年初こそ、利食いでスタートしたけれど…1月は散々です。昨年の6月10日にHSBCのリストラ記事を日経新聞で見て…いよいよ始まると感じていました。この動きは全銀行に広がっています。最近は日本でも、英バークレイズが株式部門から撤退です。この根本的な原因は、米国金融規制ですね。BIS規制などの国際ルールと米国の清貧思想が及ぼす影響が世界中で広がっています。メディアが述べる株安要因の原油安や中国不安などは、この派生現象です。
昨日の日経新聞の5面(朝刊)に、この金融規制の話が載っています。三井住友銀行は先陣を切って新型社債を発行するそうですね。この資本規制は「TLAC」(total loss-absorption capacity)と呼ばれるそうです。2019年に16%、2022年には18%以上の自己資本比率をリスク資産に対し求められるそうです。つまり金融デリバティブのリスク資産が削減されます。故に、各金融機関が金融デリバティブ商品の持ち高を減らしている為に、原油安などの影響が出ているのでしょう。2013年5月のテーパリング発言から2年半かけて…徐々に減らしてきたリスクマネーが、利上げ接近で一気に表面化したのでしょうね。昨年6月のHSBCのリストラ記事は象徴的な現象です。
でもこの事は、前から分かっていたので…カタルは、一度は…株は戻ると考えていました。今でも…イエレン時間が、訪れるんじゃないか…とも、思っています。でもカタルはオバマの清貧思想を批判しており、金融デリバティブを過度に否定するのは、おかしいと考えています。だから新しい展開が生まれるのは、新大統領が誕生した来年の一般教書演説の辺り…と思っていたわけです。カタルは、本来は…ダリオ時間派の考え方です。1937年問題を、当初から懸念していました。
しかし今の市場は、いきなり…レビーやらサマーズなどの論調が市場を席巻し、ダリオ達の考え方が、正しいように見えますが…、雇用統計数字、更に昨日発表された中古住宅販売件数なども良い数字でした。その様子が此方のグラフです。依然、消費者物価数字以外はイエレン時間を思わせる内容です。だから…カタルは、昨年夏が一番底で…今回はそれを下回らない二番底予想だったのです。
ただ三菱UFJの市場動向などを見て、相場が弱いので…不思議に感じながらも、強気を貫きました。故にテーマ株の自走車関連を選んだわけです。しかし市場はもっと弱く、同じテーマでもフィンティックと言う生まれたばかりのテーマを選択、しかも「さくらインター」と言う完全な偽物相場を選択し、大きく力で持ち上げました。カタルの予想より、現実は弱いから…このような選択になったのでしょう。
12月は不思議さを感じながらも…年末特有の節税対策か…と考えていましたが、当初、利上げ共に「スッキリポン相場」が、自然な流れを考えていました。ところが…サウジなどの反乱です。此方のサイトが参考になると思います。もともと彼は市場原理派と言う指摘もありますが…王室の勢力争いもあり、混沌としています。
今はSWF(政府系ファンド)売り説が、正しいかな?…と考えています。その証拠に大阪チタンの動向やピジョンの株価の動向を見ると、この説が正しいように見えます。証券マンの人は、良く、この辺りの相場の推察の仕方を覚えておいた方が良いですね。19日の日経朝刊3面に中東ファンド株主銘柄リストが掲載されており、大坂チタンは反発しましたが直ぐに売られ、そうして反発しています。カタルがファストリのチャートを掲げ、「陽の陽」の「はらみ足」を紹介しました。要するに…相場の転機が近い現象が至る所に出ていたのです。騰落レシオもそうですよ。いろんなテクニカル指標が転換点を示しています。
そうして本日の日経かな? ピジョンの業績減速説が載っていましたね。これはアドバルーンです。この記事を書く事で…相場の動きを見て底値かどうか…判断をするのです。ここに来てのピジョンの出来高は、大きく膨らんでいます。1月20日が2245円の安値を付け3310万株、しかし翌日は全体の株は下がりましたが、ピジョンは出来高が460万株と大きく膨らみ2279円の24円高でした。全体が下がっても上がっていました。そうして日経新聞が書くこの悪材料の出現でも株価が堅ければ…底値を確認したことになります。
