今回は前回の宿題である工作機械の受注状況を調べてみました。
例の安川電機のPER33.8倍の評価を、どう考えるかという謎です。まぁ、安川電機が主流とするアークロボットは昔の話で、今はモーションコントロールと言うサーボモーターやインバーターを組み合わせた工場ラインの効率化製品が主軸なのでしょう。なかなか分かりやすい解説なので、知識のない僕のようなものでも理解できます。サイトは此方です。
一方、上記の工作機械受注と言うのは、一般的にはマシニングセンター(MC)などを得意とするオークマやDMG森精機などのNC旋盤などの合計金額を言います。受注額はMC、NC旋盤、NC研削盤などの順番です。詳しくは、此方の資料をどうぞ…
この資料をみると、過去最高の受注額はリーマンショック前のもので…2007年の1,589,991百万円です。記憶によれば…1兆円が景況感の分岐点と言われていたと思います。
オークマの過去最高利益は2008年の17969百万円です。この時の売り上げは213827百万円で営業利益は30279百万円ですね。実に14.16%です。通常は1割前後なのですが…。オークマの週末の株価は7690円で今期の四季報の一株利益予想は399円ですね。予想PERは19.27倍です。
グラフを見ると…今年の11月は速報値ですが…11月までの累計値は1,479,681百万円に達しており、この12月の受注が昨年並みでも、既にリーマン越えは確定しており1,591,560百万円です。11月並みの高水準なら…2017年の合計は1,638,206百万円になりますね。どちらにしてもリーマンショック前の…ピーク数字を超えるのでしょう。
この工作機械の受注だけでなく…指標の多くは、ぞくぞく…と、リーマンショック前のピークを越えているようです。昨日の日経夕刊にもありましたが、好調な経済環境の所に、米国は大幅な減税です。炎が燃え上がり、燃え尽き症候群の可能性が…非常に高くなっています。もともと設備投資などの景気循環は、ジュグラー波です。(10年に一回のサイクル)
以前も話しましたが、今回は4つの景気循環の波が、一斉に動き出している様に感じています。一般的に景気循環は、在庫のキチン循環と、人手不足から一斉の投資が始まっているIoT絡みの設備投資の波であるジュグラー循環と…「1300兆円の逆襲」と言う大きなスケールを合わせ持つ、クズネッツと呼ばれる建設需要の景気循環が、オリンピック景気を追い風にして、日本を包んでいます。鋼材は上がって来ましたよ。合同鉄鋼の株価も日本ヒューム管の株価も、高値を目指しています。此処に…スマートコミュニティーと言う産業革命を超えるコンドラチェフの波と呼ばれる「時代革新」の循環が世界を襲っています。
分かりますかね? こんな時に、過去の経験(失われた時代の体験)に引きずられ…空売りをしたりするのは、馬鹿が、やることです。カタルは実質から名目に…時代は、大きく移行していると述べています。
自分でデータを作成して、過去の実績や、周りの事象を見ればいいのです。カタルは述べています。日本橋から銀座に向かう最初の交差点、昔の東急百貨店は…今はコレドです。向かいの赤木屋ビルの角地も新築され、向かいのビル名は分かりませんが、これも新築です。あと残すのは、柳屋ビルだけです。東京駅から兜町に向かって車で下ると…今の日本の状況が良く分かります。昔の大和証券の所も建て替えになっています。
兎に角、東京駅周辺は…一変しています。内需株は背景があるから…高値を更新している訳です。大手建設株は、一貫して上昇を続けています。上の大成建設の動きを見て下さい。本当にびっくりします。米国は外れましたが…TPPもスタートして、ようやく日本もドイツと同じような…恩恵をこれから受けることになります。工作機械の受注地域を見れば分かりますが、東アジアの伸びも大きいのです。此処に、来年は減税で潤う米国も加わりますね。遅れていた日本も重い腰を上げることでしょう。日本人は徒党を組んで行動するのです。
ざっと、世界の景況感を観た訳ですが…北朝鮮などのリスク要因は、仮に、何かあっても…、それ以上に、実体経済の動きは、非常に力強いものです。恐いのは、あまりの好調、故に…こんな事が、いつまでも続くものか…と言う漠然とした不安だけです。
チャートを見ると…16連騰をし、一気にデフレの関門の22750円を抜いた為、高値の利食い売りが交錯している保ち合い場面ですが…時間が解決する問題に見えます。数字は既に過去最高を叩き出すものが、多いのでしょう。これは確定です。
何故、デフェンシブストックと呼ばれていた保守的な食品株が高いPERで評価されるのか…カタルには謎でした。おそらくバフェットがコカコーラなどの投資を通じて、大成功を納めた為、認識が変わったのかな?…とも考えて来ましたが、日本を取り巻く経済環境は中国を組み入れ…この東アジアのアセアン諸国の所得水準が上がり、購買力が増えていますから、食品などの伸び率が、安定して伸びると言う評価が背景にあるのでしょう。
通常、僕らの認識は、食品業界は景気循環に関係なく…安定した売り上げと言えば、聞こえはいいですが、あまり代わり映えしない変動がないので、PER10倍前後の評価が妥当…と長く考えて来ました。しかし…最近はグリコのようにPER20倍台は当たり前です。なかには、ダノンに狙われたヤクルトのように…PER40倍の評価です。丁度、ヤクルトのダノンの持ち株は、ケネディクスのARAと同じ20%水準ですね。
ここで…カタルは、サンフロンティアの低いPER評価は、間違いではないか…と言う仮説を持っています。だって、今までは実質経済重視の失われた時代でしたが、今度は、みんなが積極的に動きだす希望溢れる名目時代に、大きく変換します。だから、たとえインカムでなく、キャピタルの売却利益でも…時代背景の好調さは続き、その売却利益が長く継続する可能性が高いのでしょう。故にキャピタルがインカムに変化しているように見えます。
仮に…カタルのこの仮説が市場から容認されれば…市場評価は、大きく変わりPER20倍から30倍に変化するのでしょう。だって、アパホテルの社長はこう述べたのです。ここ7年でホテル用地は3倍以上になっている…と、これは、今の日本の不動産事情を述べています。この数字は17%成長の数字です。時代環境は17%増益の環境なのです。
サンフロンティアのPERが10倍以下の評価は明らかにおかしく…通常は、PER20倍以上に、市場は再評価すべきでしょう。故に、公募増資の売り物を種玉として、必ず、世界中のヘッジファンドは、狙いに来ます。
此処からは、実際に実弾の公募株が売りに出されます。故に、株価より出来高水準に目を注ぎ、注意深く見守るべきでしょう。仕掛け人が参入し、その人達の実力次第でしょうが…株価は3000円台から5000円台に持ち上げても、何ら、違和感を抱きません。むしろ…そうならない方が、おかしな現象に見えます。故に水準訂正は、時間の問題でしょう。
本日は、指標データから…PERの考え方を検証しました。大切なお金なので…自分で納得して投資をしないと駄目ですね。ただ株価の動きが良いから…とか言う理由では、大きなお金は投じることができません。自分が今の時代をどう考えるか?この事が一番大切なことです。それでは、また明日。
本日は有料レポートを、これから書きますので…最近は夕方にアップする事もありますが…時間は未定なので、明日にでも会員の方は読んでみて下さい。