世の中の事象(事件など)には、その背景にある問題が、ピークに達して起こることが多いのでしょう。水面下では事前に動きがあるのですが…その現象が、何かの「きっかけ」で表面化します。そうして事件などを起こして問題化して改善に向かいます。
基本的に無理を重ねると…何処かで、その反動が生まれます。人間の健康問題も同じような仕組みでしょう。ストレスを抱えて仕事をこなしていると…ガンなどのリスクが高くなります。「過労死」と言う言葉もあります。
今回の「恒大集団」のデフォルト問題も、同じなのでしょう。中国ではGDPの構成比の消費の割合は40%弱で、日本は60%、米国は70%と言うイメージです。その代わり中国は固定資本形成の割合が40%台と高いのです。住宅や設備投資、インフラ整備など…です。
若い国は…基本的にインフラ整備(社会資本整備=鉄道や道路など)が先行します。特に中国は特殊です。地方政府の財源の多くは「土地の使用権」で賄われます。だから地方政府が「開発競争」をします。故に、どうしても「過剰投資」になります。この影響を日本は受けています。「大平洋金属」(5541)の相場や「東海カーボン」(5301)の市況産業の相場は、この影響で生まれました。
基本的に…今回の恒大集団の直接の問題点は、経済成長率の伸び率が落ちたことにあります。当たり前です。産業構造の転換で、所得は大きく増えないのに…不動産価格だけが世界トップ水準です。故に家を買うために、一般庶民の年収が200万円だとすると、都市部の住宅価格から推察すると…30倍~50倍程度が必要なのでしょう。
このような過剰な成長要求(供給サイドの期待率)を受け入れることは出来ません。もともと利率が10%と言う「理財商品」の存在が論外の話です。だからテレビで強欲な庶民が恒大集団に文句を言う画像が流れます。
産業構造の転換が叫ばれて…久しい時間です。たぶん…2015年あたりに、安い労働力を使った産業は行き詰るのでしょう。故に構造転換が叫ばれました。この時期あたりに…日本のユニクロなどは、更に人件費が安いベトナムなどに生産工場を移転させます。ですが…高付加価値のアイフォンなどは、生産活動が維持されていました。今はEVや半導体の開発がメインです。この分野は先進国と競合する分野です。このように順序だって考えると、恒大集団の問題は、起こるべくして…起こった問題だと分かります。
借り入れによる成長は、昨年か…一昨年か?
本日の日経新聞に載っている、中国、複合企業の「海航集団」の資産売却が盛んに行われていました。今は刑事事件に発展しているようです。この海航集団も、借り入れで資産を買い集めるやり方でした。
恒大集団も、何れ…同じ道を歩むのでしょう。政治の派閥問題も関与します。恒大集団は上海閥と呼ばれる江沢民派閥なのです。日本でも同じですよ。ダヴィンチは消えましたが、ケネディクスは残りました。背景は同じことですが、政治力か…何かが、最後は影響します。残るか、消えるか…は、「僅かな」違いです。
話を戻します。
要するに、表面化する事象は、全て…その背景が存在します。パイオニアの指名解雇事件をカタルは良くレポートに登場させます。1992年の初めに起きた事件です。当時は、まだ「終身雇用」が当たり前の社会認識の時代です。その時に働かない社員を、会社側は辞めさせようとして…この行動をメディアは批判しました。当時は、まだ社員を辞めさせる手段(方法)が未発達でした。今では、本日も日経新聞を読むと…パナソニックが1000人の希望退職者を募っていると言います。
少し前…富士通が好調な経営環境なのに…同じようにリストラをしたことを、メディアは問題視するところがありました。
今では、ようやく社会が変化して…企業が「構造改革」をするのは、当然だと…認知されています。しかし1992年のパイオニアの指名解雇事件の時は、一般化してないのです。故に大変な問題になりました。
日本人は「構造改革」を阻んだのです。故に「失われた時代」が長引いたとも言えます。日本人が、新しい時代を認識するための「浸透」時間です。このパイオニア事件の社会現象をみて、多くの企業が「時間闘争」(成田闘争)に追い込まれたのです。必要な改革が実行できずに…社員が、自発的に辞める環境を整備していきました。銀行は団塊の世代が退職する時間闘争をしました。一般企業は「サービス残業」などの…過酷な労働環境です。
この事件の頂点で、生まれた現象が、電通の高橋まつりさんの自殺問題です。2015年のクリスマスでしたかね。しかし…ようやく…この事件を「切っ掛け」にして、日本は過酷な労働環境の改善に動きました。
今回の山パンなどの値上げを観ると…あまり値上げに反対運動は起きてないようです。むしろ日本社会は値上げを求めているような環境に感じます。でもユニクロを始め、良品計画などは値下げを選択しました。微妙な判断です。
