過去、現在、そうして未来

まだ市場はSVB(シリコンバレー銀行)問題の後処理は終わらないようです。丁度、一週間です。今回の危機は一連の最終版です。ここから始まるわけではなく、最後のイベントだろうと思っています。「金融危機の連鎖」と言うのは基本的に心理面の話です。だから…隠さずに…「公」にされれば動揺は収まります。「知ったらお終いです。」

それにリーマンショック後、大きな銀行は自己資本を大きく積み増して、ストレステストを受けていますから、基本的に危ない銀行はないのです。

SVBは報道によれば…大口預金者の引き出しの為に「資金難」に陥ったのでしょう。そんなに大きな問題ではありません。たかが20兆円程度の話です。リーマンショックは影の銀行問題に溺れ…「数十兆ドル」とか言うレベルでした。1000兆円を軽く超えるのです。デリバティブは、レバレッジが掛かり…恐いのです。でも…その後の改定で、仕組み上、大きなリスクを抱えていません。自己資本比率規制と言うのは、そういう事です。

カタルは皆さんに株価は「市場要因」の影響を大きく受けると述べています。

既にカタルの実力は、普通の政策なら、「大丈夫だろう」と自信を持っています。しかし間違った政策を実行されると…全体の株価はどうしても下降波動になりますから…「買い」しか選択しないカタルにとって鬼門です。全体が逆風では、逆風を乗り越える上昇相場は勢いを失います。余程の力がないと…相場は「一人旅」です。

ナスダック指数の月足推移

カタルが何故、仕手材料株として「大阪チタン」(5726)や「エーザイ」(4523)を選択しているか? 実は前からリーマン後の米国株の上昇波動は乖離が大きく開いており、PERなどの株価水準も下がったとはいえ…依然、高い状態ですから整理に時間が必要だと思っています。

整理には「値幅調整」と「時間調整」がありますが、値幅調整も進みましたが、まだ時間軸の整理が「未完」だろう…と思っているのです。月足でナスダックを観ると、非常に大きな乖離です。あと1年や2年程度で、新高値を超える相場に移行するとは思っていません。 

ナスダック指数の週足推移

でも週足では、かなり「いい所」に来ました。

たぶんITバブル同様に…数年は高値を抜けません。もう一連の下降波動は終わったと思っていますが、力強い新高値を目指す相場には至らずに…基本的に「横ばい」だろうと思っています。事実、ITバブル後も高値を奪回するまでに「底を打っても」上昇率が鈍る横ばい相場に移行しています。今回も、同じようなケースだろうと思っています。

このような時の市場参加者は多くなく…「空売り」を梃子にした相場、つまり「仕手材料株」に活路を求めるのが一般的です。

昔は全体相場が悪い時に、産金株の「住友鉱山」などが物色されています。是川銀蔵が仕掛けた相場です。金が出るとか…出ないとか…。その後は「小野薬品」のプロスタグランジンです。持田製薬の「OH1」と言う制癌剤(これは偽物)もありました。つまり基本的に「強弱感の評価が割れる」相場をやるのです。ようやく…全面安の場面から、辛うじて…相場を仕掛ける場面が来ました。

今回SVB問題程度で…たぶんCTA (Commodity Trading Advisor=商品投資顧問業者)の「仕掛け」でしょうが、三菱UFJの株価が大きく崩れたのを観ると…まだ時間軸が来てないのでしょう。日本製鉄を一気に、持ち上げる「過剰流動性相場」の環境にもなっていませんね。これだけ…日銀が異次元の「量的緩和政策」を実施しても、金利裁定も完全に機能していません。なかなか「村社会論理」は…手ごわい相手で、しぶとく生き残ります。

高市早苗問題は、内容を良く知りませんが、たぶん「メディアへの規制」発言でしょうが、つるし上げられています。カタルは日本人が…一般のレベルの日本人が、報道機関の仕組みと言うか、画一化された概念を、「自らが知る」時期には至ってないのでしょう。日本人の多くは、画一化された教育により、NHKの報道姿勢は正しいと思っています。日経新聞の報道が正しいと誰もが思っていますが、実は、世の中は「色んな見方」が存在します。

ロシアや北朝鮮、中国など…イランもそうですね。女性差別のイスラム教の考え方がありますが…我々の価値観が正しいわけではありません。世の中は色んな考え方があります。たぶん…中国がロシアとウクライナを「和平」に導くとすれば…一気に「グローバルサウス」の力は増します。米国の凋落で、デジテル貨幣の時代ですから、ドルの基軸通貨の地位は失われます。そうして、ようやく地球連邦の時代でしょう。スタートレックのSF映画の世界です。まぁ遥か…未来の話は、兎も角…。

今回は、我々世代が消えて行き…若者が台頭しています。カタルの読者の中にも20歳代の若者が存在します。30歳代までは色んな冒険をします。一気に「過剰流動性相場」にならず…ブームになる所まで相場は行かないようです。もし…日本が完全にROE経営などのグローバル展開になっているなら、東芝問題などは簡単に片付いています。このような問題も直ぐに片付かないのです。村社会論理と言うのは「しぶといなぁ~」と感じます。