相場観とは、色んな現象を寄せ合集めて…総合的に判断する事になります。昨日のシャープの報道を、カタルは「アドバルーン」だと述べました。あれは産業革新機構側からの要請で、記者が一面報道した記事でしょう。あるいは奉加帳に反対する銀行団筋かも知れません。更に優先株を保有する再生ファンド絡みも考えられます。
あの報道は…、まだ決まった事ではありません。誤解しないように…。本日のWSJの記事によれば…シャープの争奪戦は、アップルの影響が大きいだろうと観測されており、6250億円の買収金額の内訳は、優先株の取得に2250億円を使うと書かれています。つまり4000億円程度で買収する算段のようにも、受け取られる記事の内容でした。
カタルは単純に3000億円で、借金と混ぜて1兆円と思っていましたが…この記事は、もっと上の評価のようですね。株価に直すと235円近辺を考えているようです。しかしわが国は、官の論理が通用する村社会です。銀行団は、この優先株の無償譲渡、更に借金も、棒引きを迫られているようですね。論理的には、ホンハイの方が有利ですが…、日本は論理ではなく「村の決まり」で物事が動きます。官に反対する銀行はホンハイにTOBを進めるかもしれません。もしTOBなら、銀行は上場企業なので…、有利な論理的な行動を選ばなくてはなりません。
コロンビア大学のノーベル経済学賞を受賞したエドマンド・フェルブス教授は、日本が再び繁栄するためには、コーポラティスト(協調組合主義)的な価値観との決別と、草の根のレベルのイノベーションを促すタイナミズム構築が不可欠だと述べています。
つまりシャープの再生に絡む村論理から、脱却しろと述べているのでしょう。昨日テレビを見ていたら、村論理の代表者である新日鉄の三村明夫氏(日商会頭)が、追加緩和は必要ないと…述べていました。その理由に、借りる人が居なく、銀行は貸し手を探していると述べていました。流動性の罠だから…行動が活発化しないのに、このような発言をしていました。流石、フジテレビの買収に動いたライブドアに脅え、保身を考えて、株式の持ち合いを再開した会社の社長経験者です。このような連中が、未だに日本には多く存在します。一方では村論理が行き詰まり、東芝のような事件が起き、ブラック企業問題が出ているのです。
シャープの争奪戦と村論理は…今の日本の見所の一つです。加えて黒田さんが本当に市場原理主義者なのかどうか…、分かりますね。さくらレポートを見れば…追加緩和はありません。あの…テレビ報道を観ましたか? 大阪支店長が「金融緩和を求めるのは、株屋だけだ」と笑っていました。あの笑いが、東大法科の政策の素です。故に…失われた時代が永遠と続いているのです。マネタリーベースをジャブジャブにしても…、マネーストックが伸びないのですね。黒田さんは、当初、なんと言っていましたか? インフレ目標は、益々、遠くなっています。貨幣乗数効果の低迷の原因は、流動性の罠から抜け出せていないからです。
使うお金の場所がない? 冗談ではありません。法定の耐久年数を過ぎた劣化した水道管の割合は、全国で10%を超え、社会問題化していますね。事故が、これから多発するでしょう。軽井沢のバス事故は、何も他人事ではありません。三村さんのような人間が、どうして指導的な立場にいるのでしょう。新日鉄は…どうなりましたか? いい加減に…呆れる村論理はヤメにしなくてはなりません。
まぁ、株屋だけが…失われた時代の中で…悶々として、このような葛藤のなかでストレスを抱え、そうして寂しく死んでいくのです。コンチクショウ。馬鹿たれが…。悔しかったら、GPIFが保有する株価を上げて、中国論理を打破して…みればいいのです。正しい政策を実行すれば…皆がハッピーになります。