株価の構成要素と言うか…株価を決める要因に、カタルはその会社の企業業績や材料などが影響を与える「個別株要因」と、市場全体の相場環境が影響を与える「市場要因」に株価は影響を受けると思っています。
前者の個別株要因は、多くの皆さんが理解をしていますが…後者の市場要因の認識が足りません。日本はバブル崩壊以降、「清貧思想」の道を歩み、基本的に資産価格の上昇を拒絶してきた歴史があります。
しかし…過去の日本企業が高度成長を実現できたのは、この「資産価格の上昇」による「富」を上手く利用してきたからです。でも今はバブル期の反省が強すぎて、この資産価格の下落が正しい道と言う「実質経済成長」の清貧思想を政策の主眼にしてきた結果、富の活力を失い国際競争に負け続けたので空洞化が進み、海外に生産基地を移転させました。代表事例の自動車産業では、タイでの生産活動が盛んです。それ程…資産価格の上昇への反省の結果、一般社会まで…広めた「清貧思想」は、日本人の活力をも奪いました。
地方都市を歩いてみると良く分かります。
カタルの地元の長岡では、駅前の商店街はメインこそ、まだ…多少は店舗が残っていますが、空き地ばかりが「目立ち」…「殺伐」としています。みんな駐車場ですが…ガラガラに空いています。不良債権になって土地が活用されず…余っている状態です。シャッター街などではなく、更地がゴロゴロしているのです。「失われた時代」の被害と言うか…。後遺症のようなものです。
経済が成長していた頃は、「土地神話」があり、「地価は下がらない」という不文律がありましたから、銀行は必ず、土地を担保にすれば、お金の使用目的などを問わずに融資してくれました。しかし今は…全く駄目です。ここまでバブルの反省をしたのは、やはり過剰な政策誘導のミスです。日本復活などは…本当は簡単な事です。全ての土地に対して、路線価での融資を実現させれば、円滑にお金が回り始めます。株式も純資産価格以上まで、融資をすれば、株価の上昇も始まるでしょう。
まずは「資産価格」の底上げを実現させ「国力」を取り戻すことです。
基本的に日本株の割安感は、デフレの長期化で…純資産価格が「疑わしい」と思われているのでしょう。確かに…トヨタや日立などの地方の土地に資産価値があるのかどうか…。疑わしい…ものです。このような外部環境の悪化が、株価の価値も下げているのでしょう。これが市場要因です。ブルドックソースや東京機械の最高裁の判決を観れば…買収に「二の足を踏む」海外投資家の気持ちが、良く分かります。
日産のように…折角、手を差し伸べて…助けたのに、「ルノー」との統合を目指したら…奥の手の東京地検様が登場して、民間の話の邪魔をします。東芝の買収には、安全保障の問題が絡み…「外為法」が障害になるからという理由で、一躍、脚光を浴びた「産業革新機構」(JIC)です。この組織は2009年に設立され2018年に改組された組織です。基本的に官僚が支配権を持つ組織なのでしょう。そう考えています。
東芝を自由にさせないという日本国の意思表示でしょう。だから買収ファンドには、このJICが加わるのでしょう。如何にも…日本的な話です。
今回の経済安保法案かな? 実際は、例のTSMCへの補助金の出すための法案です。結局、半導体と言う「産業のコメ」とも言われていた重要な産業を荒廃させたのは…村社会論理ですよ。派閥間の「縦割り組織」の弊害と言うか…。村社会論ですね。
はやくからグローバル論理を導入して「改革」をしているなら、今頃は、全然、違った日本の姿になっていたでしょう。もう…いい加減に「公正な競争社会」を実現させるべきでしょう。昨日の日経新聞の文春の報道を読めば…カタルが「メディアが日本を駄目にした」…と言う村社会批判をしている理由の一端が、分かると思います。
このような外部環境が市場要因になって、株価に影響を与えています。最高裁の間違った判断なども、市場原理とは違う「後出しジャンケン」です。これじゃ怖くて…海外からお金を出す人が減るのが当然です。まぁ、カタルの主張が、間違った解釈かも知れませんが、カタルは長く市場を観てそう考えています。
