はじまり…始まり

最近、思っているのが、日本株は、ずいぶん…「変わった」という事です。

カタルは1979年の証券界の入社ですから…1989年までの10年間の「名目成長時代」を味わっています。この10年間は、証券セールスの時代ですが、実際の金融知識は希薄でした。何しろ…金利の上下が、経済活動にどういう影響を与え…株価がどう反応をするかも分かりませんでした。ただ、人気になった株を追うような時代だったように感じます。

上京して、歩合セールスとして働くと…顧客が負けると手数料が上がりませんから、収入が消えます。故に、自分の勉強不足を痛感して…「証券アナリスト」の資格を得ようと、当時は珍しかったのでしょうが…自ら資格専門学校のTACにある証券アナリストの資格講座を受けます。夕方や土日に利用しました。

学生時代、遊んできたために数学が苦手で、オプションなどの知識もないですからね。3つの一次試験を合格した人が、2次試験に臨める仕組みでしたが、3年もかけて、晴れて…アナリスト様の協会員になりました。でも、この仕組みを、よく考えると…流石、官僚様の天下り機関です。上手く出来ています。

でも…この資格はあまり使えるものではありません。結局、いくら勉強をしても「下げ続ける」株式の市況環境の中では、儲けることは出来ませんでした。この失われた時代の中で儲かった記憶があるのは、「ITバブル」時と、「リーマンショック前」の2回だけです。ITバブル期は、凄かったのです。小手川君が200万円の資金から200億円とも言われているお金を残せたのは、この時期だと言われています。

ジェイコムが上場されたのが、2005年12月です。IPOを専門にしていた小手川君は間違いに、直ぐ気づいたのでしょう。通常は取引所がミスに気づき…売買を執行するのはおかしいと思います。でも色んな理由が重なり、市場にない株を売ったわけです。発行済み株式総数の42倍の株を売ったのです。結局、解け合いの処理(強制決済)になり、間違ったみずほ証券は407億円の損失だと言います。彼の話は兎も角…。

カタルは1997年~1998年にかけ、食えない時代を2年連続で経験しています。会社に給料と言うか…厚生年金や健康保険料を払ったことが2度ほどあります。年収120万円の世界です。この時期に転職を決意してパソコンの勉強を始めたのが切っ掛けになり、今のIRNETの設立に至っています。

つまり…既に25年以上、原稿を書いています。嘘は書けないし…調べながら自分自身も勉強をして原稿を綴っています。今は、既に騰がる株は事前に分かります。業績の内容や時代性を考えて…未来に上がる株も分かりますが、タイミング、つまりその時間軸がカタルにとって課題になっています。

基本的に、色んなことを調べて勉強をすれば分かりますが、日本株式は「異常な安さ」です。それは市場原理が働かないような政策を実行してきたからです。

東京地検、最高裁判所、メディアの報道…官僚が主導しているのかどうか…それを意図してなくても…自分達の組織を守ろうとします。冒頭の「資格試験制度」などの仕組みはよく考えられています。公正なルール作りは必要なのですが、恣意的な運用が、市場にとってマイナスになります。

基本は儲かるかどうか…。日本はバブル崩壊の反省が強すぎて…戦後の高度成長を上手く活用できなかったのが「プラザ合意」でしょう。この時期から間違った政策を採用しています。今の中国は、日本を後追いしているように見えます。

日本も嘗て…「Japan as Number One」と呼ばれた時期があります。1979年に書かれたこの本は1980年代の日本の黄金期を言い当てているのでしょう。1980年に、アメリカ合衆国大統領がカーターからレーガンに交代しても、前半は米大手自動車メーカーのゼネラルモーターズが生産規模を大幅に減らしリストラを行うなど米国経済の迅速な改善はなく、失業率は一時10%に迫ったのを「切っ掛け」にして、日本バッシングに到ります。5年ほど交渉が続くのです。そうしてプラザ合意です。

その頃は、現役の証券マンでしたが、そのような…世界経済のバランス感覚が、当時は皆無だったカタルです。

米中対立が激化して「覇権争い」になっていますが、流石、米国は賢いなぁ~と思います。グローバルサウスの台頭などと言いますが、ドルと言う基軸通貨の仕組みは矛盾もありますが、それでも米国は信頼性があります。今のドル高を観ると…コロナ禍でばら撒かれたドルの回収が進んでいることが窺えます。

果たして、元の価値が維持できるのかどうか…。今度はベトナムが半導体の生産基地になるとか…言われています。この米国で始まったCHIPS法は、面白い現象になっています。日本では熊本や北海道は久しぶりに湧いています。

日立(6501)の月足推移

日本の構造改革が「板に付いて来た」ように思います。日立の上場来高値更新の効果は「右に倣え」でしょう。良い先行事例になります。野村証券などの劣化したままの企業も、存在しますが、ようやく三菱UFJも4桁を奪回し定着しています。あの時に、800円は安いと思って買い始めて…500円に急落する株価を観て現物沈潜を始めた時期から…14年が経過します。

