アーカイブ:2016年9月

政策は市場が決めるもの

本日の日経新聞の3面の「日米欧、金利上昇 冷や水」は、市場を理解してない素人領域のレポートで今一の印象です。一方、6面の羅針盤の記事は、非常にうまく市場を理解しているレポートですね。大塚さんは、なかなか良いセンスをしています。市場の認識度が問題になるのです。市場経済では、「市場が政策を決める」のですね。FRBが決めるのではないのです。何度も話題に出しますが、昔、元日銀総裁の三重野さんは、株や土地が下がっても実態経済には影響がないと…豪語して利上げを実行したのです。その為にバブル崩壊の手助けをして「デフレの道」を拓きました。

政策とは、時代が求める方向性に舵を切る事なのです。既に社会資本整備が完了しているのに…いつまでも公共事業投資と言えば、ダムや道路などにお金をかけていたから、折角のお金が効果(乗数効果)を発揮せずに、借金だけが残ったのです。故にヤンバダムや諫早湾の社会問題が表面化したのです。この為に民主党は2009年に、行政改革で公共事業投資にメスを入れ、「事業仕分け」作業をしたのです。蓮舫議員のスパコン予算に対して「2位じゃ、ダメなんですか?」と言う発言は、今でも有名です。

時代が求める方向性に、政策の舵を切れば…株は自然と上がり、日本国民も豊かになっていきます。ところが我が国の官僚組織は、全て前例主義…、自らラッセルできないのです。だから…なかなか前に進めません。しかし安倍首相は自ら潰瘍性大腸炎と言う病に罹り、欧米ではこの病気の薬は、既に承認されていましたが、日本では承認作業が進んでおらずに、薬の認可が遅れた経験を通じて、今日では政策が変更され、再生医療などの分野では、日本が世界で一番、規制が緩和されています。故に海外から続々と日本で開発が行われるようになってきました。

キーワードは、此処にあります。今では、すっかり後れを取っている自走車開発もそうですね。日本では公道での実験が、部分的にしか認められていません。仮に緩和されれば、世界中の開発者が、日本に集結して開発を始めることでしょう。カタルは田舎から上京した時、首都高の運転に多少、戸惑った経験を持っています。道を知らないと車線変更がスムーズに行われず、ギクシャクした運転になった経験があります。当然、自走車走行をすれば…事故はあるでしょう。場合によれば、死亡事故も発生するでしょうが…進化の為にはリスクも容認せねばなりません。安全・安心は大切なことですが、過剰に反応し過ぎですね。

個人情報保護法もそうです。遺伝子治療など…全ての患者の遺伝子データが集められ、スパコンにデータを蓄積して公開すれば良いです。開発者は薬と副作用などのデータが簡単に集められ、如いては、無駄な投薬がなくなり効率化が進みます。社会保障費の肥大化を避けられるかもしれません。オプジーボは世界中でも高価格の薬の為に、様々な問題を呈していますが、画期的な薬で、効果的に薬が効く患者も居るのです。早く遺伝子データを駆使した社会になれば、無駄な作業が省けます。政策は、時代が求める所に向けるべきなのです。

カタルは最近、「金融規制克服論」も述べ始めています。この考え方が生まれる背景は、様々な金融規制が峠を越え、実態経済にお金が回り始めていると言う現象を示します。中国やインドの自動車販売の好調さ、ここに来ての原油価格の回復、ばら積み船などを始めとする海運市況の好転など…、数え上げるとキリがありません。故に金融規制による実体経済の縮小を懸念していましたが、利上げが容認される環境になってきたのかな?…と思い始めています。

同時に…世界中の中央銀行が、これ程、量的緩和などをしているのに、なかなか力強い回復をしない実体経済は、この金融規制に起因していると…ダリオ時間も紹介しており、世界大恐慌時の「二の舞」を演じる懸念を、これまでは指摘してきました。どちらかと言えば…最近まで、カタルは此方の考え方を支持していました。

この壁を超えられるかどうかは…、長く「失われた時代」と言うデフレの環境下が続いている日本が、世界に先行していると考えています。リーマンショックより、遙か前のバブル期に、資産バブルが破たんし、最悪の路線を歩み、スマートコミュニティーと言う新時代を前にして、日本はもたついています。

ROEと言う効率化基準は、日本は、世界で劣等生なのです。世界基準は、既に12%~15%の世界でしょう。日経平均採用企業の平均は、8%割れ程度の水準です。お金が効率的に利用されていないのです。村論理の為にコストが掛かっていますね。みんな真剣に経営をしていません。M&Aを連発させて、新陳代謝を促進させなくてはなりません。シャープの事例は、ある意味で「試金石」なのですね。時代の扉を開けることができるかどうか…。発行株済式総数が増えたので、魅力は減少していますが、やはり注目企業なのです。

日経新聞さん、あなた方、記者が、正しい市場認識を保持してないと…日本全体が間違うのです。故に失われた時代が長引いているのも…日経新聞やNHKの責任なのですね。自らが襟をただし、時代を正確に伝え、方向性を示唆せねばなりません。日本のメディアの資質は非常に低いですね。もっと勉強しなくてはなりません。

村論理を増長させる報道は控え、社会を活性化させる方向性に舵を切るべきなのです。日本はなかなか「個の力」が発揮されず、組織論が優先されます。青色発光ダイオードの中村さんの問題は2001年に日本で裁判が起こされ、2005年に東京高等裁判所で和解が成立しています。カタルはライブドアと、オリンパスや東芝と、何が違うの?…と問題提起しています。東電問題や東証の裏口上場問題など…村論理の矛盾は、明らかなのです。いい加減に、まやかしは止めて、グローバル論理で時代を進めるべきだろうと思っています。

日本国民全員が、明日の日本を信じて…希望を胸に株式投資を出来る社会を構築したいものです。ユビキタス、頑張れよ! 名目世界の実現に向け、ケネディクスも上昇すべきなのでしょう。



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