」が選別されます。船株が相場になって揺れているのも…その為でしょう。そうして業績の見通しが立ちにくいのです。このような時期は、思惑の大きな株が選別されます。
エーザイは「世界初の痴呆症薬」で…この患者数は「うなぎ登り」です。おおよそ20%程度の確率で…高齢者は発症するとも言われています。しかも…目に見えない進行で非常に若い時期に芽が生まれ…進行速度が遅いのです。故に事前予防が大切ですが…未知の領域です。学説も大きく割れています。
もう一つが大阪チタンの選択です。
コロナ禍で移動が制限され…しかもボーイング社は主力旅客機737MAXの相次ぐ墜落事故を受けて…生産が止まりました。ようやく…その理由が解明されて生産が再開されたところです。こんな事は歴史上、過去、なかったことですね。コロナと墜落事故で…ボーイング社は倒産の瀬戸際まで追い込まれました。「お船」の相場は、2017年に大きな危機を迎えました。似ていますね。
大きく落ち込めば…大きく改善するのが「世の道理」です。
だから…カタルはチタンを前から狙っていました。もともと…2018年に、東邦チタンを調べており、グローバル時代の進展で、人々の移動は盛んになります。故にボーイング社(BA)の株価を観ると分かりますが…他に銘柄に比べて、早くに株価は高くなっています。2017年から2019年にかけて…ボーイングは主力で物色されてきました。
その頃…MLCCもブームになりつつあり、スマフォなどに大量にも使われるようになりました。故に、2018年に「東邦チタン」(5727)を選択したのです。その時からの戦略です。
だから大阪チタンが800円台の時に、何度か…カタルは買おうと思っていたのです。思っていたら…先を越されました。カタルは、もう少し業績の回復に時間が掛かると思っていたのです。故に…昨年の夏(6月)に買われたのは意外で…当時の利益の読みは43円ですからPER80倍台は高すぎると思っていました。だから「やり過ぎだ」…と思っていました。
でもロシアが2月にウクライナに侵攻し、制裁が長引く様相がハッキリしてきました。そうして…円安が加速します。その頃は、既に…先発組が早く仕掛けており大阪チタンの株価は3000円前後です。あの時は…事前に考えていただけに悔しかったのです。でも40円で3000円ですから驚きます。でも…実際は、円安効果もあり、いきなりの80円の利益です。赤字ラインから一気に…一株利益80円ですよ。
これならPERは50倍程度ですから…この株価のスピード感を観ても納得です。そこに…11月25日に鉄鋼新聞で増産報道です。フル操業になるとの事です。そもそも…生産活動と言うのは、稼働率が上がると利益の増え方が違います。50%と100%では2倍ですが、「損益分岐点」を超えれば…あとの売り上げは、ほぼ利益になります。素材産業ですからね。利益率は高いのです。
故に最終利益は、2024年3月期の一株利益は、軽く200円を超えて、300円とか…に膨らむのでしょう。そうして…ここでの「30%もの値上げ」の成立です。6月の電気料金の引き上げが29.31%だそうです。それでも…この製品価格の30%引き上げ効果は非常に大きいのでしょう。現在の四季報とのギャップを感じてください。この時期は既に2024年の数字の読みなのです。
また利益を確定しない時期に…「早めにやる」のが「仕手材料株」です。それでも…あの時は、野村証券が取り組んだタイミングは、些か…早いと思っていたから、休むべきだと思っていました。でも…80円の利益には恐れ入りました。円安効果が大きく影響しています。11月2日の決算短信
仮に、一株利益100円なら…この成長過程ですからPER30倍程度だろうと皆さんは思っているでしょう。ここがカタルの読みが違います。
チタンは何も航空機だけでなく…世界では軍事予算がドンドン増額されています。故に「チタンの塊」のような…潜水艦の需要も増えるでしょう。更に日本のように…トマホークなどのミサイル需要も増えます。
ここに…宇宙時代の到来です。ロケットの生産もドンドン膨らみます。故にチタン産業の未来は、明るいでしょう。さらに脱炭素化で…原子力なども復活します。熱交換器なども高い需要です。ここでは知識の補完に資料は古いですがチタン業界を知る資料が此方です。チタン協会は此方…です。
高度なスポンジチタンを作れるのは日本、ロシア、中国程度です。安全保障面から日本が購入先に選択されます。米国もありますが…、でもロシアが欠けるのは大きいですよ。さらに中国との米中関係もギクシャクしています。故に日本に特需が来る可能性は高いですね。今回の製品値上げは当然の帰結です。
だからもともと…大阪チタンは「良い素質」を持っています。環境次第で…上手い「仕掛け」を演出するなら…「過去最高の相場」になる可能性があります。実は大阪チタンは昔も大相場を演じている…業界きっての「仕手株の代表格」の銘柄です。
2004年からの相場では400円程度の株価が2007年3月に、15060円まで行ったのです。実に…37倍です。やるかどうか…うまい「黒子の仕掛け筋」が演出を加えれば…簡単に5桁相場の可能性もあるのでしょう。「Vテク」(7717)や「レーザーテック」(6920)に代わる大人気株になる可能性があります。
それでは…、何故、カタルが大阪チタンの昨年の相場を観て…当初は「やり過ぎだ」と述べたか? そうして、その過程の決算短信と四季報の数字とその数字が判明した日をチャートに合わせてまとめてみました。このグラフを観れば…カタルが「野村様、畏れ入りました…カタルの負け」です。…と述べて野村証券の軍門に下った理由が分かるでしょう。
歴史的なコロナ騒動、737MAX墜落、更にウクライナ侵攻からのロシア制裁など…こんな好条件は滅多にあるものではありません。尚且つ円安です。過去最高株価は15000円台です。さぁ…あなたは、どうするのでしょう。
最後にチタンの貿易統計の資料を添付します。