日本株は大丈夫

日経平均株価のチャートを観ると、ここからの下落場面は「明らかに」…買い場であり、悪く考えても「横ばい波動」を維持するのでしょう。いくつか理由があります。

日経平均株価の日足推移

裏付けの理由は、挙げるとキリがありませんが、「日本製鉄」を代表するROE経営が、成果を挙げて、世間に認められ始めています。そうして、ようやく企業内物価の上昇が消費者に転嫁され始め…「賃上げ」も実質成長を押し上げるまでは上昇はしませんが、「曲がりなりにも」名目成長はプラス圏が維持されます。

基本的に、このような理屈を、わが国の大学では教えてないらしく…宮澤喜一などの歴代の政策担当者は、昨日も述べましたが、年収の5倍で家が買えるように、所得を増やそうとするのではなく、家の価格、つまり地価を下げる政策を実行したのです。まるで逆です。年収を上げて…家を買えるようにするのが、正しい政策です。

名目時代と実質時代の違いも、身に付いてないようです。

偉そうに…今でも日銀の「黒田批判」を続けている馬鹿学者やアナリストが多いですね。誰も…歪な形の量的緩和など望んでいません。ある面では、この人たちの批判も正しいのです。しかし…日本国民の「心が動かなければ」、「笛を吹けど…踊らず」なのです。だから個人の現預金が1116兆円も溜まり…企業の内部留保は516兆円にも膨らんでいます。GDPと比較して…内部留保を溜めています。

この理由は、最高裁などの判決です。東京地検も同罪でしょう。内部には、いろんな意見がある筈ですが…34年間も異常な政策を続ける「清貧思想」が日本に根付いています。これが村社会論です。仲間だけ良ければ「それで良い」と言う考え方です。日本国の未来など考えていません。鎖国制度ですね。

しかし、その「皺寄せ」が、非正規社員や弱者に及び、振り込め詐欺などの考えられない不道徳な倫理観を産み、犯罪が多発して…自殺者も数多いのです。政策官僚の大半は、今でも天下りです。定年を迎えても、何処かの財団や協会など…昔から維持される組織に、その受け皿があります。だから自分達の力を落とさない為、日産自動車や東芝の「外資の傘下」を嫌います。自分達の支配下に置きたいのでしょう。

でも東芝を観ても分かるように…拘って「時間闘争」をしています。たぶん…買収価格で多くのファンドの中には、5000円では納得せずに…更なる上積みを求めて、駄々を捏ねているのでしょう。決算期末のギリギリまで…揉めるのでしょう。あのブルームバーグの記事は、買収価格を上げさせるために打ったアドバルーン報道ですね。時間切れを迫って、TOB価格を上げる作戦でしょう。配当利回りは6%~7%ですから、この3月末に流出する金額が1500億円ほどです。オリックスの減額分を埋めます。最後の最後まで…もめます。

仮に、4月以降に交渉がズレるなら、日本産業パートナーズ連合に与えた「優先交渉権」は消滅でしょう。いつまでも多くの投資家を蚊帳の外に置く内部紛争の村論理は時間切れです。上場企業は公開情報で株価が構成されます。

「密室の交渉」は、東芝が上場企業でないことを物語っています。

上場企業でなければ…勝手にやれば良いのでしょうが、多くの一般庶民の投資家を無視することは出来ない筈です。本当は日経新聞が、この事を書くべきです。そうして「時間切れ」を告げるべきです。密室で決まる不透明さではなく、正々堂々…そのやり取りを「公開する」のが市場です。だから先ずは… 日本産業パートナーズ連合が、 自分達の公開価格でTOBをすべきです。反対者がいるなら、そのTOB価格以上で…市場価格は推移します。

密室なんて…如何にも村社会です。上場企業ですよ。良識を疑います。

…だって時間が掛かり過ぎます。これだけ時間を与えて駄目なら、言い訳が付きません。既に半年近いでしょう。通常なら、昨年末に決めています。常識で考えれば分かります。外資が6000円でも買います。日本企業は兎に角「要らない資産」を多く抱えています。東芝の保養施設など…凄いですよ。大概、大企業は自前の病院も持っている程です。カタルが住んでいた佃には、石川島(IHI)の病院がありました。カタルも受診をしたことが在ります。IHIの社員でなくても…一般の人も診てもらえます。

兎に角…非効率な話です。村社会論は「利益を抜きに」拡大を考えます。シェア重視なのです。それで成長を続けるなら構いませんが、GDPの成長が少子化などで望めないのです。利益率の低い産業を諦めて…「高利益の産業」に、日本人の労働力を向かわせるべきです。この30年近い時間は「空洞化」の歴史です。

それが、ようやく…中国から戻ってくるのです。国内「回帰現象」は、中国の人件費が上昇して、採算に合いません。ようやく日本独自の「日本価格」が消えます。この日本価格の意味の代表事例は「コメ」の価格です。これがグローバル化しました。ユニクロは世界で伸びています。だから柳井さんは、人件費を「グローバル基準」にしたのです。この行動の意味は、彼の…ユニクロの未来「宣言」です。自分達は「世界市場」で活躍する…だから、日本国内もグローバル基準にするというのです。

