アーカイブ:2018年2月

米国債の値動き推移

今回の株式の下げは、当然の調整波動だろう…と考えています。  

何故なら、大幅減税から財政出動と…過剰な景気刺激策が取られ、期待感が、株価を大きく押し上げましたからね。既に、これまでの量的緩和政策が効き始め、米国は、ようやく…正常化へのプログラムである「テーパリング」に移行し始めています。基本的に過剰な中央銀行への依存が、円滑に民間銀行に移行できるかどうか…。  

仮説としては…利上げを急がずに、先ずは中央銀行が抱えた国債の民間移動がスムーズに進むかどうか…でしょう。順番では、それから利上げの筈です。  

ところが原油価格も回復し、インフレ色が強くなってきています。中国の軟着陸へのステップが、うまく行くかどうか…。此方は、過剰に固定資本形成や、貿易に依存した形を、自国消費に展開する作業です。でも株価推移を見れば、今のところはうまく行っています。 

 ここに来ての問題は、むしろ米国でしょう。減税と財政出動は「燃え尽き症候群」に繋がります。テーパリングを確認すべきなのに…逆に、過剰に景気のアクセルを踏み込んだので…米国景気のエンジンが過熱して、オーバーヒートする可能性があります。この状態を危惧して…2年債の国債金利が、昨年から上昇していました。減税法案通過から更に加速しています。  

ただ10年物国債金利が、ここに来て上昇し、ようやくスプレッドは縮小から拡大を始めています。株価が大幅に下がり、市場関係者は2.8%台に乗せた国債金利の水準を異常に気にしていますが、カタルは、むしろ、これは正常化へのステップだろうと考えています。何れ…3%も超えるでしょう。  

要するに…昨日も話しましたが、難しい金融政策の運営が求められます。利上げが遅れ…インフレ圧力の高まりから、FRBが利上げに追い込まれる「後追い」になるのが、一番、まずい政策です。その前に…今のように株価が下がっているのに、利上げを急ぐのも問題でしょう。利上げのタイミングが難しく…事前にアナウンスをして、市場との対話が、新パウエル議長に求められます。  

今回の市場の混乱(癇癪)により、利上げが遅れることが確認されるなら、市場の動揺は収まるでしょう。今回の株安は、新FRB議長のパウエル氏の「信認試験」のようなものだと理解しています。故に3月20日、21日のFOMCは注目されます。  

これまで中央銀行が買っていた国債の償還が継続的に訪れており、長期金利が急上昇する懸念は前からありました。問題はインフレなのですが…ここに来て世界の金融機関は、自己資本比率規制を達成しつつあり、FRBは更なるレベルアップの水準を求めています。もともと「リーマンショック」は、サブプライムローンに端を発したCDSなどの金融デリバティブへの過大な依存を咎めたものです。この過大な民間の信用供与を、量的緩和により中央銀行の資金提供に置き換えたのです。  

米国国債金利の推移

今度は、中央銀行から民間銀行に移行させる作業が残っています。グラフを見ると分かりますが…急速に2年と10年債のスプレッドが縮小し…目先の資金がひっ迫し始めています。故に、ここでの長期金利の緩やかな上昇が求められます。昨年10月頃から、急速に2年物国債の利回りが上がり…インフレ圧力が増しています。だから株価が下がるのは、丁度いい「ガス抜き」と考えています。  

この辺りは…カタル自身、よく理解してないのかもしれません。全ては、馬鹿カタルの仮説に過ぎません。読者の中で、こんな馬鹿カタルなのに…過剰な期待をされている方が、いらっしゃいます。  

嬉しい話ですが…カタル自身が、試行錯誤の毎日なのです。自分も、分からずに、ネズミの迷路実験をしているわけです。故に、正解を求め、「過剰な期待」を、カタルに掛けられても無駄なことですよ。  

常識的に…物事を考えてくださいね。確かに、ここ2年ほど…堅調な相場環境に助けられ…カタルの運用成績は、マズマズの水準です。しかし所詮、わずか2年ほどの短い期間の出来事です。カタルはベンチャリで40億円を飛ばして、失敗した負け組なのです。このレポートは勝ち組に回る為…実験を報告しているだけの話です。  

毎日、市場を観察して、カタルの仮説を掲げて、その実験が正しいかどうか…。  

だから小野薬品も、事前に述べているわけです。株価が上がったから…述べているわけではありません。長年、銘柄を観察しており、2年も3年も追っているわけです。そうしてチャンスが来たので…レポートで、事前に報告しています。東邦チタンも、そうですね。何年、動きを追っていたと思っていますか? 2010年にジャムコを注目した時からの銘柄なのです。  

皆さんは、お金儲けを簡単に思っているかもしれませんが…このレポートは、毎日2時間ほど…更に、データを集め考える時間が2時間ほど…。合計で毎日5時間近く…勉強した成果を発表しているわけです。それでも…この程度なのです。 

カタルより小手川君の方が、ずっと優れています。彼がバフェットを超えられるようになるかどうか…。それとも、数百億のレベルで終わるのか? 興味がありますね。  

彼は今までのやり方では、限界を感じて…不動産投資をしたのでしょう。10億ラインの投資になれば…自分の売り買いで、株価が飛びます。当然、大型株の選択になりますが…今度は、その会社が本当に良くならないとダメです。小手先の板状況でのディーリング作業は通用しません。  

カタルは本物の投資家を目指し…下積み経験を40年間も積んで勉強してきても…この程度なのです。カタルは、これまで試行錯誤して…無駄な時間を費やしました。毎日、カタルの訳の分からないレポートを読むことで、カタルが無駄に使った時間を節約できるはずです。  

カタルは、先日、「逆金融相場」入りをしたレポートを発表しました。金融相場から業績相場に移行し、まだ企業業績は伸びますが、やがて逆金融相場に移行します。この移行速度を緩やかにしなくてはなりません。テーパリングが完了するまで、あるいは…出口が見えるまでですね。  

またもっと怖い仮説として、下手をすれば…今回の下げは、米国の財政問題に発展して「ドルの信認問題」に及ぶかもしれません。その前兆なら、株式の「下げ」はこんなものではなく…大恐慌になります。  

米国は、日本とは違い…他国の資金をあてにして運営されています。米国民の貯蓄率は低いのです。たぶんGDP比較では108%程度でしょう。EUの平均は80%台後半でしょう。イタリアやポルトガルは130%程なのです。日本は240%近いですが、自前資金ですからね。今回の下げが「ドルの信認」まで発展すれば…大変ですよ。  

様々な仮説を事前に考えておかないと、実際に相場が変動した時に対応できません。儲けることより、損をしない局面もあるのでしょう。この程度の下げでアタフタしている様では…所詮、株式投資は向かないと思います。いつも平常心が保てる水準が、自分の的確な投資ラインなのでしょう。  

色んな可能性があるので、分かりませんが、日本の話ではなく、本物が上にいる市場原理の国の米国ですから、そんなに心配はしていません。世の中は、なるように…しかなりません。自分が、小さな池の中で足掻いても…所詮は仕方ないのです。自分を、周りの環境に合わせれば、気持ちは楽になります。それでは…また明日。 



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