既に「変わらないことが、我が社の社風」と言い切った社長室長が居た日立は、子会社群を整理しました。この発想を持って「子会社」の松下寿などを統合してグローバル展開した松下電器こと「パナソニック」は、結局、利益率の低いセクターを切れません。

改革が中途半端に見えます。EVに活路を求めましたが…中国のCATL(Contemporary Amperex Technology Co., Ltd.=寧徳時代新能源科技股份有限公司)の足元にも及びません。基本的に日本の時間軸は、相変わらず…「村社会論」だという事を見せつけています。テスラの要求もクリアできないように感じています。

前向きなカタルでさえ、かなり贔屓目に見ても…そう思います。全個体電池で挽回をできるかどうか…本日はマクセルが新聞に載っていましたね。

でも徐々に、日本株は「新しいステージ」に入っています。ただ…相場を創っている側のセンスを上げないと駄目です。そこで本日は、時間がないので…簡単ですが、「過去」、「現在」、「未来」の銘柄選択の話をします。

カタルは「お船」、「半導体」は、過去の時間を相場にしており、現在時間は三菱UFJを始め日本製鉄など…PBR基準や配当利回り銘柄の金利裁定の時間を相場にしていると述べています。ここには…例のお年玉銘柄の「ナ・デックス」も加わっています。そうしてカタルは仕手材料株の大阪チタンやエーザイは、「未来時間」の相場だと述べています。

基本的に相場が不透明な時に、選択されるのは「仕手材料株」です。まだ見えない姿を、市場で先回りして…その評価をするのです。

お船の利益は、本日の日経新聞にもありますが、これから米国の経済は景気後退期に入り、小売りの在庫整理が始まるのです。こんな環境のなかでコンテナ船市況は、なかなか…改善などしませんよ。市況が低迷するのに…未来を買う株価が「割安感だけ」で上がりません。改善が見込めるなら分かりますが、船の相場をやるなら…見方が割れた2021年の夏から秋ですね。そうして翌年の業績も上がるのを観て「踏み」が入ります。旬の時期は2年前です。今はようやく需給バランスが改善しているから…株価が上がっているだけの話し。先が見えるものは、「面白さ」はありません。

半導体に可能性の「芽」が、あるかもしれませんが…グローバルサウスの代表格の中国を排除するという前提では…とても、相場にはなりません。市況は、なかなか…立ち上がらないでしょう。半導体は特殊分野、「パワー半導体」などはEV生産が本格化しますから、相場になる可能性がありますが…基本的に半導体の全面高はありません。

レーザーテックの高いPER水準を維持するのは、大変だろうと思っています。足元が悪化しているのに「設備投資」なんか…普通の経営者はしません。船も半導体も…いずれも「過去の栄光」を引きずった相場です。つまり業績のピークを打ったのです。

過去に業績のピークを打った株をやるべきではありません。現在時間の割安なPBR1倍割れなどの銘柄は、魅力あるセクターではなく…株価上昇には限度があります。大きくなった「乖離」を超えてまで…人気を維持するのは、大変でしょう。日本製鉄を観れば分かります。

カタルは空売りをしませんから…常に相場の可能性を追っています。

故に仕手材料株の「未来に出てくる利益」を目指す相場をやります。大阪チタンの利益のピークは2年後ぐらいでしょう。場合によれば…環境次第ですが、過去にない大相場になります。だって…世界中が軍事費を増大させています。

戦車などを壊しています。この戦車にも大量のチタンが使われます。ミサイルもそうですよ。なにも…航空機だけではありません。宇宙ビジネスも一気に盛んになり…ロケット時代です。ロケットも多くのチタンが使用されます。仕掛け人の関与も確認されていますからね。面白いですよ。スポンジチタンのロシアのシェアは高いのです。故にこれからの価格交渉は有利です。

エーザイは兆円単位の規模に、製品が売れる可能性があります。世界に「たった一つ」の薬です。でも80歳以上になれば…20%程度の人が発症します。つまり潜在需要は膨大です。未来は分かりませんから、大きな思惑が発生します。FDAでは、既に認可を受けています。フル承認も間近でしょう。日本は9月と言われています。中国、EUと続きます。

この2銘柄は「未来の利益」を予想するもので…確定していませんから、相場として面白いです。日本製鉄などの「割安感を買う」限られた株価の相場とは違います。未来の希望は膨らみ続けます。今から、やるから…「未来の利益」には、「強弱感が生まれ」相場が大きくなります。いずれも一度、株価が上がって休んでいるところですね。

その会社の利益のピークが、何処に在るか…。それを予想するのが株式投資です。つまり「時代背景」に合う会社が、常に…利益を上げ続けるのです。時代の遅れた会社は衰退をします。こんなところで本日の原稿はお終いです。また…明日。



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