人は何を残すか? 

偶然にも…先週の水曜日の引け後、更に木曜日の朝、相次いで…元同僚などの証券マンから相場観を聞かれました。神主さんも…買い出動したと言います。通常のタイミングなら底打ち現象は明らかです。しかし…カタルの読みは間違っていましたからね。もともとドル回帰が起っており、米国の景気指標は問題がない筈です。故に、スッキリポン相場が妥当だと考えていましたが、結果は違いました。自走車関連の相場も生まれずに、ぽしゃる始末で、「さくらインター」の一本釣りは、短命な気迷い相場を示していますからね。相場の質は…思っていたより、悪いと思いました。

この原因は、様々な要因が存在するのでしょうが…結局のところは分かりません。故に日経新聞の記事などがアドバルーンになり、出来高と株価を総合的に判断するしかないのです。しかしここに来て…原因の一つがクローズアップされ日経に報道されました。「TLAC」の文字が、新聞に登場したのは22日、金曜日の日経朝刊です。もう一つの原因と考えられるSWFの存在は、19日の火曜日でしたね。ご丁寧に…ピジョンの減速報道まで、土曜日の日経(23日)には載っています。

最近は、これまで眠っていたサウジ報道が…増えてきました。(例えば此方…)僕は清貧思想のオバマが嫌いです。たしかに…他人の金を博打に使い、高額報酬を手にする金融マンの姿は見苦しいものがあります。しかし金融デリバティブの発展が、人類の進化に貢献した事は明らかです。それを全否定する金融規制は…頂けません。

「アメリカは世界のポリスマン」ではないと否定したオバマは…、欧州からアジア圏に軍事力の拠点を移し、これまで約束していた「アラブの春」(自由シリア軍など)の支援を一方的に切り、更にイラン問題も関連し、サウジなどが怒ったのが…今の流れでしょう。プーチンの主張も一理あります。この辺りは専門家じゃないから、よく分かりませんが、ISの台頭など…間違いなく、テロを世界中に蔓延させているのは、アメリカのエゴが、源になっています。日本もそうですね。集団的自衛権の問題を急いだのは、この辺りのバランス感覚が、背景に存在するのでしょう。

そもそもアメリカの価値観が正しいのか、どうか分かりません。イラクの現状を見れば分かりますね。絶妙なバランス感覚で存在していたフセイン政権だったのでしょう。壊す事は力があれば、誰にでも出来ますが…調和を保ち維持することは、困難ですからね。株の世界と一緒ですね。株を買って株価を上げることは、誰にでもお金があれば出来ますが、その価値観を世間に認めさせ、自らが逃げることは困難です。戦後からの復興を成し遂げた日本は、どちらかと言えば例外的な事例なのでしょう。故にある意味で…中国の言論統制も理解できます。この辺りはいろんな意見があり、解釈が難しく…正解などは、ないのかも知れません。

市場経済下においては、このような「政策の歪み」を、「儲けの種」にするのが、ヘッジファンドの存在です。故に今まで、政治の世界で働いていた人脈を内部に取り込んでいます。市場と言う場を通じて…実社会に先行して、政策議論をしているような場所が、株式市場と言う見方も成り立ちます。

市場原理下に於いて、イエレン時間が、なかなか訪れないのは…彼女たちの政策が間違っている為でしょう。もともとカタルは、「ダリオ論」支持派です。故に、早くから1937年問題を取り上げてきました。だから現政権下では、米国のこれ以上の繁栄は臨めません。故に、良くて、横這い相場だと…前から思っていました。一般的に言われている様に…下がる相場の方が自然です。この原因は金融規制ですね。故に、カタルは「偽りの景気回復」と…米国経済を評価しています。本物ならスマート関連が、もっと市場を引っ張っています。現政権の交代が、新しい相場を生みます。

軍事力の均衡を保つ為に…?ISやロシアの動きを封じる狙いで、原油相場が異常に下げています。本来、誰が考えても…こんな相場になる程、需要が低迷するのは、おかしな論理です。中国が減速していると言っても、プラス圏での推移、世界経済の人口は増え続け、インドは好調ですからね。しかし新聞を読むと…今日も船舶市況の悪化が報道されています。ピジョンの相場もそうですね。中国は一人っ子政策を撤廃、確かピジョンは、インドにも進出を始めています。故に、日経の報道は偽物ですね。だから…相場の底値を確かめる為の観測記事なのでしょう。買いたい為の弱気論ですね。

シャープの一面報道も、そうですね。普通の日本人は、産業革新機構で決まったものと思っていますが…そう簡単に、物事は決まりません。カタル独自の勝手な推測ですが…例えば三菱UFJの中にも、派閥が存在します。確か、シャープは…三和銀行筋の案件の筈です。主流の三菱派からすれば…失敗すれば良い訳ですね。そうすると、この辺りの対立から情報が洩れます。シャープの報道は、色んなルートから情報が漏えいしていますね。シャープ内の派閥対立もあるのでしょう。表面上は、政策筋の産業革新機構を支持していても…ホンハイの提案の方が、銀行団にとって明らかに良い条件です。銀行は上場企業ですから…シャープの処理が水面下で行われれば、政策筋の意向に従わざる得ません。江戸長崎の報復があるからですね。