この流れも日本製鉄と同じです。トヨタの章夫社長は、自分でも分かっているから、後進に道を譲るのです。このままでは自動車も、半導体と同じ「斜陽産業」の運命です。

「市場の整合性」と言うのは、みんな、時代背景が繋がっています。故に時代の事象、今、起きている社会問題、ウクライナ侵攻や台湾の危惧など…、みんな同じ…時代が流れています。この動きを観て相場は動いています。

「SVB」(シリコンバレー銀行)などの倒産は、なにも突然、起きたのではなく布石があります。だから昨日紹介したキャシーウッドが正しいとも言えます。同じような主張が「WSJ」(ウォールストリートジャーナル)にも載っています

その原稿の中で…「銀行の取り付け騒ぎに関する研究で昨年ノーベル経済学賞を受賞したシカゴ大学ブース・スクール・オブ・ビジネスのダグラス・ダイヤモンド教授は、「低金利を長く維持するというFRBの約束が問題だったのかもしれない。SVBのCFO(最高財務責任者)だけでなく、FRBのストレステスト設計者もそれを信じていたのだ」とし、「監督者がその務めを果たさなかった」と述べた。」…との一文が載っています。

金融政策の浸透は、時間をかけて実行しないとなりません。性急に物価だけに焦点を充て、選挙を意識して…政権寄りの政策を急ぐべきではありません。

パウエルは間違いを、いくつも犯しています。バイデン政権は、質があまり良いとは言えません。仮に…習近平主席がウクライナとロシアの和平を纏めたら…米国の「凋落」は、加速します。グローバルサウスの地位は、どんどん上昇しています。日本だけのニュースばかり見ていると気づきませんよ。

このような背景が「自分の頭」の中で、確り…理解できないと相場を張れません。遊びではないのです。1000万や2000万の金額は、やがて億単位になります。本物の世界は非常にレベルが高いものです。

ソフトバンク(9984)の日足推移

ソフトバンクについて書かれた、日経夕刊(16日)の「話題の株」を観て…通常はソフトバンクを売ります。SVB問題はベンチャー企業にとっては…不利に見えます。関連倒産が進めば…多くの連鎖倒産を生みます。だからソフトバンクは「危険」と言う発想になります。でもそれは…世間を知らなすぎです。ソフトバンクを支持する人間も多いですからね。彼らが世界の時計(人類の進化の時計)を早めたとも言えます。

仮に…昔の話ですが、ソフトバンクの孫さんが、あの時にヤフーBBを使ってパラソル戦略でADSLを使ったサービスに乗り出さなければ…NTTなどの村社会論理では、日本は、数年、遅れていました。インターネットの普及には、もっと時間が掛かっています。「成田闘争」の言葉を、カタルは好んで使っています。

日本の意思決断は、非常に時間が掛かります。今回の東芝問題は、その事例の一つですよ。非効率です。時間闘争をすべきではないのです。たかが…1000円程度の価格を、目先、ケチらずに…6000円で東芝を買えば良いのです。そうすれば…彼らも納得するでしょう。

「エルピーダ」で、ケチって…「ラピダス」に5兆円? 

きっと坂本さんは腹を抱えて笑っています。あの時、坂本さんは政策担当者を回って苦労していました。この坂本さんというのは、エルピーダの社長です。このエルピーダは、母体が半導体の全盛期だったNECや日立の「生き残り」をまとめた半導体の会社で、広島工場は先端でしたから、米国のマイクロンに買収されました。

カタルは日産も、東芝も、外資の手に委ねて…「お手並み拝見」と大らかに構えるべきだ…と述べています。それなら1年以上前に、東芝は上場廃止になって、今頃、再建の道を加速させていたことでしょう。日産だってルノー傘下でも良かったのです。社員もその方が賃金が上がり、幸せでしょう。何故、毛嫌いをするのか分かりません。

相場の話は、明日にしましょうか…心配など要りません。

既に日本株は新しいステージに突入したのでしょう。でもそれを理解してない馬鹿が大勢いるから…PBR1倍以下の銘柄がゴロゴロしています。非常に割安ですよ。冒頭の516兆円の内部留保を、これ以上はもう積めません。ヘッジファンドの餌食になります。

明日は「過去」、「現在」、「未来」時間を交えて…今の相場を解説しましょう。多くの皆さんは「時間軸」を理解してないように感じています。今日は「基礎知識」の補完の意味で、原稿を書きました。正しい日本の「立ち位置」を理解してないと、少し株価が上下すると…不安になります。自分自身の基礎知識を養いましょう。また…明日。



amazon.co.jp 全品に拡大 無料配送キャンペーン実施中!詳細はこちらをクリック。

関連記事

  1. 2021.11.20

    欲望と恐怖
  2. 2015.04.18

    さわり
2024年4月
« 3月    
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930  
株式投資関連の本