ケネディクスのTOBを考える

多くの読者の方から…ケネディクスに関するメールを頂いております。カタルは2013年頃からこの株を手掛けており、ずっと「雪だるま」投資の対象に据えてきました。雪だるま投資は、株価が上がると…その利益で株の買い増しを続けます。逆に株価が下がると、持ち株は減って行きます。

この投資の背景の考え方は、何度もお話している通り、「1300兆円の逆襲」です。そもそも日本の凋落には、様々な理由がありますが、最も大きな間違いは不動産価格を下げる政策を実施した為に、長引く調整期間に入りました。なんと31年も「失われた時代」を続けて…多くの自殺者を生んできたのです。その要因は様々ですが、根底にあるのは資産価格の下落です。特に土地価格です。この金額は国家の借金と同規模なのです。

会員向けレポートでは、カタルは自分の手口を紹介しており、その様子を見ると…コロナ禍の時3月29日の段階では、ケネディクスの持ち株は33000株だったようです。先日、699円まで上がる過程では、確か…68000株を保持していましたが、決算悪を受けたストップ安をする過程で18000株を売らされ…他の口座も合わせると、その時に5万株程度を投げました。

そうして…その後9000株を買い、週末段階では59000株の持ち株になっていました。休み明けの火曜日は1万株程度を…「買い増し」する予定でした。しかし…週末のTOB発表です。

どうなるか…分かりませんが、カタルは火曜日に成り行きでストップ高の755円かな?この1万株を買いに行きます。

カタルは自分の価値観を信じて行動をします。相場が安く感じれば買うし…髙く感じるなら売ります。ロコンドも同じです。全部、売った訳ではありませんが…株価が上がる過程では、どんどん持ち株は減って行き、今は、逆にどんどん持ち株が増えています。金曜日は2490円も500株ですが…また株を買いました。

イナゴ族のように、株価を観た行動を採りません。常に「自分の価値観」が優先されます。

それにしても…宮島さんは、ずいぶん日本的な対処の仕方です。昨晩、スマフォでニュースを見ているとケネディクスのTOBの話が載っていました。なるほど…それで様々な動きが出たのでしょう。

此処では…株価の動き、そうして作為的な決算発表、昨日も12月を無配にして…無理をしてキャピタルゲインを作ることなく大幅な減額修正を発表しています。意識的に株式価値を落としてTOBに加担をしている…宮島と言う人間の「本性」を見た気がします。

もともと…ケネディクスは、2017年に、ものを言う株主の「エリオット」に狙われました。それをかわし…水面下で取引をしたのでしょう。故に、シンガポールの「ARA」と言う投資グループが受け皿になりました。現在は…銀行の担保になっているようです。シンガポールの銀行名義です。

故に、この玉を巡り経営権の話に波及して…今回の三井住友F&リースがケネディクスにTOBを仕掛けたのでしょう。たぶん背景は、こんな感じでしょう。当たり前の話ですが…これは全部、カタルの推測です。

しかし世界の中央銀行が、ジャブジャブの資金を発行し…世界中のヘッジファンドは運用に困っています。だから金価格が上昇し、訳の分からない詐欺の様なビットコインが上昇をします。そうして日経平均株価は29年ぶりの新高値になりデフレの関門から完全離脱します。

不動産価格は1300兆円も、この31年間で値下がりを続けたのです。しかもその底値で…収益還元法で成り立つ、「良質な運用財産」を持つケネディクスの株価が、たった1654億円?(株価750円で産出) 

AUM残高は1兆8837億円の管理で…他の管理物件も合わせると2兆5046億円を超えるのです。お金など、なんぼでも集まりますが…良質な収益不動産を1兆円、2兆円と集めるのは大変ですよ。しかもこれから…ようやく長い失われた時代から脱出する「黎明期」の日本の不動産産業です。

