ヤフー配信の毎日新聞のニュースに、東芝の不正会計に関する追加の関連記事が載っています。まだ減損処理が足りないと言うものです。本来、上場企業は業績に対する大きな変動は、適時、つまり、なるべく早く投資家に向け、その内容を発信する義務を負っています。ウェスチングハウスの巨額損失は、その基準を超えており、発生と同時に発表すべきでした。しかし東芝は何故か…発表しませんでした。何も子会社への不正会計処理だけでなく、情報開示の根本的な姿勢に問題があったのでしょう。この毎日新聞のニュースは、東証の管理態度にも踏み込んでおり、何も、カタルだけが…村論理に疑問を呈している訳ではありません。しかし最高裁と同じような緩慢な態度ですが…東証も6月に株式持ち合いに対する情報開示を求めている様で…日本も徐々にグローバル化への歩みをしているようです。
この辺りは…多くのアナリストが、疑問に感じる処だと思います。企業会計を勉強すると、実に恣意的な処理に溢れています。つまり大企業ほどその引き出しが多く…いろんな会計処理が出来るのですね。時価会計とは言うものの…引き出しの中には含み利益を蓄積したり…含み損失を隠したり出来るのですね。カタルは「1300兆円の逆襲」と言う根本問題を、色んな視点で解説しています。もともと企業が持つ土地などが簿価より下がり、損失計上を迫られました。株式は目に見える形で明らかになりますが…土地は相対売買で公開市場がある訳ではないので、その処理はいい加減ですが…それでもある程度、公認会計士は減損会計を求めてきました。シャープの苦境も工場の稼働率問題ですね。定率的(定額処理)な減価償却は、充分な利益が確保される前提で認められています。その前提が崩れると…資産価値を失います。その為に、喩え3000円億円かけて工場を作っても…稼働状況が低いと…毎年の設備投資の減価償却ではなく、一括処理を求まられ、損失が膨らみます。東芝のケースも、シャープのケースも同じです。
カタルが好きだった…ダヴィンチの金子さん、彼の会社はケネディクスを上回るスピードで、積極的に借り入れにより、不動産投資をしてきました。しかし「運」がなく、リーマンショックに遭遇し為、一時的な下落でも、銀行団は金融庁の指導により、債権処理を迫られました。その為にダヴィンチは市場から消えました。TOCのMBOに対し、異議を唱え、逆TOBを掛ける器の経営者が、市場から消えたのです。しかし同様の運営をしていたケネディクスは…残ったわけです。この差は何処にあるのでしょう? 経営手法は…同じなのですね。カタルは国策逮捕と同様の倫理観が、金融庁内部で働き、金子さんはライブドアの堀江さん同様に、日本村論理から排除されたのだろうと考えています。
何故なら…ダヴィンチが借りた、借金は返せるのです。収益還元法価格で計算された投資手法ですから…一時的な不動産価格の下落であり…戻る可能性が高かったのです。丁度、暴落する株式市場の追証のようなものですね。今回もカタルは600万を大きく超える含み損失がありましたが、今はプラス転換しています。それと同じですね。収益還元法価格による不動産価値は、ある意味で絶対なのです。ただし政策が重要です。デフレ政策を長く維持されると、最後は賃料も下がりアウトになります。でもインフレ社会なら…絶対確実に儲かる経済マジックですね。森ビルの創設者、森泰吉郎が米屋の倅として生まれ、成功したように…多くの資産形成が可能です。証券マンをしていれば…金持ちの多くが、この不動産投資で、財を成したことが分かります。株と土地は市場経済下では「打ち出の小槌」なのです。
カタルレポートを長く読んでもらえれば…カタルは、自分が実践して得た色んな経験を書いていますから、自分で経験せずに、会得する事が出来ます。野村証券のセールスに負けた競争の舞台裏など…書かれていますね。彼らは儲かるCBや…今なら新規公開株などをお土産にして…投資信託を売りまくります。正統なセールスでは、カタルに軍配が上がりますが…買う方も、確実に目先儲かる方の投資信託を買うのは道理ですね。カタルはCBを100万円なのに…彼らは1000万単位で、場合によれば、億単位をばら撒きセールスをするわけです。敵う訳がない。それでもカタルはノルマ以上に、実績を上げてきました。だから天狗になり、歩合セールスで成功できると上京したのですが…トホホの世界です。
実績を向上させるために…証券アナリスト試験を受け、資格を獲得したり…色んなことをしましたが、長い「失われた時代」には、勝てませんでした。何故、こんなバカな事が起こるのか? 土曜も日曜もなく、毎日営業活動をして、夜はレポートを書き、セールスレターを出して血のにじむ思いの努力をして、折角、顧客開拓しても…株を買わせた途端に値下がりが、続く日々だったのです。10年程度なら、我慢もききますが…呆れる政策運営ですね。故に、1300兆円の逆襲は、欠かせない日本経済復活のレシピなのです。
