カテゴリー:株式教室

サッパリポンの分かれ道

昨晩も…NY市場は安く、どうしてこんなに弱いのか? サッパリポンです。

いくつかの要因が考えられますが…正解は分かりません。一つはFRBのベースマネーに対する考え方です。このベースマネーが減ると経済活動は当然ですが鈍ります。

もう一つが、あまり語られていませんが、本日の日経新聞のスクランブルのコラムで「パッシブ運用」(ETFなどの)の話が載っています。これも金融規制強化の影響ですが…現在の市場は株式を売るプロのセルサイドの運用から、株式を買う素人のバイサイドの運用に変わっています。故にワンクッションが途中で入りませんから、「感情」が、そのまま市場に伝達されます。

つまり投資家の判断で、直接、株式を売り買いするような仕組みのウェートが高いのです。もともと素人なので…環境に心が左右されます。この運用金額は大きく、なかなかプロの良識が通用しない市場になっています。

ベースマネーの話もそうなのです。金融規制の強化でシャドウバンキングの動きが消えたので…その補完として中央銀行がお金を投じましたが、引上げ速度が速いと経済は停滞します。いずれも…カタルが昔から指摘している金融規制の話です。その為に割安だと思っても、邦銀はなかなか自社株買いも出来ないありさまです。

でも非常に高い自己資本比率規制水準も、あと僅かで完全に完了します。自己資本の積み上げ作業が終わります。世界の銀行では、ドイツ銀行がまだ色々揉めており、イギリス、イタリアなどは問題を抱えています。リーマンショックの後遺症は基本的に続いているのです。

他には…突飛な考え方ですが、中国が空売りをしている可能性があるのかもしれません。米中貿易交渉を有利に運ぶために…ダミーを駆使して大量の売りを用い、トランプ氏に圧力を掛ける話です。

まぁ…兎に角、経済指標から見て、この下落状況は説明がつきません。

カタルはアップルの株価を観ていますが、まもなく150ドルを割れそうです。昨日は大引け間際に、大台(150)を一時、割れています。140ドル近辺にも壁はありますが、下落スピードは速く、米中貿易戦争で…一番、被害を受けるのはアップルでしょうから、常識では今の環境下では買えません。2015年4月の高値が134.54ドルです。トランプ政権の誕生が2016年ですから、それ以前の関門です。

アップルの株価推移

チャートはこんなイメージです。今回はaやbの下落角度より、遙かに速いスピードで調整していますから、当然のことですが…下げ波動の期間は「短い」と考えるのが、当たり前です。整理にはこのように株価を下げる値幅整理と、時間をかける時間整理(b)の二つがあります。まるでアップルのような大型株が…仕手株のような値動きをしています。テクニカル指標は売られ過ぎのサインを連発していますが、まったく「切っ掛け」が掴めない有様です。

ISM非製造業指数の推移

ISM非製造業指数が9月、10月、11月と…3か月連続の60越えの連発を見て、ゴルディロックス相場の再来を考えたのは、ISMが景気動向の先行指数でアンケート調査だからです。労働指数は遅行指数なので、今はあまり価値を帯びていません。今は株価や消費などの動向が重要なのでしょう。設備投資の金額も大きいのですが、どうしても米中関係の影響を受けます。故に受注が減るのは当然です。

だから不満ですが…FRBの判断が「正しい可能性」もあります。でもカタル自身は、本当は休止して様子を見るべきだと思いました。カタルは市場原理主義者です。ですが、今回はFRBの判断が正しく…「目先の痛み」で終わる可能性もあるのです。

何故なら…FAANG株の株価水準は、異常な期待感に包まれていたからです。この期待感が続くかどうか…注目していたテスラ株も、とうとう319ドルに株価が押されてきました。まだ赤字から黒字に転換したばかりなのです。だから期待感を後退させたFRBの政策は正しいのかもしれません。

この政策は過剰な「期待感」を押さえ、借り入れなどに依存する連中の行動も押さえます。カタルが追証で…株を投げざる得ない状況になっていることは…その証拠です。この追証の投げは、一旦、株価上がり…2週間の経過を見ないと底入れとは言えません。今は、まだガンガン株価が下げている最中ですから、もう良いだろうと思っても、何処が底か…分からない状況です。

