迷える羊

今週は、波乱の一週間でした。この間のFRBの「豹変ぶり」を、どう表現したらいいのでしょう。4月5日にFRBのブレイナード理事の発言が市場に伝わり…一気に市場のムードが変わりました。ただこの動向は1月からあるもので…予想されていた行動です。

米国10債の利回り動向

問題は時間軸が2か月ほど…早まった感覚です。だから…10年債の利回りが、落ち着くと観られていましたが…更に急騰しています。当初は7月にQTが開始される予定でしたが、ウクライナ侵攻などをあり物価高が鮮明になっているために、強引にインフレを抑え込もうとしている模様です。ただここから上は…チャート上の壁になります。

FRBの総資産推移

どうも…カタルの最悪のシナリオである「オーバーキル」の確率は、更に高まりました。このブレイナード理事の発言は、一気に資産を縮小させ…再び様子を見るような対応をイメージしているようです。つまり…何故、年初から株価が弱かったか…が、分かる話です。此方を参考にすると良いかもしれません。

日経平均株価の日足推移

でも日銀は、2月に続き、期末に無制限の「指し値オペ」を連続で実施しました。通常、日本株は強い筈ですが…どうしても日本の機関投資家は米国ばかりを観ています。困った連中です。「金魚の糞」も、ここまでくると…呆れるばかりです。3月の日経平均株価の高騰は外国人の先物からの買いと言われていました。ただ戻りは200日線まで…と言うセオリー通りの展開です。

日本株にとって、今の外部環境は悪いものではなく…かなり良い材料だと思っていますが、メディアの主張はイマイチです。こいつ等は、自分の頭で問題を考えることをしないで…他国の動向ばかりを観て…解説をしています。でも…所詮、株価は美人投票だから、カタルがいくら…自分の論理を述べても、市場を動かせませんから…仕方ありません。ケセラセラ…で相場に、自分の「身の丈」を合わせないとなりません。

「失われた時代」、散々…この失望感を味わってきました。

過去のカタルレポートを観ると、その不満を「ぶつけて」ばかりでした。そうして…改善がなされずに、悪い方向性に向かいます。折角、安倍・黒田体制で名目時代に移行し始めていますが…ROE経営は、なかなか軌道に乗りません。多くの企業経営者は、未だに「保身」に走っています。ただ改善度は広がっています。

NTT(9432)の日足推移

例えば…「NTT」(9432)などは、その一例で…「ニコン」(7751)もそうです。このニコンは、株主還元率では100%を超えることになります。配当性向は36.7%ほどで…今期の利益予想は400億円ですが…自社株買いは300億円ですからね。

ニコン(7751)の日足推移

何故なら…自己資本比率は57.2%もあり、利益余剰金は4963億円もありますが…時価総額は5175奥円です。更に驚くことに現預金は3517億円です。つまり…当たり前の還元策です。こんな会社は市場でゴロゴロしているのです。だから…カタルはもう時間だと述べており、「野村証券」株(8604)を推奨しています。

この改革のスピードを速めないとなりませんが、官僚の傀儡政権の岸田さんはメディアの誘導もあり、支持率は高いままです。日本人の多くは株式投資をせずに…経済を学ぼうとしません。この「揺り戻し」が、どの程度、広がるのか? 

日本株は、米国に引きずられて…下がるはおかしいと思っていますが…カタルが「孤軍奮闘」をしても仕方ありません。所詮、多勢に無勢で、「一人旅」を覚悟しないと駄目なのです。問題は、昨日、掲げた「異色のニュース」(報道)の信頼性が、どの程度で…この観測が広がるか、どうか…に相場は影響されます。

たぶん…10年債の利回りが急騰していますから…200日線との乖離が、大きく開き始めました。だから…意外に相場は、落ち込みそうでも、実際は落ちないかも知れません。ただ現在は、この読みは難しく…時間軸が定かではありません。

しょうがないのです。バイデンの政策能力の欠如は既に露呈していますし…パウエルも横並びの印象ですからね。専門家だから前年比の物価高が、どんどん…広がるものではない…と分かる筈です。インフレ率は「変化率の話」ですからね。もともと…コロナからの物価高は一過性の現象と言う見方があったほどです。ここに来て…国債以上にMBS(住宅債券)の金利も高騰しており、既に住宅市場も減速感が漂っています。

何故、かたるが論理の矛盾する「船」と「マザーズ」を選択しているか?

この辺りのカタルの苦しい胸の内を理解できる人は、どの程度、読者の中に存在をするのでしょう。この時間軸の解釈に、いつもカタルは苦しんでいます。

JPモルガンの株価推移(日足)

たぶん…今のFRBショックの動揺は一過性で…早晩、消化されると考えています。不思議だった疑問の「JPモルガン」の株価が、金曜日はようやく修正されていました。ここにヒントが隠されているような気がしています。だって米国金利は急騰しているのに…なかなか株価は上がらずに下がっていたのです。この解は、不良債権の増加しかないですからね。あるいはロシア絡みの損失です。

この話は、日本にも当て嵌まりますが…日本の場合はロシア絡みの損失は限定的で、コロナ禍からの不良債権の増加は、政府保証が主なものです。民間の金融機関の損失は限られています。ただどうしても経済の正常化に向けて…山があることは避けられません。このバランスをどう考えるか…ですね。

NTTやニコンのようなケースが増えるなら、海外投資家も一気に「見直し買い」が入る可能性もあります。3月半ばの先物からの打診は、その本格反騰への予兆かも知れません。だから「東芝問題」の行方などが、相場の焦点でもあります。

本日はカタル自身の考えを纏めるために、この原稿を綴っています。本当は会員向けに臨時のレポートを書くべきか…迷いました。それ程…FRBのブレイナード理事からの一連のQT報道は、事前予測をしていましたが、ショックでした。このQT報道と中国の政策動向が日本株に大きな影響を与えます。

全く下がらない…テスラ株の動き

上海のゼロ・コロナは延長され…テスラの工場は7日まで操業停止が延長されています。更に先は見えないのに…何故、テスラ株は「強い動き」のままなのでしょう。

明日は、日本の個別株動向を交えた話を考えてみます。カタル自身が迷っており、今の課題を考えています。本日のレポートは、その頭の中の…模様を綴っています。兎に角、相場の解釈は難しいのです。簡単に…咀嚼できるものではありません。 



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