ケネディクスの月足推移

31年ぶりの大相場に向かうのに…なんと、寝ぼけた価格設定です。チャートを見るとアベノミクスが始まって…の高値は849円です。つまり850円です。

多くの皆さんは、目先の株価に一喜一憂しますが…株式価値は原点の考え方が必要です。地上げの苦労を知らないから…良質な収益不動産が、直ぐに手に入ると思います。標準的な地価が、坪単価で2000万円なら…、まとまった土地を手に入れる為に 僅かに虫食いの20坪程度の地価を、5倍、10倍と価格を引き上げても時間を優先して買った方がいいのです。

高島屋の隣の土地は、長く開発が進みませんでした。真向いには、あの有名な幽霊ビルの話もありました。10年、20年と…開発が滞るリスクがあるのです。数千億円の開発資金が眠る恐怖を考えると…時間の大切さが分かります。

自分がやってないから…ケネディクスの価値が分からないのです。カタルがバブル期に上京した時に、Nさんと言う若者が、東京駅前の地上げ作業の末端をやっていました。

一つの区画の地上げが成功すると…数百万程度の手数料が入ります。そのような小さな虫食いの土地を、その一帯を…まともな収益不動産に開発するために、10年、20年と言う気の遠くなる作業をするのです。彼は、現場に住みつき、毎日、周辺の掃き掃除をして…地元民に顔を売り、信頼を勝ち取って行くのです。そうして、「じゃ…売る時はN君に任せるよ。」…と言う話になり、その土地の最終的な買い手は大手不動産会社、あの近辺だと東京建物です。途中でノンバンクを入れたり…大変な作業過程が背景にあります。

そうやって…まとめた収益不動産の1兆円と言う金額が、どんな価値を持つか?

たぶん…ユニゾHDのような買収合戦に発展すると思います。ケネディクスの多くの株主は外資系のファンドですから、価格は、つり上がるでしょう。

まぁ、カタルの願望かも知れませんが…今の経済環境などを考えると、750円と言う価格は、あまりに安過ぎます。カタルは1000円まで、買い増すつもりで…「雪だるま」投資をすると宣言をしていました。1000円を超えたら、あとは仕手戦です。

しかし今回のTOBを受け、次々に世界中のファンドが参加すると思います。バフェットが日本の商社株を買い…今回、日経平均株価は22750円のデフレの関門を完全離脱しました。この意味を…皆さんは余りに現実を知らな過ぎます。

地上げをやったものでないと…その苦労は分かりません。宮島などの人間は、アホ経営者です。通常の経営でも、今の2倍以上の株価になっている筈です。日本は偽物国家ですからね。

全ては…教育問題に起因します。日本人と言うのは、馬鹿の集団で…自分で決断が出来ないのです。考える力がありません。株式の価値は想像力を膨らませないとなりません。

三菱地所、三井不動、住友不動と…ケネディクスは、一体、何が違うのでしょう。銀行が直接融資すると自社保有なのですか? 不動産は支配権の問題でしょう。資金の出し手が銀行でもリートの参加者でも同じお金です。支配権はケネディクスが持っています。その不動産が2兆円規模ですよ。時価総額が2000億円、3000億円程度が…妥当だと考えるのが普通でしょう。

だって名目時代が確立されると…不動産価格は、毎年10%程度は上昇を続けます。まして…今のように世界中の中央銀行がジャブジャブの資金を提供し…収益不動産は「宝の山」です。しかも日本は31年間も下げ続けた不動産市況で…ようやく「陽の目を見る」段階の黎明期です。

馬鹿でない限り…750円は850円、1000円…と次々に新たな買い手が登場するでしょう。ケネディクスの多くの株主は、他人からお金を預かったファンドが主体なのです。だから…もっとも高い価格を付ける所に、売るのが道理です。

日本に「M&A時代」が到来する…その象徴的な事例となる可能性があります。

ユニゾの買収合戦の模様

実際に先日は、ユニゾの株価は、どんどん上がって行きました。その様子と…背景は此方です。株価チャートは、なかったので…こちらを拝借します。さて…皆さんの判断は、如何に?

やってみせ言って聞かせてさせてみせ、褒めてやらねば人は動かじ…あまりに多くの方からメールを頂いております。このレポートを…返信とさせてください。ゴメンね。



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