統計資料の矛盾

今日は統計数字の違和感を取り上げてみたいと思います。昨日発表された総務省統計局の労働力調査の完全失業率の数字が、9月の3.4%から10月は3.1%になったと言います。メディアはバブル期以来の好循環と伝えています。新聞に載るデータは、短いものが多く恣意的なのです。確かに数字自体は、諸外国に比べかなり低いのです。それなら、何故、「ブラック企業」の話題や、「ブラックバイト」と言う労働環境の悪さを表す現象が生まれるのでしょう。不思議に思いませんか? 上場企業の中には…ABCマート、ドンキホーテ、すき家、更に驚くことにJCBなども…労働問題で事件化しています。コンビニや学習塾などのブラックバイト問題は、メディアでも度々、報道されています。この問題と東芝の不正会計処理は、結びついた現象だとカタルは考えています。

日本の完全失業率推移
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日本の完全失業率推移

社会に「ユトリ」がない為に…ギリギリの状態に追い込まれているのです。長い「失われた時代」下に、晒されたため起った現象だと思っています。全てが、政策官僚の弥縫策の為ですね。村論理は、みんなで痛みを分かち合い、支え合う構造です。その為に全体論が優先されます。日本企業の多くが、利益率より売上高を重視して雇用を守って来ました。トヨタの300万台の生産死守などは…この考え方です。カタルは、これを「総資産経営」と読んでいます。兎に角、最初に「規模ありき」の考え方です。わが国を代表する企業の日立は、本来は重電分野の会社です。産業振興の為、発電の為の大型モーターなどを生産販売してきました。米国のGEのような会社ですね。ところが日立建機、日立化成に代表されるように…あらゆる分野で日立のブランドを耳にします。電車からテレビも生産しているのです。

カタルは「ROE経営の推進」を訴えています。現在、日経新聞は8%が目標のような事を掲げていますが…、既に、日経225採用銘柄の平均値は、極端な赤字を除くと9.12%です。米国基準の15%を目指すべきでしょう。これがグローバル論理です。村論理を捨て、利益率の低い分野から撤退し、自分達が得意とする利益率の高い分野に、経営資源を集中させるべきですね。ファナックの売上高営業利益率をみれば分かります。ファナックは2015年3月の売上高7297億に対し、営業利益は2978億円です。実に40.8%が経費を除いた利益なのです。ところが日立はどうでしょう。売り上げは9兆7619億円に対し6004億円の営業利益です。なんと6.2%ですね。それでも昔の5%未満の時代から比べると…上がった方です。

カタルが今回、自走車トリオ(カルテット)の中から、あの時期に何故、パイオニアを選択したかと言えば…、それはパイオニアの過去に、指名解雇事件があった為です。日立系のクラリオンの方が、企業業績はパイオニアと比較すればよく、日立系ゆえに、車分野は強く、総合力があるので有望なのですが…、カタルは敢えて、パイオニアを選択しました。その理由は会社の資質ですね。シャープの増資を株価が下がっても、約束通りに実行した過去の実績評価から選びました。ホンハイと比較すると如何に誠実か分かります。

むかし、パイオニアは値嵩株だったのです。高財務体質の優良企業でした。ところがこの指名解雇事件を切っ掛けにして、凋落の道を歩みました。確かにオーディオなどの環境は悪かったですが…それを言うなら、富士フィルムの方が激震環境ですね。何しろ、世界のコダックが消えてなくなった業界変化です。まだ…音響機器は恵まれています。

今でも、中年の窓際族を雇用するために、四苦八苦している企業はたくさんあります。しかしようやく、これら団塊の世代が、続々と退職時期を迎え、企業の労働賃金費用は大幅に引き下がります。つまり若い現職のサラリーマンは、これから毎年、賃金は上がり、可処分所得が引き上がります。何も、カタルは日経平均株価10万円の幻想だけを述べている訳ではありません。色んな現象が、それを示しているのです。

カタルはキャッシュレス社会到来を述べ、早くスマートコミュニティー化した国が、勝ちだと述べています。その為にGPSの精度を高めるため、準天頂型衛星の打ち上げを前倒しで行い、産業支援すべきだ…と前から述べています。リクルートは既に熱海でジオフェンスの実験をしています。何もリクルートの現在だけを見て、推奨している訳ではありません。きっと未来は、素晴らしい値嵩株に育つと思っています。ファナックのようになるでしょう。リクルートは、スマートコミュニティーに特化していますからね。故に、年金ファンド向けだと…、コンセッションのオリックスと共に、長く推奨しています。

相場観とは…統計データを単純に見ている訳ではないのです。矛盾が何故、起こるか?その原点を考えて行くと、名目成長率と実質成長率の逆転現象、つまりデフレが元凶なのです。故に資産価格の上昇から、株や土地が上がるのですね。きちんとしたバックボーンを何度も説明し、その目玉として「1300兆円の逆襲」と述べています。バブル期の我が国の土地資産価値は、国民経済計算年報によれば、1990年の段階がピークで2477兆円です。現在は2013年で1120兆円となっており、およそ1357兆円が失われました。この損失を、失われた時代下に於いて…償ってきたのです。それが、指名解雇事件などが発生した村論理だったわけです。

故に、その元になった…パイオニアの株価が、大きく昔のように2000円台の株価に戻るのが筋ですね。筋論、人間社会は、すべて因果応報で成り立っています。必ずバランスが保たれていると考えています。単に自走車関連だと述べているのではないのです。日本が新しい扉を開ける為に、欠かせない株価回復の現象の一つですね。でも割高ですよ。おそらく…何れ、日経225から外され、大きく株価が下がる可能性もあります。だから仕掛け筋は、往復でエレベータ相場でしょう。日立のエレベータですね。「前を開いて…さぁ、お乗り、乗った所が、ちょと、いい気持ち…」と言う春歌のような物でしょう。

株価が騰がったのでカタルも手持ちは少なくなりましたが…何しろ貧乏人ですからね。Vテクも面白いと思っていますが、途中で降りるし…。敵前逃亡のような感覚ですね。ついでに人気株のフューチャーVC(8462)についても少し述べましょうか…。この経営スタイルは面白いですね。カタルも300円以下なら、博打として買っていたかもしれません。何故か?

この形態が面白そうなのです。間違って解釈していたら…御免なのですが、おそらく地銀など…信用金庫や信用組合の取引先で、有望な企業を上場支援する会社なのでしょう。地方には現状の成績が優秀でも借金に染まっている会社もあります。その為に借金を株式化してファンドにして、上場させ優良債権先に変える手法かな? その上前を撥ねるわけです。ピンハネするわけです。だから面白いですね。

昔、京都の優良企業からも、出資を得た実績があるようで…これらの大企業とのパイプがあれば、上場時の企業業績を糊塗する事もできます。上場マジックの会社ですね。悪く解釈すれば…詐欺集団のようなイメージもあります。だから業績回復まで時間があると…株価は急落しますね。また500円以下になるのでしょう。きっと…。ババ抜き合戦ですね。でも時間を置かずに、利益を上げ続けることが出来れば…株価が1万円台になっても…なんら不思議ではなく、博打は続きます。素人が関与すべき株ではないですね。

パイオニアも、どちらかと言えば…その部類です。だからカタル銘柄扱いではなく、年末年始限定の推奨になっています。証券マンも含め、読者は、カタルの意見が正しいとは言えませんが、自分なりに…精査して、株式投資に臨んでくださいね。それではまた明日。



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  1. 2022.12.10

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