市場の整合性(2)

本日は、昨日に続き…「市場の整合性」の理解度アップの原稿の…2回目を書こうと思っています。実は、昨日の当初の原稿は、リンクを貼り忘れていた部分がありました。既に原稿は訂正していますが、この個所は「半導体の逼迫が自動車に及ぶ観測報道です。リンクはこちらです。」

この半導体の話は、奥が深く…カタルは単に停電などは「切っ掛け」に過ぎないと考えています。この背景を探るのは容易ではなく、中国の輸出管理法の問題や米中対立の話が影響しているのでしょう。例えば…こちらの報道もその一つです。このSMICに絡む話では、最近は人事問題も浮上しています。あまり関連性を広げると…読者が戸惑い、カタルの狙いがボケますから、この辺りにしておきます。

WTI原油の推移

さて、この半導体と共に大きなものは原油価格の動向でしょう。石油はあらゆる産業の要の商品です。この動きを見れば…石油資源開発(1662)の出遅れから、株価の上昇もいずれ起こります。最近はエチレンの需要も大きくなっており、中国では石油化学の大型投資が進んでいます。原油価格はNY市場のWTI原油の動向が重要になります。その相場を掲げておきます。

CRB指数の推移

更に景気動向と言えば…素材価格です。ここでは商品の総合価格を示すCRB商品指数を掲げておきますが、産業によく使われる…指数の中の「銅」の価格動向のほうが重要かもしれません。さらに…最近はコンテナ需要が回復しており、米国ではクリスマス商戦で在庫が不足し、中国からの輸入に頼っていますから、船舶が逼迫して海運相場(運賃)も上がっています。故に、郵船や川崎汽船なども株価が上がっています。

このよう市況動向も重要になります。

単に株価を予想するうえで様々な指標を見て総合的に株式相場を考えるわけです。簡単ですが…昨日の「市場の整合性」の理解度をアップする手段として…専門家は様々な関連性を見て、株価の行方を考えていると理解をすれば、ここではそれで良いのでしょう。カタル自身はアナリストの資格を持っていますが、そんなものは何の役にも立ちません。現場で培った知識がものを言います。単に市況が上がっているだけで、株価が上がるわけでもなく…難しい課題があります。

実は、そんな様々なデータを分析して…経営者は企業戦略を練りますが…株式投資で一番重要なことは、やはり経営者の「資質」でしょう。

この資質を見極めるのは、短時間では無理です。長い観察期間が必要になります。ソフトバンクの設立は1981年ですが、上場は1994年です。すでに上場されてから…その後、資金繰りに苦労したりして…ITバブルが起こります。ここでは当時、大人気になった光通信の重田さんも居られます。

基本的に上場企業の多くは、個人の設立ですが、オーナー系の人事が続いているケースもありますが、すでに創設者はなくなり…ホンダやソニーなどは…生え抜きのリーダーが経営をしています。場合によれば、武田製薬のように外部からCEOを招くケースもあります。他にはサントリーや資生堂などもそうです。

基本的に創業者が残っている企業のほうが、株価は強いのです。逆に東芝や日立などのようにすでにサラリーマン社長のケースは、どうしても…オーナー系に比べると経験値で劣ります。

長い歴史の中では優秀な経営者が出てきて企業を成長させる場面もありますが、さすがにNYダウの指標銘柄として、長く採用されていたエジソンのGEも…指標銘柄から外されました。

時代の変化を捉えて、企業を成長させ続ける難しさがあります。ここでは…最強企業だった米国のコダックと、日本の富士フィルムの比較も面白いのです。時代変革で写真フィルムが消えますが…この過程で見事に変身を遂げたフィルムは、流石です。

今度は自動車でエンジンが消えますから、日本ピストンなど…幅広いメーカーが、この時代変革で…どう変貌するかが見ものです。

さて…「企業は人なり」と言います。

ソフトバンク株が安いと…孫さんが判断して、積極的に自社株買いをした時に、コロナ禍の影響とWeWorKの失敗をとり、メディアは株価を叩きに行きました。しかしカタルは、当時、この株を「買い推奨」しています。この一番の理由は、長年、孫さんを見てきたからです。つまり…株価判断には、時間がかかるのです。

一度、証券マンが、株価を手掛けると…その後も自分が株を買ってなくても、その企業に注意を払い…株価と共に、その企業の動向を追い続けます。これがキャリアです。ITバブル期に人気になった光通信の重田さんも、孫さんとは違う道を歩んでいますが、なかなかの人物のようです。あの営業力はすごいのです。確実に…サブスク(サブスクリプション)営業です。顧客の共有化を実現して…変身を遂げています。これから…光通信絡みの相場が生まれるでしょう。

ここでは期待したグリーの田中君は、競争に敗れましたね。DeNAの南場さんのほうが上に見えます。ですが…競争力という点で、サイバーエージェントの藤田さんやGMOの熊谷さんなど…新興企業のリーダーが生まれています。既に、この世代も古くなってきました。

何故、カタルがグロームHDに惹かれ…その後を追っていたか?

カタルはバブル期に生まれた不良債権の最終処理の時の現場を、友達を通じて知っています。その僅かな期間のチャンスを生かして、ダヴィンチとケネディクスが生まれました。しかし金子さんは、村社会から排除され、ケネディクスの宮島さんは残りました。ほんの僅かな違いなのです。

この観察期間があり、金子さんの気質に触れています。この観察期間があるから、LCホールディングから社名を変えてグロームHDに変化したタイミングを捉え推奨をしています。ある意味で金子さんに惚れているから、株を買っているわけです。

所詮、相場の行方を決めるのは…最後は人なのです。だから…昔から、「企業は人なり」と言われています。今日は「市場の整合性」の理解度をアップさせるため、昨日に続き…相場の背景を考える勉強をしています。

皆さんは、あまりに単純に相場を考えています。ほんのわずかなお金を動かしているなら、遊びの感覚で、株の売り買いをしてもいいのでしょうが、何れ金額が大きくなります。億単位は当たり前、そのうち10億や100億という金額に膨らみますが…大きくなるためには、どこかで勝負を張る場面が出てきます。

そんな時は、やはり最後は経営者の「器」(資質)の問題になります。昨日と本日は、「市場の整合性」の理解度を高めるため…その「さわり」を、さっ…と書きました。我々は、賢い投資家の道を歩むのです。失敗は、誰にでもありますが、その失敗を糧にして…さらにステップアップをすれば、それで良いのでしょう。それでは…また明日。

実は明日は忙しく…原稿を書いている時間がありませんから、夕方のアップになります。ご了承ください。



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