三菱UFJ(8306)の月足推移

2008年の後半から2009年の話です。コロナ禍の時の株価は、たった380円だったのです。日立の起点は2009年2月の1150円でしょうが、実際は2020年3月の2524円でしょう。しかし…今回の起点を観ると2023年3月が変化点でしょう。この時期に三菱UFJも評価されています。三菱UFJは、昨年12月の黒田サプライズからの出発です。

様々な「整合性」…昨日の「市場の整合性」の話ですが、今年から「名目成長時代」に変化したと言う認識で良いのでしょう。

米中対立から恒大集団の破産申請など…「一連の繋がり」が見えるか…どうか。市場には「循環買い」の流れも誕生し始めています。日本製鉄が、三菱UFJに続き…「乖離調整」からの「高値更新の意味」は非常に大きいのです。いずれも「割安株」なのですが…カタルは今、「ルネサスエレク」(6723)に注目しています。実際にカタルは500株だけですが、今の株価の2450円で株を買っています。

この株の位置づけは「割安株」の範疇ではありません。本来、市場が持っている「先見性」である「未来軸の話し」なのです。まだ見ぬ…「未来の利益」を買う事が出来るかどうか…だからカタルは非常に関心が高いのです。3月から5月に発生した指数買いの…アドバンテストと共に歩んだ「一番手」のグループです。雁行型経済のリーダーです。

この株が7月5日に付けた高値2899円を抜いて…3000円台の株価になるという事の意味は、日本全体の株価ステージが上がることを示して…他への株価にも大きな影響を与えます。日立の上場来高値がフロックで発生した事例ではなく「本物の証し」を証明することにもなります。何故なら、未来軸の産業だからです。

車の世界は、まもなく「大きく変化」をします。この変化は産業構造を大きく変えるものだからです。その雄の株価は100倍程度に成長するのでしょう。

ルネサスエレク(6723)の月足推移

ルネサスの安値の起点は2012年の198円ですが、やはりコロナ禍の2020年3月が基点になっており、317円が安値です。この株が2万円台になる可能性もあるのでしょう。それ程…カタルはルネサスに「高評価」を与えており、この年末年始から来年にかけてPER30倍ラインの株価に成長と言うか…「市場評価」が大きく変化すると思っています。今は15倍程度なので…株価で観ると約2倍です。5000円ラインの株価になるのは、いつの事でしょう。

たぶん…同時進行です。割安株投資と成長株投資の…水準訂正が始まります。

他の成長株も然りです。ジェイドGに力を注いだのは…「新興株の雄」の「企業業績」推移だからです。カタルは前から述べているように…新興株では、ソフトバンク、メルカリ、ジェイドGにBASEとサイバーダインを選択しました。

サイバーダインはまだ駄目ですが…BASEはようやく水面下から…「顔を出したところ」です。この中で、もっとも「裏付け」が確立しているのがジェイドGです。既に一株利益が127円予想です。今回2Qを経過したことで、その数字を追うと…この127円は希望の数字ではなく…「裏付け」のある実績値です。

過去、田中君はカタルと同じように「大ぼら的」な面を持っています。

ソフトバンクの孫さんも同じですよ。豆腐の「一丁」「二丁」ではなく、業績数字はお金の「一兆、二兆」の話をしており、その通りの実績の人間になって来ました。大昔、株主説明会で述べた「法螺」を実現させています。

カタルの原稿も似た面があります。皆さんはカタルの性格を考えて…「原稿」を読まないと駄目です。カタルは、時間の経過でこの127円の数字が「市場から信認される」と思っています。そうすると…このPERは、何れ…正しい認識の30倍に変化すると思っています。127*30=3810円の株価です。来年になると数字は上がり…4180円の2020年9月の高値を抜きます。

ルネサスエレクがPER20倍の評価になり、何れ30倍の評価なら、株価は5000円です。同じことです。「未来軸の産業」を買う動きが、本来の株式投資です。過去の実績の割安株を買うのではなく…日立の上場来高値更新はPERが20倍台になってくることを示しています。まもなく…1万円台の株価が定着するようになるのでしょう。

この意味は割安株だけではなく…未来軸の日立が注力するソリューション・サービス・テクノロジーの体系である「Lumada」の評価です。勉強不足の人は日立のサイトの解説で勉強をすると良いですね。同じことなのですよ。NTTの「IOWN」とも繋がりがあります。日立がPER30の米国基準と同じになるなら…NTTも時間軸の問題で再評価されます。今のNTTのPERは10倍前後です。

ようやく割安株投資から…未来軸の「夢の部分」を語れるような時代になって来ました。日本全体の名目GDPの成長率の話は、重要なのです。そうして肝心な事は、お金が動き始めたことです。これまでは…机上論の「マネタリーベース」の話しでしたが、今度は現実の「マネーストック」の話に変わっています。米国のCHIPS法からTSMCへの補助金効果が、熊本の地元民を潤しています。北海道でも開始されました。

みんな時代は繋がっています。楽しい「名目成長時代」の話が始まりです。



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