でも安倍首相の登場で、ようやく…「名目成長時代」への口火を切ったのです。最近では多くの企業が、国際基準の「ROE経営」を始めています。無駄なお金を使わない…効率経営です。日経新聞社は、間違った報道を続けていても…民間企業の優れた経営者は、国際競争を意識して…経営方針を変えています。
何故、デンソーの経営方針の転換を、カタルが何度も…レポートで採り上げているか? 日本製鉄のトヨタへの反乱を、何故、取り上げているか? 背景を理解しているなら…その意味が分かるでしょう。今は「東芝」です。
時代の変化を表す…重要な「案件」です。日本株全体の水準を、左右する大問題です。東京機械の最高裁の判決は、村社会への支持でした。東京地検のライブドアの粉飾決算も、日産のゴーン逮捕も、村社会の行動です。今回の東芝は、どんな決着を迎えるか? 果たして日本は変わったのか? 参議院選挙後の岸田さんの行動と、共に注目される事象です。この成果次第で…日本株の外部環境の価値が大きく変わります。
日本株の売買高は、一日平均で3兆8千億円ほどです。一方、中国の昨日の上海総合株の売買高は1兆1600億元ほどです。1元は20円ほどですから、実に23兆円ほど…一日で売買が成立しています。中国は、他に香港などの市場も持っています。ここでは上海株だけの売買高です。日本のGDPは556兆円ほどです。ですが…中国のGDPは19兆9110億ドルだから…135円換算で2687兆円ほど…ですかね?
だいたい…日本は中国の1/4~1/5ほどです。だから中国並みの売買高なら…一日の売買が23兆円で他の市場もありますから、やはり…本来の日本株の売買が中国並みなら…5兆円ほどの売買がないと駄目です。この差を感じてください。如何に、日本経済の活力が失われているか? 客観評価でも分かります。お金の動く「スピード」の違いを感じてください。これじゃ…勝負になりません。お金を動かす…努力をしないと駄目です。「貨幣乗数」効果の話は、こういうことを言います。
日本は、北朝鮮より悪いとレポートは此方ですね。一度、村社会倫理を考えてください。
そういう事で…日経平均株価を検証しましょう。今は残念ながら…岸田政権誕生以降…200日線を下回ったままで…推移をしています。カタルは、このような状況の時は、まるで歯が立ちません。過去、だいたい市場全体の影響を受けて…自分の成績も変わっています。
2018年は、米国が今のようにQT政策を実行した年です。その時は悲惨でした。辛うじて前半の倍増の蓄積利益が在ったから、後半はマイナスにならずに済みましたが…この年は全く儲けがなかったのです。そのカタルの短期売買の様子をデータが此方です。
基本的に「買いだけ」しかやっていませんから…200日線を下回るような期間、外部環境が悪い局面では、カタルがいくら頑張っても、なかなか…株で儲けることは出来ません。しかし今回は、度々…方針転換を余儀なくされて…200万、300万と言う単位で損金を計上していますが、今は辛うじて…プラス圏を維持しています。
これは「株主還元」相場と言う時代を、上手く捉え…過去の失敗から学び「薄利多売買」説を採用している為でしょう チビチビとした利益を積み上げて…先日は、野村証券を中心に様々な実験の玉の整理で、損金をまた70万ほど…喰らいましたが、船株の配当金などがあり、何とか…その損失をリカバリーしました。
でも基本的に、市場環境にカタル自身の成績は、大きな影響を受けます。そこで「チャート論」は分かりやすいから、一般の人が「入りやすい分野」です。株式投資の基本は、企業業績や外部環境の経済の影響を強く受けますから、基本は「ファンダメンタル分析」が主流です。
しかし…同時に「効率的市場仮説」と言う「株価は全てを知っている」という仮説もあります。株価は「未来を語っている」のです。常に…実体経済の「6か月後」を観て…動いているという論理から生まれたチャート論を「テクニカル分析」と言います。何しろ…学会があるほどです。
そのチャート論の分析を、これから…しばらく「題材」にして、皆さんに説明をしようと考えています。カタルが、もっとも重視するのは「200日移動平均線」の「傾き」です。この角度が、上を向いているか? 下を向いているか?
