1300兆円の逆襲

現状は、なかなか「実質の世界」から「名目の世界」に移行できませんが…、年金問題や日本の財政問題を考えれば、誰の目にも明らかで…実質のデフレから、名目のインフレに移行させることが、様々な諸問題を解決させる唯一の道です。

日本の土地資産価格の推移

日本の土地資産価格の推移

一例を掲げれば…資産価格の上昇が、様々な問題を解決します。ところが…この失われた時代下で、様々な悲劇が生まれました。バブル期に自宅をローンで買い、リストラに合うと…住宅ローンの返済を出来ずに、自宅を売りに出す事になりますが、買った価格より遙かに安い金額でしか売れず、借金だけが残る世界がデフレの実質の世界です。仮に、名目のインフレの世界なら…高く売れないまでも、買った価格で売れ…借金は返済できます。つまり、人生はやり直しが出来ます。

年金問題もそうです。実質のデフレの世界を続けると、若者にとっては悲劇です。年金額は一定ですが、給料も上がりません。現在の仕組みを続けると、何れは…パンクします。ところが物価スライドにもよりますが、物価が上昇すると、給料は上がりますが、年金額は大きく上がりません。そうすると若者の負担が実質的に軽くなります。その分、年金受給者は、物価高で生活が苦しくなりますが…全体のバランスは整合性を得られるでしょう。年金額を減らすというのは、かなり抵抗が生まれます。物価の上昇で実質的に減らした方がスムーズに事が運びます。

財政問題も同じですね。毎年、5%程度の物価上昇が続けば、税収もその分、増えて行きます。しかし借金の返済は増えませんね。定額のままです。20年もすれば…財政問題など消えてなくなります。日本にとって、必要な政策は、インフレにする事です。しかし余り過度の上昇率だと…色んな弊害が生まれます。故に、適度のインフレ率が望ましいのです。3%程度が、一番、いい水準だろうと思っています。

だから昨日、掲げた、3%の失業率を切ると、物価上昇がスムーズに事が運ぶと言う仮説は非常に意味があるのです。日銀は今年1月末にマイナス金利政策を実行し、これ以上国債を売却したお金を当座預金に眠らしておくわけにいきません。だってマイナス金利でペナルティーが取られます。故に実際の市中に、お金が供給されます。ようやくマネタリーベースの増加がマネーストックに繋がります。これまでは付利金利適用の為に、いくらマネタリーベースを増やしても、皆、当座預金に、そのお金が吸収されていました。今度は違いますね。

馬場レポートの失業率が3.1%と言う水準と、マイナス金利の政策効果が、いよいよ発揮され…長かった「失われた時代」から脱出が出来る可能性が高まって来ました。このタイミングで、ケネディクスは50億円の自社株買いです。ケネディクスの信用買い残のピーク時は6380万株もあったのです。しかし今は1856万株に減りました。此処に実弾で、およそ1000万株が加わります。枯れる可能性(浮動株が薄れる)が高いですね。今度は仕掛けが決まりやすくなります。

ケネディクスのAUM残高推移

ケネディクスのAUM残高推移

ケネディクスは業務形態から、資産インフレがプラスで、資産デフレはマイナスの企業です。その理由は…不動産のキャピタルゲインが得られるかどうかで…収益が大きく変わります。既に稼げる商業不動産を1兆円以上も抱えているのです。他社主導分も入れると1兆6854億です。自社関与分は1兆1547億円ですね。この資産がこれまでは毎年10%程度上昇しており、傘下のリートは、およそ30%程度の含み利益水準だと言います。1000億円売ると300億円の利益が生まれ、この内、様々な形でケネディクスが、この300億円の取り分の中から搾取します。10%なら30億円ですが、20%なら60億円です。如何に資産インフレが重要か分かります。日々のあがりの管理費など…微々たるものです。

だから毎年50億円程度の自社株買いは可能ですね。如何に、名目の世界に傾斜している企業か、分かるというものです。だから今は「流動性の罠」にどっぷり嵌っているので、PERが10倍程度の評価なのですが…仮に名目の世界に完全移行なら、このPERの評価が20倍、30倍に変わります。一株利益40円ならPER10倍で株価は400円ですが、名目の世界になるとPERは20倍から30倍台で評価されます。つまり株価は800円から1200円以上になりますね。

カタルの狙いは二つ、需給バランスが大きく改善される。もう一つはようやく日銀の緩和効果が効いてくるという事です。そうなると…株価の評価が一気に変わりますね。忽ち、市場の人気株になります。この動きを後押しするのが、失業率と消費者物価の関係です。失われた時代下において、失った我が国の土地資産は1300兆円なのです。この逆襲相場が、いよいよ始まる可能性が高くなってきました。

此処でもポイントは、実質成長の世界から、名目成長重視の世界に転換するという事です。9月に日銀が総括すると言いますが…、タイミングも合っています。50年債の発行が決まったと噂されており、実質的なペリコプターマネー戦略が始まると言います。このPERの評価基準が大きく変わるというのが「味噌」なのです。読者の人は耳にタコでしょうが…上がったら買い増しだと思っております。だいたい、都心に1兆円もの稼げる不動産を管理下に置いている企業で、時価総額が1000億円程度と言うのは、やはり安すぎます。カタルにお金があれば、間違いなくTOBを掛けます。せめて300億円程度のお金があれば…銀行も話に乗るでしょうね。そうしてコンセッションを主眼に経営の方向性を変え、再上場すれば…一気に1兆円企業なのに…。残念です。有料のレポートは、夜にアップする予定です。これから高校野球観戦です。



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