でも常識では、どう考えても株は売られ過ぎです。 まもなく、その手のレポートが数多く出てくるはずです。何故なら…消費は絶好調で、ようやく日本人の生活観にも変化がみられるからです。このような現象は「流動性の罠」から抜け出す動きです。昨晩のWBSの放送は…新橋からでしたが居酒屋は活況でした。日銀のしぶとい我慢が、ようやく経済に波及し出している様な現象は他にも数多く見られます。

ケネディクスは景気循環のワンサークルの経過を余儀なくされましたが…次は「流動性の罠」から完全離脱しており…株価も期待できますよ。この逆金融から逆業績の弱気相場の落ち込みの期間は、非常に短いサイクルだと思っています。場合によれば…逆業績と金融相場が混ざり合って到来する展開もあります。

やはり…カタルには、今の状況が昭和最後の年末と平成最初の年初の動きとダブってみえます。あの時は…翌年から暴落の連続でした。ガラッと流れが変化しています。2月半ばには勝負はついていました。そうして永遠と「失われた時代」への突入です。

今回は逆で…来年に、年が変わると、上昇に次ぐ上昇の繰り返しで、2月頃に完全に流れが変わっている可能性もあります。そんな事を連想させる…下落スピードなのです。今は平成最後の年末に追証の嵐を味わい、失意の中で過ごす年末です。淡い期待と妄想ですが…この可能性は存在します。

もう一つ…今の状況で思い出すのは、リーマンショック前の状況です。あれは2005年~2006年頃の話です。おかしいな…と思っていたのですが、2006年にサブプライムローン問題が表面化します。カタルは顧客に、こう説明していました。「伝えられているサブプライムローンの損失だけなら、大きな事になりなりません。だから株を買いましょう。」そんな内容です。

しかし現実は…誰もが知らないシャドウバンキング問題が、影で広がっており、債務保証のCDSと言う商品が数多く販売されて…リスクが分散されていました。もうリスクを負えないから、何とか隠そうとして…リスクを分散させて資産価格を支えていたのです。でもその当時の新聞には「CDS」の存在は語られていませんでした。

発覚はリーマンの破たんです。知らずにノホホンと過ごし…カタルは40億円を失ったのです。今の市場はどう考えてもおかしいのです。何か…伝えられていない、とてつもない悪材料が、潜在的に存在する可能性は否定できません。そうでないと…この株価動向は説明がつきません。

例えば…一気にドルが基軸通貨の地位を失うのかもしれません。そうなると…ドルは暴落します。もともと米国は世界の安全保障と引き換えに…債務が認められています。シリアの撤退からアブガンまで…アメリカンファーストは、普通の国になる道でもあります。イタリアなどのように…。

まぁ、失われた時代下では、何をやっても駄目で、とうとう営業を諦め、図書館通いして資料を読み漁った時期もありました。2年や3年なら可愛いものです。5年が10年になり、10年が20年になると…多くの人間は気が狂います。失われた時代はそんな体験ばかりでした。

今年は年初だけを除き、一貫して駄目相場でしたが、こんなのはまだ可愛いものです。清算が付くのです。清算できる取引なら、どうにかなります。何か出てくる…玉手箱の可能性は否定できません。故にFRBは様子見をすべきだったのです。

現状はFRBが述べる通りなのです。でも市場は、明らかに…この動きを咎めています。どちらが正しいのか?

もし…何もなく、このまま円滑に進むなら、パウエルの仕事は素晴らしい功績になります。何故なら、潜在的に問われていた借り入れ水準の拡大が是正されます。「期待感」が剥がれるだけなら…景気は、持続的な成長の時間を手に入れることができます。一気にスマートコミュニティーへの世界へ突入する可能性もあるのです。この流れはFAAHG株の見直しで復活に繋がります。

故に、SKハイニックスやホンハイの半導体投資の行動が正しい道になります。SKハイニックスは2兆円と言う…とてつもない投資金額ですよ。此方です。 今は、まさに市場は丁半博打の市場で、途轍もなく高いボラティリティーなのでしょう。何か出て相場の流れが変わったら、完全に期待感が消えていますから…どの相場も天井が高くなります。

どの路線を選択するか…難しい判断が問われています。故に識者は休み様子見を決め込んでいるから…その分、変動率が高いのでしょう。

これから有料会員向けのレポートを作成します。たぶん長くなると思うので…明日にでもお読みください。



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