カテゴリー:株式教室

果たして…流れは変わるのか?

今の最大の関心は、やはり…中国の政策動向でしょう。ロシアなんてものでなく、日本への影響力は、100倍と言っても良いほど…格段にダメージが違います。イタリアとロシアの関係なんか…可愛いものです。

仮に中国への「制裁」が起こるなら、日本株は半値程度まで覚悟をしなくてはなりません。それ程…大きなインパクトを与えます。「共同冨裕」が言われたのは昨年からのようです。カタルがレポートで用いたのは、昨年の8月WSJの記事を引用しています。此方です。同時にブルームバーグも報道していました。

アリババ(BABA)の週足推移

でも…アリババの株価は一昨年の10月に319ドルの天井を付けています。そうして「格差是正」を主眼にする…共産党の原点とも言える考え方を、習近平氏は打ち出しました。昨年の8月のWSJの報道のレポートを、もう一度読むと…ジニ指数の部分が掲載されています。

このクレディスイスの提示している数字は、たぶん0.599~0.704と言うものだと思いますが、この数字は南アフリカを上回る「格差」を示しています。米国でも0.4程度です。2019年の数字のようです。南アフリカは0.62となっておりブラジルが0.48です。つまり…0.4以上の数字は基本的に社会を不安定化させる格差のようです。日本は因みに0.33です。イギリスは0.37、ドイツは0.29です。此方の数字を参考にしました。

この時に紹介したWSJでは「李克強(リー・クォーチャン)首相は昨年、人口の約4割に相当する6億人が月収140ドル(約1万5000円)未満だと明らかにし、国内に衝撃が走った。一方、国民の間では、富豪実業家が大きな影響力を持っていることへの不満が根強い。」と紹介されています。

もし正しく…「この報道の意味」を理解しているなら…ひょっとしたら、マザーズ株の下落の被害を、軽く出来たかもしれません。だって、この記事は昨年の8月で…その時点で、既に…アリババ株は大きく下げています。そうして実際にマザーズ指数の下落幅が大きくなったのは、昨年の11月からなのです。

この報道と米中対立の構造の中で…この「共同冨裕」の考え方を推し進めた弊害が、此方の報道となっています。『経済成長率が2021年初めの18.3%から同年10-12月期には4%まで落ち込んだことだ。当局者はこのところ、習氏の政策の影響を一部和らげる「軌道修正」を口にし始めた。』とWSJでは報じています。

もともと…『今年後半の党大会で3期目入りを目指していることに対し朱鎔基(しゅようき)元首相ら引退した党幹部から反対意見が出ていると報じた。』と言う意見が出ていましたが93歳と高齢の為、政策の方向転換がどの程度か…確認が取れません。しかし…他にも多くの反対意見があるようです。

何故、こんな事に神経を尖らして…様々な資料を読み漁って、レポートを書いているか?

皆さんの多くはあまりに単純な株価の見方をしますが、基本は人間社会ですから、主導者の性格や方針が市場に大きな影響を与えます。カタルがバブル期の政策を、何度も検証して…三重野元日銀総裁を始め宮澤喜一などを批判している理由は、「政策の方向性」が非常に大切だという事です。最近では岸田政権の新しい資本主義を何度も批判しています。この考え方は中国の「共同冨裕」と同じ考え方です。

日本には、もともと…共産勢力が多く存在します。戦後の日本の識者は、真剣に「マルクス主義」を被れていました。でもどうにか…米国の庇護の下で市場原理が根付き…成長を遂げたので、今の共産党は少しイメージが違っていますが、基本は「分配」に拘る種族です。

でも市場原理主義は「格差の弊害」を認めていますが、それ以上に、人間の「やる気」(成長)が社会全体を引っ張る効果があるから…米国は、ソ連とのイデオロギー対立に勝利しました。そうしてソ連は崩壊しました。

理想は正しいのでしょうが…人間は「欲望の動物」です。だから頑張る奴を否定せずに容認をすれば、その成功したリーダーを追随しようとして…みんなが努力をして全体の「底上げ」に繋がります。これが「雁行型」経済の「アメリカンドリーム」の世界です。

