紙芝居の始まり、始まり…

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先週の株式教室は、「いよいよデフレ脱却相場」との題目で原稿を書きました。国債金利の急反転する上昇を見て…の原稿でしたね。同時に、PBR1倍以下に放置される株価の原因を、日経新聞は資本コストを下回るからPBRが1倍割れになるとの解説でしたが…カタルはこの解釈が間違っていると思っていました。その為に三菱UFJのROEは8%を超えるのに、何故、PBR1倍以下なのか?…と原稿に書きました。国債相場の反転は1月29日が分岐点です。同時に三菱UFJの株価上昇の起点は1月30日です。見方によれば、1月16日とも言えますが…まぁ、どちらにしても1月下旬です。

ほぼ同じ頃、G20から生まれた自己資本比率規制の強化への対応が2年目を迎え、今年は昨年3月より早く、しかも調整は軽く済み、1月一杯で、ほぼ終了したようです。原油価格の反転も1月28日を起点にしています。要するに、オルタナティブ・ファンドなどの縮小の動きが、大きく影響したと思われます。原油の下げの起点は、米国金融の縮小の動きを反映したのでしょう。多くのファンドのポジション整理に目途がついたのが、その時期だという訳です。色んな理由を付けて解説されて来ましたが、所詮は、お金の流れの話しなのですね。

今週の月曜日に、昨年10月―12月期のGDP速報が発表されました。事前予想より悪かったのですが…相場は、邦銀株中心に堅調な動きに推移しました。この理由はGDPデフレーターの改善です。17年ぶりと言うより、実質的にバブル崩壊以来、初めて…名目成長率が実質成長率を上回りました。カタルは希望に燃え、歩合セールスの道に入りましたが、このデフレ環境の中で逆風が、吹き荒れる中で生活をしてきたわけです。IRNETと言うか…カタルがネットの世界で相場を語るようになったのは、1998年頃の話です。それから毎日原稿を書いたおかげで…自分の考えを整理する事が出来、時には間違った解釈も多く存在しましたが、それなりに成長してきたようです。

相場で多くの人は、儲けることが出来ません。それは仕組みを知らないからですね。市場経済の仕組みを知る為に、最もいい方法は勉強をして、経済研究所など…あるいは一流証券会社に就職する事でしょうが…至難の業ですね。ハードルは非常に高いのでしょう。カタルは地方の証券会社出身で、実務経験から失敗を繰り返し、いろいろ学んできました。でもネズミの迷路のような試行錯誤を繰り返すより、先人の教えを学んだ方が、どれ程、早い事か…しかし多くの本は、みんな嘘ですね。書いている本人が分かってないのです。その証拠に、儲けている人は、皆無に近いですね。仕組みで他人を騙して儲けた人は何人かいます。しかし勉強をして相場を当て続け、儲けた人は米国には存在しますが、日本ではいませんでした。

ようやく、カタルも入り口に到達したような心境です。GDPデフレーターが順調にプラス乖離するかどうか、まだ政策次第なので分かりませんが、ようやく、矛盾の修正が始まります。日本に於いて、ようやく資産効果を発揮できる環境が整ってきたようです。ダヴィンチの金子さんは正しかったのでしょうが、落とし穴に嵌りましたね。今でもおそらく地方の不動産利回りは10%を大きく超えていると思います。だから本来なら、金利裁定の動きが拡大し、不動産価格の上昇に繋がる筈です。昨年は北陸新幹線の影響で、金沢駅西口が上昇していましたね。本来は利回り裁定から言って、地方の高利回り不動産は価格が押し上げられ、投下資本利回りは下がります。金融機能が正常に働けば、安い金利でお金を調達して(国債金利の上昇)、不動産投資が活発になる訳です。(リート利回りの低下)

