ジャクソンホールのイエレンFRB議長の「利上げの条件は整ってきた」との発言を受け、為替は円安方向に向かっており101円台に入ったと言います。でも歴史的な検証からすれば…金利裁定により為替が動くという「金利平価説」と言う確率は、低いのではないかと思っています。何しろ、カタルはバブル期の失敗を知っています。あれは米国に騙されたのですね。宮澤喜一などの秀才と呼ばれる人達が、罠に嵌ったのでしょう。資産価格を下落させるとは、馬鹿としか…思えません。
カタルはここに来て…金融規制克服論を展開し始めています。しかし…まだ分かりません。この話と…ジャクソンホールのイエレン議長の話は、同じ「根っ子」なのです。2013年5月にバーナンキ議長が「テーパリング」発言を実施し世間を驚かせました。それから実際の利上げは2015年12月でしたね。なかなか2回目の利上げが実施出来ず…にいます。イエレン議長は「自然利子率」の低下にも言及していたと言います。
カタルは金融規制が強い為に、なかなか本物の景気回復に至らない…と言う仮説を立てていました。偽りの景気回復です。 故に…昨年6月のHSBCの大規模リストラ報道を観て、基本的に弱気に転じました。金融デリバティブ機能が実体経済に深く入り込み、物の価格をコントロールしています。それを支える金融デリバティブを縮小させる方向性に働く、金融規制の自己資本比率規制は、基本的に経済のパイを縮小させる方向性に働きます。
この予想は当たり、昨年の夏、今年初め…と、二度の大きな下げを演じました。100ドル台にあったWTI原油価格は、一気に26ドル台へ大きく下落しました。此処でパワーバランスが変化を迎えています。サウジの体制転換も絡み、お金の流れが変化しました。このSWFの崩壊は、今年初めの現象でした。イランとの国交断絶も大きなニュースになりました。これらの現象は金融規制が過剰に働いた為に、至る所で弊害が生まれている現象です。
つまりその様な現象を解消する必要がある為に、カタルは金融規制緩和を主張していました。故に一度は…問題があるのを承知で、敢えて金融規制撤回の方向性を打ち出したトランプ氏の擁護に動いています。何故なら、クリントン氏は金融規制支持派です。
しかし最近の市場の動きを観ると…。まさか、カタルは米国株が新高値を更新できるとは思っても居ませんでした。良くて…上手くいって、「横這い」と思っていたのです。でも力強くどんどん上昇している訳ではありませんが…明らかに米国株は、次のステップへの準備を始めている様に見えている所に、原油価格の上昇です。
これらの現象は金融規制と実態経済の綱引きに於いて…金融規制の弊害が克服されているとこを示します。でも、まだ分かりませんよ。まだ、この辺りはハッキリしないのです。バークレイズなどは、資産売却を未だに終えていません。これはリスク度の高い資産を売却して、自己資本比率を高めるためですね。ドイツ銀行も同じレベルの筈です。ただゴールドマンサックスのリストラも続いている様で、やはり気になりますね。
現状のカタルは金融規制克服論をシナリオに掲げ、実際に投資行動を展開しています。この路線なら…日本株も、そう長い時間を掛けずに…上昇波動に突入します。故に9月の日銀総括で、50年国債の購入などが切っ掛けになるかもしれません。何しろ…空売り比率などを観ると…爆発ポイントは近づいているようにも感じられます。故に、最近は「みずほ株」の買いを、証券マンならお勧めしたいと思っております。何しろ、配当利回りが高いのです。
もともと国策に逆らい、株安シナリオに賭ける馬鹿が大勢います。この馬鹿どもは一掃されるのです。それが「流動性に罠」からの離脱です。
ただ昨日の消費者物価は0.5%ほどのマイナスだと指摘されています。未だに実体経済は「流動性に罠」に陥っており、場合によれば…デフレ復活論が、色彩を強くしています。彼ら空売り派の論理も、正しいとも言えるかもしれません。この辺りは…もう少し状況を見ないと分かりません。
カタルは、金融規制克服説が、全ての事象を明確に説明できる考え方かな?とも最近思い始めていますが…希望的な観測かも知れませんからね。この辺りでWTI原油が、先日付けた51.23ドルを超えると…この「金融規制克服論」と言う仮説が、より一層、真実性を帯びてきます。ただ金融界のリストラ報道も続いており、まだどちらに転ぶのか?分かりませんね。この辺りは…まだ綱引き状態なのでしょう。
ただ東証の空売り比率を見れば見るほど…爆発ポイントが、必ずやって来るように思えてなりません。上は月々のもので…下は日々水準のグラフです。