基本的に短期売買をする場合は、この移動平均線が上昇をしている株を選択すれば…儲かる確率は上がります。逆に下降トレンドの選択は「戻り売り」が基本ですから…爪を伸ばさずに「薄利多売買」の戦略になります。だからあまり儲かりません。
皆さんの大好きな成長株の多くは、この株価トレンドは「下向き」です。カタルが「マザーズ株の逆襲」を述べています。これは、まもなく…この株価トレンド転換に期待する思惑です。底入れのタイミングを、測っている訳です。だから…株価位置は低いですが、欲張って引っ掛かると、損失が膨らむリスクがあります。時間が掛かるのです。
こういう常識が、あまり浸透してない様なのです。そこでカタルレポートでは…しばらく…チャート論を交えた原稿を書こうと思っています。
チャート論だって、カタルは、誰にも負けない自負はあります。まぁ評価は他人が決めるものですが…今日は、代表的な新興株のソフトバンクの最近のトレンドを解説しましょうか…。
残念ながら…カタルは、先日、買ったソフトバンクは、既に利食いをしており、次回の下げ相場を待っているところです。昨年の秋からのものですが…基本的に200日線は下降トレンドです。昨年の8月13日の200日線は8391円です。そこから…金曜日は5656円ですね。株価は2739円も下がっています。
過去…200日間で売買した人の平均の買値ですよ。200日線との「下方乖離」が大きいという事は、みんなが損をして…「痛み」が大きいのです。だから「処分売り」が続きます。つまり「売りの圧力が強い」という事です。この75日の移動平均線から、顔を出した株価上昇部分のa(緑)は、この時間が短く…僅か2日間程度でしょうか? そうして再び…株価は下に行っています。
つまり200日線が下降トレンドを続けている銘柄で、下方乖離の大きな株が、何か…突発的に上がっても、大概は…「空売り」をしていれば、儲かるのです。また75日線を割れるのが通例です。特に大型株の場合は、そうですよ。なかなか…株価トレンドは、変化をしないものです。
そうして、この75日線を上回る時間を観てください。だんだん長くなっています。aよりb、bよりcと言う具合です。そうして25日線と75日線のゴールデンクロス(GC=オレンジ)…つまり25日線が75日線を下から上に抜く瞬間です。このタイミングはAB間よりBC間が、時間的に短くなっています。この反発ポイント200日線との下方乖離はa、b、c、dと…だんだん200日線に接近をして、dの局面では何と…200日線より、上に顔を出しています。
この場面を重要視しています。
ようやくソフトバンクの株価波動が「転換を迎える時期」が近づいています。まだまだですよ。「順のトレンド」では、25日線、75日線、そうして200日線の順番が並んでいる株が順のトレンドです。
このソフトバンクのケースは「下降トレンド」の代表的な事例で、順番が逆になっています。200日線が一番高く、次に75日線、そうして25日線になっています。
先ずは…25日線が75日線を上回らないと駄目です。基本的にソフトバンクは、まだ「戻り売り」のパターンなのでしょうが…一度、株価が200日線を上回る「顔出し」をしましたから…今度は、下値の「下方乖離」の場面は、「買い場」になります。また「5000円割れ」また…があるかどうか分かりませんが、もしそのような場面があるなら、積極的に買いましょう。
如何でしょう。ファンダメンタル分析ではなく…これがテクニカル分析のレポートです。
移動平均線から観た株価判断で、チャート論は色んな分析があります。「一目均衡表」の雲など…話もありますが、取り敢えず…この移動平均線の基本概念をマスターしましょう。
しかも株価の「下値支持線」(赤で表示した線)が、上向きに変化しています。こういう下値と下値を結ぶ株価ラインを「下値支持線」と言い、上値と上値を結ぶラインを上値の「抵抗線」と言います。dの部分は、この上値抵抗線を突破しています。こういう現象を観れば…まもなく株価トレンドが変化する時間です。
こんな解説で下降トレンドと上昇トレンドの変化を観て…これからの投資活動に役立ててください。そんな訳で、本日はソフトバンクを用いて…チャート分析をしてみました。皆さんも自分の持ち株を一度このような観点で調べて…今後の戦略で利用してください。また明日。
実はカタルは、これから横浜に出かけて一泊しますから…明日の原稿は、夕方のアップになります。早ければ前に書きますが、いつもの時間には更新は出来ないと思っています。夕方にでも…お読みください。またね。
会員の方は新しい原稿を既にアップしてありますからお読みください。