常にリストラをするROE経営へ

カタル自身、このデータの観方がよく分かりませんが、このサイトの読者数は、たぶん…現在は5800人程度の人から御覧頂いているようです。

2月のIRNETの閲覧状況

2月1日と2月2日は少し多く…7000人を超える人から見て頂いたようです。この時期は長年、述べている「野村証券」(8604)が業績発表を終えて…自社株買いを発表した時でしょう。ご存じのように…カタルの野村証券好きは、有名で…以前からのシナリオです。銀行、証券、不動産の3点セットです。

もともと「資産投資」が始まれば…「株」と「土地」は外せません。この両者の資産価格が上がると…可処分所得が増えますから、消費も刺激され…大型の耐久消費財の代表格の「車」なども良く売れます。普段から、もらう給料で…車を買える人は歩合外務員のような人間で日本には数は少ないでしょう。

カタルも昔、シーマを買うために…支払いを2か月に分けて、高級車を買いました。確か…800万円以上かな? 2か月分の給料だったように記憶しています。大塚家具で、家具を揃えたのも…その時期でした。家具は全部で500万円以上だったような記憶があります。基本的に「資産効果」があると…「消費」も盛り上がります。

昨日はS&P500と日経平均株価の比較をしました。今度は、逆に日経平均株価を主体にしてS&P500の動きと比較して…歴史を振り返ると…野村証券株が、何故、此処からも上がるのか? その原点が分かると思います。

メールを読んでいると700円台で野村証券を利食いした人は、カタルが普段から語っている「名目経済の要」である「資産効果」の意味を、全く理解してないのでしょう。別に「利食い」をするのは…良いのですよ。でも多くの方は、その会社の「本質的な価値」も知らず…今の「時代観」もないのです。だからトンチンカンのメールも良く…貰います。カタルが何故、日本政府の政策批判をしているか?

最高裁のブルドックソース、東京機械の判断を批判して…東京地検のゴーン逮捕や今回の安倍派閥の政治資金問題などの解釈を語っているか? 今の中国を観ると分かりますね。

皆さんの多くは、歴史を知らないのです。今朝もメールを開くと…と言うより、昼近いですが、多くのお礼メールがありました。カタルもメールを貰うと、書く「励み」になるし…別に批判メールでも、構わないのです。「お前の…この考え方は間違っている」と…理路整然と批判して頂ければ、カタルも勉強になります。

毎日、5000人以上の方が読まれていますから、中には大学教授の方も多く居られ…やはり株式投資ですから、年配の方で「社会的な成功者の方」が多いようです。数十億円の運用の方も居られます。

小手川君が、何故、株式投資から不動産の世界に移行したか? 株だけの世界は難しく…不動産投資の方が、分かりやすく…「大きな資金」を動かせます。20億円、30億円のビルなんか…「ちっぽけ」のものです。東京駅周辺のビルなら…1000億円以上のお金が必要です。でも株式投資では1000億円の金額の投資になると…運用が大変です。

日経平均株価とS&P500との比較チャート

この日経平均株価とS&P500の比較グラフの解説も必要です。日本がもっとも輝いた時期は1980年前後です。その当時、「日米貿易摩擦」が発生します。そうして…プラザ合意の選択になりましたが…この後からの政策が「間違い」だらけです。

問題にしている澄田元日銀総裁が実行した金融政策は「バブル」を発生させました。内需振興は良いのですが…銀行の不動産投資への過剰融資です。120%融資などが存在する…貸し出し競争を見逃したのです。仮需による資産高の「陶酔」です。

何故、カタルが「レーザーテック」(6920)の株価(PERは62倍)は、高過ぎるとして…批判を続けているか? 

