日経平均株価10万円の背景

カタルは、世界の株式市場に対し楽観的です。まぁ、もとから能天気な方なのです。故に40億円も飛ばしても鬱病にならず…普通の暮らしができるのでしょう。通常、証券マンは顧客からの期待は大きく、なかなか平静な精神状態を保てないものです。故に…自殺者も他の業界より多いのでしょう。この楽観的な根底を支えているのが…リーマンショック後に、ジャブジャブに発行されたお金ですね。まだ続いています。

NYダウの推移

本来なら…米国同様に「テーパリング」を採用して、出口戦略に移行すべきでしょう。米国のテーパリング観測は早く、2013年の5月でした。おそらく…バーナンキ前FRB議長はNYダウ平均株価がリーマンショック前の高値を2013年の春に抜いたので…それ故に、経済が回復している…と思い、正常化へ向けた作業に移行しようと思ったのでしょう。

しかしダリオ時間に象徴されるように…、実態経済の回復は軟弱で、大恐慌後の引き締め行為から、戦争に突入した悲劇を印象付けたのが、ヘッジ・ファンドのダリオ氏を代表とする人達の意見です。これに対しイエレン氏は、大丈夫だと…述べて2015年12月に利上げを実施しました。この早急な動きに対し、市場は警戒信号を発していました。

でも流石、イエレンFRB議長は、優秀なようで…年3回と述べていた引上げ見通しを、辛抱強く、雇用統計などの回復を待ち、ようやく二度目の引上げが可能になったのが…昨年末の話です。実に1年間も、ダリオ時間とイエレン時間の狭間で、世界経済は揺れていました。

カタルは、この現象の原因は、厳しすぎる金融規制にあると考えて来ました。故に2015年6月にHSBCのリストラを見て…カタルにしては、非常に珍しく…弱気に転向しました。そうして…株が下がったので8月末から買ったのですが…。流石に、この判断は楽観的過ぎました。お調子者のカタル君は、再び2016年の1月、6月と洗礼を受けます。この時期の追証は…どうにか、乗り越えました。しかし首の皮、一枚だったのです。

カタルが「金融規制克服論」を述べ始めたのは、昨年の半ば過ぎで…夏ごろだったと思います。この頃には、既に原油価格が上昇を始め…同様に5月に半導体市況も底を打っています。

イエレン女史の判断は、ある意味で正しく…ダリオ氏の主張も正しかったのでしょう。この対立の解決は、時間の経過でした。様々な施策が効果を表し始め…過剰な金融規制を経済は克服し始めていました。

しかし…昨年の6月、ブレグジットに観られるように…人々は不満の表明です。既に昨年の夏ごろは…清貧思想のオバマ政策でも、世界経済は量的緩和効果が回り始め、軌道に乗り始めていました。これが「金融規制克服論」の誕生です。

しかし米国民の選択は違いましたね。クリントンを退け…トランプやサンダースの選択です。サンダースの主張は、まるで社会主義的ですからね。市場経済の危機だったのです。しかし米国民は、クリントン女史を、僅差で退け…トランプ氏を選択しました。

これは日本同様に、雇用統計などの数字は改善していますが、依然、この恩恵が社会全般に行き渡ってない為です。日本でも、ブラック企業問題など…どう考えても、経済が完全に回復しているとは言えない現象ばかりです。同じことが、世界中で起きていたのです。この背景は、新興国の躍進と空洞化が影響しています。

しかし…金融規制緩和派のトランプ政権が誕生し…これまで、ばら撒いたお金が、今度は一斉に動き出します。この動きに反応したのが、昨年11月から起ったNY市場の躍進です。本日の日経新聞を開くと…金融庁の「規制庁から育成庁へ」への方針転換が、再び伝わっています。

昨年1月に、財務省と日銀、そうして金融庁の3者会談が、月一で設けられました。その成果が3月に現れ、現在の「事業性評価融資」の評価に結びついています。だから凍てつく待機資金が、徐々に融解し始めて、マネーサプライ(マネーストック)が伸び始めているのです。実に4.2%増まで回復し始めています。此処では、3月12日の「バラ色相場やって来た」と言う原稿を参考にして下さい。

マネタリーベースとマネーストック(マネーサプライ)の推移

実は…この日本の待機資金は、アセアンにも流れています。3月13日の「2016年の東南アジア鉄鋼需要、最高の7800万トンに増」との鉄鋼新聞の記事を紹介しましたね。これに続き…昨日の日経新聞に東ソーの好業績が書かれており、素材環境の好調さが指摘されています。

大林だけでなく…東ソーも、一株利益は、なんと100円台です。実は、よく観察すると分かりますが…日本企業は、ようやくROE経営に傾斜し始めており、その成果が、至る所に出ています。カタルは最近、万年、低位株だった東リや大日本塗料の変貌ぶりを伝えています。

ところが…日本の投資家は日本生命と同じで、デフレ感覚が染みついているのですね。このような変化に、まったく気付いてないと言うか…。馬鹿と言うか…。

インドsensex指数の推移

インドでは「GST法案」が通過し、昨年から実施されている様々な施策が実を結んでいます。いよいよ…動きますね。インドネシアの成長加速など…アジア圏は高成長が期待されます。カタルが、何故、日経平均株価が10万円になるか? その背景もこれまでにも述べています。

「南部経済回廊」などの話しを、度々、登場させています。ベトナムやカンボジア、タイ、ミャンマーを結ぶ道路網の整備ですね。この地域の人口も紹介しています。EU圏と比較すれば分かりますが…人口ボーナスの話も需要ですね。これにインドです。

日経新聞にはGST法案の意味など…あまり解説されてないようです。インドの様々な参入障壁が改善するのです。このような改善が、外国資本を呼び込み、経済活動が活発化するのです。 先日、タイのGroup Lease PCL(GL)が急落して、関連のJトラストの株価が急落しました。日本企業の多くは、既にタイやインドネシア、ベトナムなどと一体化し始めています。長かった「失われた時代」の背景で…渡り鳥現象(生産設備の人件費が上がった中国から、ベトナムなどへの生産移転などの現象をいう言葉)などが生まれ、グローバル化の意味を理解し始め、経営者はROE経営に転換している為です。

この立ち上がりに…眠れる獅子(558兆円)が、これから動き出すのです。最近の新興企業のM&Aの動きを見て下さい。ようやく金融庁の姿勢転換で、資金が円滑に動きだし、活性化した経済環境に変化しています。このような背景が存在しているから、マネーストックが伸び始めているのでしょう。市場は…まもなく、この動きに反応します。

テクニカル指標の週間RSIなどが、ようやく…54.26と低下が加速していますから、出発準備が、間もなく、完了するのでしょう。此処からの数字は、更に急落した後に…反発しますね。故に株価は、もうすぐ…この揉み合いを放れる筈です。 1カ月以内には、きっと反発が可能なのでしょう。今回は40前後が底かな?

RSIと日経平均株価の推移



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