しかし…東京地検などの「村社会」派閥は、格差の増大を認めないから、日産自動車のゴーンを逮捕したのでしょう。でも世界の一流域は、年収が1億程度ではなく、20億円から今では40億円程度に跳ね上がりました。

どちらが正しい道か…難しいですね。

でも日本でも、長い期間「実質成長経済」を続け、国民は幸せになりましたか? 日本は、どんどん世界競争に負け続け…社会は「不正の嵐」です。そうして、とうとう…日本で就職最難関の電通でさえ本社を売却したのです。だから安倍政権が誕生して、1万円割れの株価から3万円台に復帰したのです。ところが…ここに来て、また「揺り戻し」です。

中国も、米国も、日本も同じなのです。

東京に出てきても…一流域の人間に、触れ合う機会はなかなかありませんが…世の中には「優れた奴」が沢山います。田舎で秀才、学校で一番?そんな奴は東大に入ったら分かります。如何に…優れた奴が世の中に多いか? 実感しますよ。世界のレベルは、もっと違います。イーロン・マスクは凄い奴です。アリババのジェフ・ベゾスもすごい人です。彼らに及ばないまでも一生懸命に、彼らの足元を目指して頑張るのが市場原理です。

年金生活者に5000円を「ばら撒く」のは反対です。逆に後期高齢者の医療保険の負担額を2割から3割にすべきです。黒田さんは正しいのでしょう。何しろ、個人の現預金残高は1092兆円も滞留しています。お金が動かないからです。でもインフレにすれば…間違いなくお金は動きますね。だから野村証券株は上がりますよ。考え方は単純です。

カタルは米国・共和党のような考え方です。こんな話を展開したのは、訳があります。これからの相場に行方を考える…課題だからです。

仮に…中国の軌道修正が、本当に始まるなら…カタルの相場の基本であるナスダック指数は「戻り高値」の「二番天井」を付けて下がるのではなく…再び、「新高値路線」を歩むかもしれません。この可能性が出てきたのが…このWSJの報道ですよ。(3/16の報道です。もう一度リンクしますね。)

この意味が分かる人が、何人いるでしょう。皆さんの多くは…この報道の意味に気付かないでしょう。「市場の整合性」の話をしています。

アリババの株価は73.28ドルだったのです。それが昨晩の高値は111.74です。実に52.48%の上昇ですよ。僅か…4日間の出来事です。恐いですね。いい気になって空売りをしていたら、忽ち、担保が飛んでいます。

「ニッケル」市況の乱高下の話も…同じです。そうしてARKKの価値を上回る空売りファンドのETFの報道も同じです。「陰の極み」の現象です。

2020年3月のコロナ禍の時に、原油先物価格は、なんと…「マイナス」になったのです。ゼロではありませんよ。「マイナス表示」なのです。それから、わずか2年半で逆転です。原油価格は最高値圏です。

こう言う社会現象と市場の動きは、繋がりがあります。これが「市場の整合性」の話です。あらゆる現象が、一つの方向性を暗示しています。だから…カタルは今、中国で起きている「変化の報道」に、神経を尖らして…いくつもネット上の報道を読み漁っています。簡単にレポートを書いている訳ではありません。

様々な方向性から、いろんな角度で…相場を検証して…相場論が練られています。それでも、この程度の馬鹿レポートで、なかなか…あちら側に行けないのが現実です。「本物の世界」は、非常に厳しいものなのでしょう。

カタルの狙いが、分からなくても構いません。毎日、カタルレポートを読み、何故、カタルが今、このWSJのレポートを題材に選択して…その背景を解説したか? なんとなく理解すれば…それで良いのでしょう。その内、カタル程度なら…皆さんなら、直ぐになれます。何しろ3流域の記憶力が劣る馬鹿でも、毎日、努力をすれば…なんとか市場で負けずに「勝ち組」の端に、位置できます。ここからですね。また…明日。

本日は、これから会員レポートを書きます。会員の方は、明日にでもお読みください。



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