最近の「さくらインターネット」(3778)などの株価(PERは132倍)も同様です。基本的に人気面で助けられて…形成されている株価です。業績の実態を評価したものではありません。PERが100倍を超えるような株価の多くは、「容認できない」株価水準です。余程…売り上げが伸び続け…高い売上高営業利益率を確保しないと駄目です。

同じことを1985年のプラザ合意の受け入れ以降、円高不況に対抗するために金利平価説を頼りに、金利をどんどん引き下げたのです。その為に仮需による過剰な不動産投資が生まれました。この時期に、日経新聞が「株の時価総額」と「地所」が持つ丸の内周辺の「土地の評価」(資産価格)を比較した…新聞紙記事を書きました。その為に三菱地所の株価は大きく上がります。その動きがプラザ合意からの日経平均株価上昇です。

1990年代前半は三重野日銀総裁の登場です。株などが下がっても…「実体経済には全く関係がない」と言い…肝心の不良債権処理をせずに…利上げだけを実行していきます。同時に地価を下げようと…政府は不動産取引の税金をどんどん上げます。資産価格の下落を主体にした政策を実行したために、銀行には大量の不良債権が発生しますが、その対策が、「後手、後手」になります。

ようやく…その整理がついたのが2003年の「みずほ」(8411)の株価が10万円を割れる場面です。ここからカタルの快進撃が始まります。僅か…4年ほどでしょう。

毎日、銀座通いです。だって一か月の給料が1000万円を超えるのです。顧客もウハウハです。3億円の預かり資産を40億円に増やすのです。ですが…世の中は、上手く行きません。リーマンショックの登場です。ここで金融庁はバブル期のトラウマに襲われ…日本はバブルでもないのに…過剰な「清貧思想」で、赤字法人への融資を禁止して…一時的に下げた資産価格を基準にして、「利払い」も怠ってないのに、強引に一番低い地価をもとに、銀行に不良債権処理として…ダヴィンチを「倒産」?(実際は存続)まで…追い込みます。この時に森ビルなんかも…倒産リストに入っており、その候補でした。ケネディクスも同じです。

その為に、折角、不良債権の後処理が終わり…ここからなのに、バブルに怯えたトラウマ政策により、株価は「二番底」を入れるのです。2010年の話です。日産自動車の大衆車、マーチのタイへの生産移転です。

でも2012年後半、安倍政権の誕生の前にアベノミクスの「先取り」が始まります。この2012年年末から2013年の春にかけて…名目時代相場への理想買いが展開されました。この時に野村証券の株価は223円から980円に4.39倍になるのです。「理想買い」だけの話です。

今回の株価上昇は、ようやく…本格的な「業績相場」になります。おそらく…野村証券の一株利益は、来年は100円を大きく超える事でしょう。

だからカタルは980円を超えるのは「一里塚」なのだと述べています。ここから長い間、「失われていた」資産投資の「名目成長時代」が本格的に始まります。物価も上がりますが…それ以上に、賃金も上がり続けるのです。

この資産高を伴った物価上昇が、唯一…日本の膨大な借金を帳消しにして…正常化に向かう良い政策です。インフレの高まりで1000兆円を超える借金は、5%程度の適度のインフレで、その価値はどんどん減って行きます。借金による投資なのです。名目時代ですから消費税は増え続けます。実質的な増税です。

もっと分かりやすい事例として…野村証券を使って、「野村証券株」を買うと…配当利回りは2.11%ですが、信用の金利は0.5%ですから、株価が上がらなくても、毎年1.5%の利ザヤが抜けます。1億円の投資なら…150万円に利益になります。10億円の野村証券株を買うためには3億円の現金が必要です。でもそれで毎年、1500万円の生活を出来るのです。

先日、読者からご紹介いただいた「GMOフィナンシャルホールディングス」(7177)の配当利回りは、なんと…6.1%です。1億円の投資なら毎年600万円です。野村証券の信用取引なら信用金利は0.5%でしょうから…5.6%の利ザヤが生まれ…560万円です。1億円分の株を買うためには3000万円のお金があると株を買えますから…560/3000=18.6%です。年率で18%の投資なんか…なかなかありません。

馬鹿でも分かる「利回り投資」になります。株価なんか…関係ありません。

問題は「GMOフィナンシャルホールディングス」の業績です。先日の「あおぞら銀行」(8306)のような「リスク」は、当然の事ですがあるのです。赤字から無配です。まぁどんな投資にもリスクはあります。

自分が、どのくらい「リスク」を承知しているか? 

