38915円奪回への一里塚

この所の株価上昇に、全く…乗れてないカタルです。もともと個人営業を中心に経験してきたカタルは、このような指数相場には弱いのです。思い返すと…バブル期の実質的な上昇相場は1987年には終わっており、1989年の上昇は日経平均採用銘柄の値嵩株だけを持ち上げる指数相場が1年間続きました。  

今回も似たような展開を、演じていたように感じます。ユニクロを主体とする「ファストリ」(ファーストリテイリング=9983)の値動きは、まさに…その象徴的な動きの事例に見えます。そのチャートを、ご覧いただくとよくわかります。

ファストリの日足推移

9月8日に3万円の安値を付け、上昇を開始しており、金曜日は40650円で引けていますから、実に35%を超える上昇相場になりました。このクラスの銘柄が、短期間でこれだけ上昇するのです。  

失業率と消費者物価の推移

9月18日の訪米を前にして、安倍首相は解散総選挙を選択しました。背景には加計学園問題などがあり、支持率が低迷していました。民進党のゴタゴタを見ての決断でしょう。でも、この決断が、今日の相場を作ったのです。「切っ掛け」と言うのは、分からないものです。既に実質時代から、名目時代に抜けるのは時間の問題でした。この事をカタルは「失業率と消費者物価の関係」のグラフを示し…何度も解説しています。「流動性の罠」から抜け出すのは、秒読み段階だったわけです。  

それにしても…歴史的な16連騰を記録するのは、如何に…「失われた時代」が、良い「肥やし」に、なっているかを示すものです。「焼き畑農業」というのがあります。日本は敗戦を経て、焦土と化した状態から、「奇跡の復興」を成し遂げました。今回の「失われた時代」からの立ち上げ相場は、その歴史を超える大相場が予感されます。何しろ、30年近く眠っていたのです。このマグマは相当の圧力を持っているのでしょう。  

故に、カタルは「日経平均株価38915円、奪回相場への一里塚」と述べています。

一気に名目時代の扉である22750円を奪回する工程は、未来の相場の「ワクワク感」を代表するものです。16連騰と言い…22750円の奪回と言い、この歴史的な偉業のスケールを、どう読むか?   

この選択は、これからの人生において…大きな分岐点なのでしょう。カタルはバブル期の絶頂期の1989年11月13日に和光証券(その後、新光証券からみずほ証券に至る)に、歩合外務員として入社しました。当時、興銀の常務だった杉下さんの紹介で入れてもらいました。  

その時、カタルの苦戦する歩合外務員生活を見て、前証券会社の社長だった藤村さんが、和光不動産社長だった小川さんを紹介してくれたので…挨拶に行きました。小川さんは田中角栄が大蔵大臣当時…証券不況時に、山一證券と共に、当時は大井証券でしたが、ともに救済してくれるように頼んだ人で、業界では有名な大物でした。  

その時、小川さんは、開口一番「カタル君、残念だったね。今回の株価の下げは、証券不況時を上回るもので…当分、株式相場は駄目だから、田舎に帰りなさい」と諭されたのです。「もし相場が立ち直ったら、いくらでも…お客を紹介するが、今は顧客を紹介しても、迷惑を掛けるだけだから、紹介は出来ない」とキッパリ言われたのが、1992年の夏だったと思います。  

その時、小川さんは、その理由として、「今回は銀行がやられており、証券不況時を上回るもので…この立ち直りは、容易ではない」と断言されていたのです。すごい先見性でしょう。  

しかし当時のカタルは、心の中で…「この糞おやじ、俺が、歩合外務員として食えなければ…証券会社はつぶれるわ」…とつぶやいたのです。しかしそれから山一證券や三洋証券などが実際につぶれます。長かったですね。あれから25年も経て、ようやく名目時代の関門である22750円を抜けたのです。  

今は丁度、あの小川さんと会った時と同じ「時代の分岐点」です。

でも馬鹿には…あの小川さんの助言の意味が分からないのです。もっと、よくチャンスを活かせれば…カタルは大儲けしていたわけです。証券会社が倒産するまで「空売り」を続け大儲けしていたわけですね。しかし山一倒産のうわさを聞いて、そんな馬鹿なことがあるものか…と、カタルは山一証券を倒産覚悟で買っていたのです。馬鹿は、死ななきゃ治らないのです。  

折角の「活きた助言」を活かすことができないバカが、周回遅れではなく…2週も3週も待ち続け、ようやく…やっと名目時代に辿り着きました。

人生100年時代と、小泉君は言っていましたが、貴重な時間を、長く費やしたものです。ようやく「流動性の罠」という長いトンネルを抜けました。何故、カタルは「1300兆円の逆襲」と言うスケールの大きな相場を抱き、その路線に拘り続けて、ケネディクスを買い続けるか? 皆さんには、カタルの気持ちが理解できないのでしょう。  

多くの皆さんは、このようなカタルの経験をしていませんからね。最後は…株を買わせるのを諦めて、営業活動が出来ずに…毎日、国会図書館に通い、昔の資料を読み漁るカタルのむなしい気持ちが、分かるものですか…。  

まぁ、ある意味で、ケネディクスに賭ける信念の強さは尋常ではありません。本当はダ・ヴィンチが、相応しいのだと思います。金子さんの方が宮島さんより優れていたように感じています。しかし金融庁の悪政に潰されました。まぁ客観的な評価なので…実体は分かりませんが、有利なMBOを計画したTOCに、TOBを掛けたりする行動を見て、好きになりました。市場原理を優先する考え方に見えたからです。  

リクルートの江副さんも、ライブドアの堀江さんも、時代と環境に恵まれれば…と思います。難しいものですね。「勝てば官軍、負ければ賊軍」と言いますが、カタルには、僅かなボタンの掛け違いに見えるのです。結局、みんな同じチャンスが、必ず訪れるのですが…そのチャンスを、活かせるかどうか。ここに尽きます。  

1996年かな? 朝日放送の買収を試みたソフトバンクの孫氏は、意地(自説)を通さずに、身を引きました。この辺りの違いが…勝敗の分かれ目なのでしょう。何が違うのか…。きっと、わずかな違いの筈です。この差が、勝敗を分けるのです。  

本日は…16連騰と22750円の壁の奪回を見て…の感想を述べています。読者の皆さんにはどんな…景色図に相場が見えるのでしょう。カタルには、ようやく長かった暗い時代が終わり、希望が溢れる新時代の到来を予感しています。それでは…また明日。



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