かたる:僕らはいつもメディアに騙されて行動している様に感じますね。メディアは事件があると象徴的な現象を大きくクローズアップして、全体像を語りますが、実際に取り上げられる事例は、特別のケースのものが多く存在します。一般的な平均値は違うけれど…極端なケースを統計上は外すのがセオリーですが、メディアは違いますね。飛び抜けた特殊ケースを大きく画面に写し、さもそれが、全体像の様に語ります。嘘ではありませんが、事実とはかけ離れています。体操などのジャッジを観ると、最高点と最低点を外し、他の平均値でその選手の評価をします。本来はそうあるべきなのでしょう。
日経新聞社の意向もあり、日経平均株価指数が、メディアでは、この指数を用い株価が上がったとか、下がったとか…よく表現されますが、僕らの実感は違いますね。一昨日の株式教室で見たように…、僕らの実感は日経平均株価ではなく、むしろ東証一部上場株の単純平均値です。この指数はドル換算の日経平均株価に近いものです。ここ5年程度の動きを掲載しておきます。今はようやくアベノミクス第二幕が始まるかどうか…。政府筋の賃上げ要請は2年目になりますが、昨年は消費税の引上げでしたが、今年は円安による原材料費高の転嫁が、来年初めに一斉に始まります。先日、牛丼チェーンの吉野家が値上げを発表していました。
小麦粉などの材料費が上がっても、製品価格に転嫁される分はそう多くありません。でも基礎的な原材料費と言うものがあります。電力やガスですね。電気料金はどの産業でも使用しますから影響力は大きいですね。菅直人の馬鹿な選択のせいで、ただでさえ高い水準なのに、更に電力料金が上がるのが当たり前の構造になっています。しかしここに来て電力以上に、大きな影響力を占める原油価格が大きく下がっています。原油はエネルギーだけでなく、全ての素材の元になっていますからね。この影響力は消費税の引き上げ分に見合う額だという事が、先日の調べで確認されました。原発も再稼働し…我が国にとって大きなプラス要因になります。それなのに…何故か、日経平均株価が訳の分からない理由でハローウィン緩和を帳消しにする下げになりました。おかしな現象ですね。
カタルはスムーズに中央銀行が補った資本が民間資本に置き換わるかどうか…が、来年もっとも重要なキーポイントだろうと考えています。でも基本的に、中国の様に、一度市場原理に取り込まれた新興国の市場は成長を続けている訳で、日本の経営者が真のグロバリゼーションに目覚め、真のROE基準に目覚めると…崩れかかった村論理が一気に変化を迎えますね。最も大切な事は、日本人の意識変化です。アベノミクスの成否は、このマインドコントロールに掛かっています。清貧思想にどっぷりと嵌った日本人をやる気のある社会に構造変化させることが出来るかどうかなのです。充分な背景と力を有しているのですが…指導者の力不足や認識不足が「失われた時代」を築いたのですね。だから何度の述べている様に、日経新聞が年末年始の特集でROE経営の意味を連載する価値があるのですね。
無駄な資本を使わず、効率的なお金の配分を考える為に、ROEの考え方の定着は、是非、必要なのです。新聞屋魂に、是非、火を付けて欲しいものです。株屋は株屋らしく…利回り裁定をお客様に訴えればいいのです。PBR1倍以下で配当利回りが2%、3%になっている銘柄に、眠っている資金を振り向けるのですね。常識的ですね。0.3%の世界から2%~3%の商品に資金を移動させるのです。この裁定取引を行う事が「流動性の罠」から抜け出し、泥沼のデフレに、サヨナラを言うことに成ります。僕らはメディアの甘言に騙されず、自分自身でデータを分析して、そのデータに基づいた行動をとる賢い投資家を目指しましょうね。このようなくり返しが、割安銘柄を市場からなくすのですね。割安だったNSWも、いつしか水準訂正をしましたね。
金曜日の相場は、なかなかでした。基本概念は、あの相場ですね。でも金曜日の日経平均株価は冴えなかったでしょう。僕らの感覚は、非常に良い相場の内容だったのに…。まぁ、僕の場合、ケネディクスが上がれば良い相場なのですが…。でも一般的な個人投資家は、あの日は良い相場だと感じたはずです。でも日経平均株価は、僅か10円の値上がりに過ぎなかったのに…。僕らの相場の実感は、やはり単純平均株価の推移に尽きます。
さて…今年も残すところ、あと僅かで…、明日で今年の取引も終わりですね。今年の皆さんの成果は、如何でしたでしょうか? 残念ながら、カタルは単純平均株価と同様の鳴かず飛ばず…です。今年は1―3月に株価急落に遭い、追証懸念からスタートし、5月から6月頃が、相場としては一番、良かったようです。そこから8月に向け下げ、少し回復したと思ったら、再び下落、そうしてハローウィン緩和で、ウハウハ状態に突入かと期待したら…、再び、はしごを外された印象です。なかなか「デフレ脱却」のスローガン通りの相場展開になりませんね。大手銀行株の相場を観ていると、金利裁定と言う基本的な経済活動が働いていませんね。所謂、「流動性の罠」と言う泥沼に嵌ったまま、抜け出せないでいます。折角、日銀が日本国債をガンガン買っているのに…なかなか資金移動が始まりません。
カタルは、やはりハローウィン緩和の時に付利金利の撤廃か、マイナス金利にして当座預金に眠る資金を動かすべきだったのだろうと、今でも思っています。黒田さんの失政でしょう。何故なら、金利水準より資金を動かすことにエネルギーを使うべきだからです。おそらくこれが、折角の緩和効果が、充分に市場に反映されない理由でしょうね。折角、日銀が国債を買い入れても、当座預金にお金が眠っているのです。その様子は此方のグラフです。