野村証券の株価は、高値圏の「踊り場」です。この先行したケースがジェイドGのような高値圏のボックス相場であり…今の揉み合いも下値圏で株を買った人が「利食い」を完了させる時間です。大型株ほど多くの整理が必要になります。

ジェイドGの日足推移

その目安の一つが200日線との乖離です。昨年の5月の時にジェイドGの株価と200日線の乖離は68.3%ありました。しかし5月から今年2月までの時間経過の過程で、この乖離は18%に縮まりました。9か月間です。人間は、株価の上下より…時間に対する我慢が出来ません。時間で整理を強要されると…嫌になります。

お船のケースでも、分かりますね。あんな…チンタラ相場なんか。相場と言えるかどうか…でも時間を我慢できる奴が、勝者になります。

野村証券の日足推移

野村証券も1月の株価上昇は「ランキング」に入る程の株価上昇でした。だから当然の事ですが、利食い出来る人が大勢います。何処で…次のステージに入るか? そんな事は誰も分かりません。逆に買い需要が続かずに…株価が下がる場面も考えられます。調整が必要な乖離状態です。需給バランスの話です。

ここで赤丸の仕掛けのチャンスと書いた場面ですが、今のジェイドGが、この赤丸の場面です。野村証券の仕掛けの場面より、強いのが分かると思います。何故なら…前の高値1929円を超えて…揉み合っています。野村証券は、高値の下の場面での揉み合いです。

しかし…野村証券の「実態」評価は、この時間経過により、どんどん…良くなります。昨日の日経新聞の一面の報道です。生・損保の政策保有株の処分を、金融庁は強要しています。日本人は「親方、日の丸」です。国家が、その方向性(ROE経営)に走り出したのです。

この処分金額が6兆円を超えるのです。毎日売っても…大変な金額です。当然、日本では野村証券を使うケースが一番多いでしょう。処分と自社株買いで…6.5兆円の3%で…持ち合い株の解消なら相手もありますから2倍になります。つまりこの部分だけで…野村証券に3%分の2倍、6.5*0.03*2=3900億円の手数料が入ります。

野村証券には海外投資家の顧客も多く…売り玉を簡単に「仕切る」ことが出来ます。でも「場」に…100万株も売り物を晒すことは出来ません。持ち合い株の解消ですから…東京海上の株を持っている所から、株を売ってもらい…相手の株も、同時に売り…互いに「自社株買い」も増えるでしょう。

その多くの株式は「償却」される確率は高く…発行済み株式数は減りますから…自然に、一株利益は上がります。だから株価も自然に上がるのでしょう。

時代背景の変化とは…何か?

皆さんの発想は、あまりに貧困です。「信用買い残」が多いから、株価は上がらない? 

「BASE」(4477)の日足推移と信用残の推移

馬鹿としか思えませんね。BASEの信用買い残は、たった1150万株です。金額で39億円です。約10%です。現金が224億円もある会社です。何れ…自社株買いもあるかもしれません。何しろ…今期は黒字転換になりますからね。余分なお金は必要ないのです。

それに…金曜日の出来高は2134万株です。当然のことですが、たった1150万程度は、直ぐに…相場で吸収できます。もう相場の時間が来ています。

肝心な事は、会社の持っている資質です。業績内容などを観ただけで株価の基準値が容易に判断できないと駄目ですね。その自分の「頭で考える株価」と「市場の株価」とのギャップを埋める作業が「株式投資」です。

最後に「住友化学」への批判です。何故、黒字の時に、利益率の低い分野から撤退をして利益率の高い部署に力を入れないのでしょう。良い時も、常にリストラをして…売上高営業利益率の高い「強靭な体質」を目指す…のが経営です。

黒字だから…「ほったらかし」で、良いわけではありません。業界で2番、3番ならトップに立てないなら、撤退も視野に入れるべきです。まして…4位、5位なんか持っている意味がありません。しかし…「利益率」が高いなら別ですよ。でも10%以下の利益なんか…意味がありません。総資産経営をすべきではないのです。

常に高い利益の分野を追うのが「ROE経営」です。この事例を紹介して、本日のレポートを終えます。また…明日。



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