「時代の流れ」を完璧に読めるなら…株式投資は簡単です。
しかし時間の流れの読みは、なかなか難しいのです。早く、理解して…分かっていて株式を買っていても、人間心理は、安値を買ったから…上手く儲けられるとは言えません。それは本格的な株価上昇までに…時間が掛かるからです。時間闘争は、嫌になります。ロコンドを観ると分かります。まだ1年足らずの調整期間ですが、下げ続ける時間が長引くと気持ちが萎えます。
このチャートは「川崎汽船」(9107)ですが…2019年12月に1981円を付けます。たぶん…需給バランスは、この時に既に変化しているのでしょう。コンテナ船の収益が改善して…儲かり始めている筈です。識者と言うか…。よく業界を観察している人は、この時に船株相場を確信している筈です。しかし…予期せぬコロナ騒動が起こり、株価は714円まで叩かれます。
通常、1年以上も待たされて、自分の買値を上回れば、ヤレヤレ…と「ようやく儲かった」…と株を売ります。今年1月から春の段階です。
ところが…そこから少しずつ株が騰がり始め、今年の8月から「爆上げ」が始まります。カタルはこの増配報道を見て、船株を買う気になりました。最初は…そんなに肩入れしていたわけではなく…「凄いなぁ~。1Qの…この時期に150円配当を550円にするなんて」…と言う軽い気持ちで100株だけ参加したのです。
でも何故だろう?…と思って背景を調べていきます。
その当時のカタルは、「全体相場は、まだ当分…駄目だろう」と思っていました。場合によれば…11月頃まで「駄目相場」が、継続されると思っていたのです。だから初めて…200万円のお金を、運用期の途中で引き上げた行動規制をかけたほど…相場を警戒していました。でも…市場が暖まってきたことを感じていたのです。
当時、カタルはケネディクスやツクイなどTOBで結構儲かっていました。今年は1300万がスタートでしたが、当時は既に2000万ほどの利益をあげていたために、期の途中でも利益を抜いたほど駄目相場を警戒していました。
しかし同時に…「本格的な上昇」相場に移行できる環境を感じていました。しかし…「まだ早い」と思っていたわけです。故に、「エーザイ」(4523)の材料に触れ…個別の仕手材料株物色なら、乗り切れると思っていました。全体株は駄目でも、仕手材料株なら…と言う感覚です。
しかし…皆さんが、ご存じのように敢え無く…「返り討ち」に遭いました。
「買い増し」したのが、婀娜になり、損失が膨らみます。そこに…この商船三井の報道でした。仕手材料株の選択肢が、彗星の如く…登場します。この入れ替えの過程で、カタルの儲けは減り続け、8月20日の段階では911万円の儲けに減りました。今年の儲けの半分以上をエーザイなどで飛ばしました。
しかも、まだ高値で買った船株の損失は422万円もあります。急いで…行けると思っていたために「カツオの一本釣り」に、投資スタイルを変えたからです。全ての持ち株が船株になりました。当時は商船三井が1500株と川船が6000株でした。しかし…その評価損が422万円に膨らんでいました。
あとは…皆さんが「御存じ」のとおりです。時間軸の話を伝えています。あの8月上旬にカタルは決算短信を観る人は「限られた人」だ…と何度も皆さんに伝えています。そうして、この9月17日に新しい四季報が発売され、一般化し始めます。
ここでは皆さんと共に、「情報の伝達速度」を学びました。日経新聞に海運株の報道が3回、これまでに報道されました。本日、川船の潮流発電の話が載っています。2日前かな? 一般紙、毎日新聞の「物価が上がる」話の背景に、このコンテナ船の運賃の上昇が影響されていると報道されています。このようにして…情報が伝達されます。
しかし状況をよく観察している人は2019年の秋ごろに、既に環境の変化に気付き、株を買うことが出来ます。しかし…そこで買った人は先駆者ですが、成功者になり得る確率は低いのです。昨年のコロナ禍の…「株価が下がり続ける中でも」ブツブツ投資で買い続けている人は「皆無」に近い確率でしょう。でもそのまま買い続け、今でも買い増しをしているなら…「一財産」の形成が可能です。株を安く買って儲けることは「至難の業」です。通常の人間は絶対に無理です。
結果論をいう訳ではありませんが、一般的なセールスとしては8月からやっている奴が、一番、賢かったのでしょう。もっとも人間が「燃える環境」です。そうして…新しい変化が生まれました。臨時の会員レポートを、これから簡単に、書こうと思っています。ですが…2019年の秋に船株を買うタイミングかも知れず…臨時に、わざわざ…書く内容かどうか…判断に迷っています。タイミングは難しいのです。…という訳で、今日は時間もなく…あとで会員レポートを、臨時で書きます。…から、会員の方は、明日にでも…お読みください。