問題は、日本と言う国に、投資を受け入れる魅力があるかどうかです。この魅力とは、未来に対する「夢」ですね。日銀は物価目標を打ち出していますが…、資産効果を期待させることが出来るかどうか…なのですね。お金は儲かる所に、集まる訳です。原油価格を見ても分かりますが…お金と相場と言うか、市況は「鶏と卵の関係」ですね。相乗効果を発揮するのが期待インフレ率なのです。この期待インフレ率は、名目GDPと実質GDPの鞘で生まれるのですね。日本は長い失われた時代の経過があり、中国の文化大革命と同じ状況下にあるのです。その時にベルリンの壁が崩壊し、鄧小平は「富める者から先に豊かに成れ」と格差拡大を認めました。故に固定資本投資が起り、世界でも稀なスピードで高い成長率を維持できたのです。かなり噛み砕いて解説していますから、皆さんにも分かりますよね。固定資本形成とは、公共投資と考えても良いのですよ。道路や鉄道、港湾設備に電力や通信の整備など社会インフラ投資と置き換えても構いません。

今、先進国はユビキタス時代を迎え、クラウド環境の整備に躍起になっています。通信会社の4G投資も光ケーブルもその範疇です。スマートコミュニティーの源は、情報の利用なのですね。カタルは米国のナスダック市場の最高値更新に関心を持っているのも、理想買いから(ITバブル)、現実買いに変わる瞬間を意味しているからです。だからその前に日本は早く、信用創造機能を復権させないと、世界の成長に付いて行けないのです。ようやく名目数字が実質値を上回り、邦銀株の株価修正が始まったのですね。歴史的な転換位置に、今、我々は生活をしている訳です。確りと時代を見極めてくださいね。

おまちどうさま…いよいよ紙芝居の始まりと…述べましたが、この事を指します。確かにカタルの予測より、市況の上昇は緩やかです。不動産賃料を見ても明らかですね。最初、カタルは株屋らしく、直ぐに2007年の再来を読んでいました。だからケネディクスの収益も、直ぐに一株利益が100円台に入ると思っていましたが…でも、実際は緩やかなものですね。しかいようやく邦銀も、水準訂正をスタートさせましたからね。

かたるは何度も、銀行も証券も同じ事です。カタルはハイリスク派だからケネディクスを選択していると述べています。同じことなのです。株価の上昇スピードが、なかなか上がりませんが…時間の問題でしょう。多少もたついても…市場原理は変わりませんからね。資金力があるなら、大掛かりに仕掛けるチャンスなのですが…カタルにはその力はありませんからね。きっと、日本のこの変化に気付き、大手のヘッジファンドが関与してきますね。これはもう決まっている事なのです。問題はいつか?と言う話だけ。そう遠くない近い未来に起る現象でしょう。

株式投資で儲けられるかどうか…は、銘柄を当てることではないのです。この意味を何人の人が理解しているかどうか…。大きな勝負をするに相応しい銘柄とチャンスをどうやって活かすか…この活かすに掛かる訳です。多くの人は折角のチャンスを見逃すのですね。カタルが上京して26年になります。じっと辛抱した時間が26年間、毛沢東の文化大革命と似た現象ですね。非常に厳しい「厳寒の期間」があるから、春は一斉に華が開くのでしょうね。鄧小平が中国を躍進に導いたのは、周恩来の布石がありました。毛沢東から守り通したから、中国の現在があります。

まぁ、先の事は政策次第なので…何とも言えませんが、今は久しぶりに、晴れ晴れとした気分が続いている今日、この頃なのです。2月16日は、きっと記念すべき一日ですね。果たして日本株は38915円の奪還を、いつ達成できるのでしょう。この水準を達成したとしても、世界からみれば…周回遅れですからね。今週末の日経採用銘柄のPERは再び下落し、15倍台に下がりました。ROEは若干上昇しています。経営者の意識革命が続けば…日本は世界でも、類をみない高成長を再び取り戻せるのでしょう。その原動力は、やはり人材ですね。優秀な奴は本当に少ないですからね。それでは、また明日。



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