ダヴィンチは、間違った政策で消えたのです。サラ金構造と似ています。ケネディクスも同様の減損処理を求められました。だから倒産価格の100円以下まで売られたのです。でも今度は、その減損処理分が、利益に変わりますね。ケネディクスの2008年から2013年までの最終損失の合計は377億円ですね。つまり…この合計損失が、含み利益として…温存されています。更に2014年にも、今期もレガシーアセットを償却処理しています。かなり利益が温存されています。
これに加え…今度は政策転換の恩恵をこれから受けます。残念ながら、黒田さんの就任当初の意気込みは薄れています。故に、カタルの予測が外れているとも言えます。この辺りの判断は難しいですね。円安の物価高の中には…長年の失われた時代下の合理化努力分が、値上げに転嫁、上乗せされ…その分、大きく食料品などの物価の上昇幅が大きくなりました。食品株の高騰は、このような背景も、プラスオンされているのでしょう。正常化に向かっています。社会に「ユトリ」が戻り始めています。カタルは、何度も名目成長率が実質成長より、高くなる「ゲタ」の話をしています。この差が大きければ大きいほど、景気はスピード感を持って…良くなります。
簡単な話、中国経済が、とやかく言われていますが、GDPの成長率は少なく見積もっても6%程度でしょう。しかし貸出金利は3%台の前半です。つまり、この差が利益になり経済に活力を与えますね。これが経済成長です。鞘があるから投資をするし、人件費も高騰を続けます。日本はどうでしょう? 選挙に足を運ぶ高齢者の年金生活者にとって、物価高は直接的に選挙結果に繋がるので、食料品の値上げを見て…途端に黒田さんの腰が引けましたね。彼は、財政健全化論者ですね。まぁ、日銀が国債を大量に買っているから、当たり前ですが…本来は、そんな事を無視して、確実にインフレを軌道に乗せないとなりません。少し中途半端なイメージです。
それでも、この規模でも経済は拡大しているので、冷酒のように…日本経済は上向いています。その様子の一つが、オフィスビルの賃貸料推移です。いよいよ空室率が5%を切り始め、いよいよ賃貸料が上昇するのが…来年になりますね。商業リートは、利回り計算されますから…賃貸料が1割アップすると利回りは上がるので、買いが入り適正金利と見合い形で推移します。
つまり商業リートの価格は、上昇し始めます。その過程でケネディクスは増資を繰り返し、AUMが増大化されます。当然ですが…最終の引き受け手であるリートなどには、同じ不動産でもボロが回され、優良資産はケネディクス本体、更には私募リートに温存されますね。こんな事は、常識です。株屋の投資信託と同じ仕組みです。論理的には、いよいよケネディクスの業績が急改善しますから、誰が見ても明らかになってきます。ただし経営者の意向次第ですが…、自社株買いをしたことから見て、来期の予想も既に確定ですね。
問題は需給バランスですが…此処からのボックスが拾い場になると思われ、大口のファンドの参加が、予想されます。もともとケネディクスは、米国資本系列の会社でしたから、その伝手は多いと思われます。株と言うのは、仕掛け人が存在して…始めて相場になるのです。高橋カーテンウォールのように、企業業績だけが大きく改善しても、仕掛け人が関与しないと、なかなか良くても相場になりません。
何故、カタルが、クラウドワークスに狙いを定めたか?企業業績の改善は当たり前ですが…その他のプラスαがあるからですね。東京には新興財閥のグループが存在します。村上ファンドは自分達だけで、株価を上げた訳ではありません。色んな絡みがあるのです。こんな事は常識の範疇です。恣意的な決算と相場の感覚は、奥の深い読み合いがものを言う世界です。それでは…また明日。
そうだ…忘れていました。米国株価の動向は、此処からが勝負です。おそらく…カタルは12月に利上げが確定してから、株価は新高値を更新すると考えています。今は、個人や信託の日本株売りを、外人と自己が買っています。いつも馬鹿が高値を掴まされる構図ですから…おそらく来年早々に、バラ色相場の場面が用意されていると思います。何故なら…大きく株が崩れても仕方がない局面のパリテロやトルコのロシア機攻撃でも、株価は意外に確りしています。所詮、黒子の存在が、相場をリードするのでしょう。SP500の行方は、一段と注目されますね。