でももし、ホンハイがTOBを掛けるとすれば…事態は公になり、上場企業故に、銀行は革新機構の肩を持つ事が出来なくなります。相場の読みは…、このような勝手読みが存在し、株価が動いて行きます。おそらく今月中は…揺れ動く事でしょう。場合によれば…3月中に決着がつかないかもしれません。WSJがシャープ争奪戦と報じており、サムソンが関心を持つかもしれません。何しろ…シャープは、日本で一番のテレビ市場を持っています。当然、ここに中国勢が絡めば…、より一層、相場は面白くなりますね。これは…論理的に見て、株価の時価総額が、資産価値を大きく下回っている為に、生じる現象でしょう。誰が考えても…、シャープの失敗は、過剰な設備投資が起因しています。

さて…、もしダリオ時間が本当に流れると…、相場は、この程度じゃ、すみませんね。もともと金融規制に問題の根源が存在し端を発しています。故にイエレン時間が流れ、その後、大統領が入れ替わる時期に、政策論議が起こると…読んでいました。でもこのままダリオ時間が流れると…再び量的緩和を実施するまで…FRBは追い込まれます。そうして金融規制が撤廃されるまで…株の下げは続きますね。果てしない下げ相場が、永遠と続きます。政策が間違っているから、株は下げ続けるのです。日本は、永遠と…「失われた時代」を過ごしました。

ようやく名目成長を重視する安倍政権の誕生です。政策が正しいから、国債の発行残高が減っているのです。故に、円高にもなるのです。決して円高が…悪いものではありません。問題は、日本の構造改革が、スマートコミュニティー化に…すんなり移行するかどうかなのです。ところが…村論理の意見が多く散見され、日銀支店長会議での大阪支店長の「笑い」が生まれます。あの笑いは、三重野元日銀総裁と同じ構造です。株や土地が下がっても、経済は関係ないと豪語し、株式市場の悲観論を、一蹴して利上げを敢行しました。

1月は、日銀の金融政策決定会合、そうしてイエレンの議会演説と注目されます。両者とも通貨の番人であり、そもそもがインフレに警戒感を持っている清貧論者です。でも市場は悲鳴を上げています。ドラギ総裁が3月緩和論を打ち出し…、市場は、一旦、反発しました。ヘッジファンドは、正しい政策が実行されれば…、下を更に叩けなくなります。既に多くのヘッジファンドは、一度、矛を収め…様子見をしています。ここで適切な選択がされるかどうかで…、2月、3月の動向が、決まっていくのでしょう。誰にも、分からない世界なのです。常に…政策と市場の検証は行われているのが、市場経済なのでしょう。

本物の市場主義者か、どうか…黒田さんの器が試されていますね。QE2は偽物の政策だから、マネーストックが、なかなか伸びずに…景気は中だるみになっています。故にケネディクスが3年も横這い相場になっています。付利金利のマイナス適応、リートやETFの増額を主流に、国債のこれ以上の増額買い入れは弊害が大きく、デュレーションを変えるだけの戦略でしょう。徹底してリートの利回りを下げ、ETFだけではなく、本当はPBRや配当利回りの観点での選別を増やすべきですね。

仮にこれでも駄目なら、日銀自らが需要を創設するメザニン投資を拡大すればいいのです。コンセンション絡みには…、無限の需要があります。東大法科などの先例主義者の政策は応用力がないから、市場から馬鹿にされるのです。市場が納得するまで…、徹底してやる覚悟が大切です。期待インフレ率が生まれるまで、続ける意気込みがないと駄目ですね。一度、柳井さんを招き、講義を受ければいいのです。誰も…今の時代は、安定、安全、安心など…求めてないですね。「人は必ず死ぬ、それまでに何が出来るか?」此方です。

既にブラック企業状態が蔓延しているのです。表面上のお飾りは、どうでも良いのです。実践派の人間が、必要なのです。黒田さん、頑張ってくださいね。折角…これまでの努力で、上昇し始めた賃金の好環境が、再び、萎むどうかの瀬戸際です。春闘に向け、正しいメッセージを…市場に発信する必要があります。補完処置などの眉唾では、誰も動きません。既に当座預金に対する付利金利の撤廃ではなく…マイナス金利の適用の領域でしょう。市場は…それを求めていると思います。-0.1%でも良いのです。男になり名前を後世に残す器か…それとも三重野さんのように、後世の人々に馬鹿にされる代名詞になるかどうか…。人間は、いつか死を迎えます。後世の人々に希望を与えるかどうか…問われています。



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