昨日はFRBが金融政策の基準の一つにしている雇用問題、中でも最近話題になっている「雇用の質」である時間給をみました。時間で24ドル57セント、この僅か5セントで問題とされていましたが、日本のアルバイトの基準は、時間給で1000円程度でしょうか? 深夜勤務になると1100円から1200程度に上がりそうですが…その程度ですね。一方、金融知識というスキルのある時間給はおそらく1700円から1800円程度と考えられます。それにしても…米国と、ずいぶんと差が開いたものです。24ドルって、120円とすると、2880円で…3000円手前ですからね。
この差は日本生産性本部が発表している労働生産性にも表れています。日本は2013年の労働生産性は73270ドルだそうで…米国は115613ドルだったそうです。実に米国の63.3%しかないのだそうですね。そんなに日本人と米国人の生産性が違うのでしょうか? 同じ人間が働いて、無駄な時間を使っている日本村社会と言うのは統計上の数字ですが…いろんな点で反省せねばなりません。OECD加盟34か国中で22位なのですね。因みにフランスやイタリアは94656ドル、91540ドルです。辛うじて韓国の66393ドルを上回っていますが…きっと何か、社会に問題を抱えているのでしょう。深刻なのは…名目労働生産性の推移が、ずっと横這い以下なのです。
この二つのグラフを観ると、実質労働生産性の上昇率は極端な金融危機の2008年を除き、そこそこプラス圏で推移していますが…カタルがいつも述べていた「名目GDP」の水準が如何に大切か…分かるかと思います。デフレ下における政策運営は、様々な弊害を生みます。米国との差は広がる一方ですね。この労働生産性とは…基本的に名目GDPが伸びないと…上がりません。日本での生産による競争力が高くないと駄目なのですね。先日、パナソニックの国内生産回帰を伝えましたが、一方、デジカメ部門は、国内から撤退し中国に集約するそうですね。でも基本的にアベノミクスの信認度は回復しており、経済界は、日本回帰の動きにあります。電力料金問題など…原発廃止も結構ですが、非常に重要な要素なのです。菅直人の頭の構造を観てみたいものです。
今の政策運営により、未来の結果が生まれます。異次元緩和でも、充分にデフレ脱却と考えていましたが、消費税の引上げで打ち消されていましたからね。今度のハローウィン緩和で、日本優位の概念が…世界で誕生するかどうか…。難しい場面なのですね。本日の日経新聞トップには、海外からの不動産投資を掲げていましたが…まだ勢いは弱いですね。今の政策運営が、未来の日本を決めるのです。ようやく国家予算の赤字額は半分程度まで縮小すると言いますが、まだまだ、プライマリーバランスを考えると足りませんね。4月から保険料金の引き上げも始まりますが…介護報酬の2.27%ダウンは、必要な所にも資金を削る政策です。これは介護業界の利益率が上がってきたので、報酬を見直すものです。
カタルが介護の「ツクイ」に対し、利食い支持を打ち出した背景は此処にあります。でも余り株価は下がっていませんが…。800円台で買い推奨し1000円で売り支持と、成果は、今ひとつでした。特養の空き待ちの待機者は52万人とも…。昨年、報道がありました。この為にケネディクスは、介護リートの運営を開始している訳ですが…東京の場合は地価が高く、運営が難しいですからね。でもこれからも拡大して行く予算を削る訳です。このような状況を考えて行くと…黒田さんの金融政策は対応が、まだ鈍い…と批判する人が居るわけです。
しかしどちらかと言えば、現在は、金融政策で、このような矛盾は解決しないと…日銀批判が渦巻いています。でも、そんな事はありませんね。もっと、がんがんリフレ政策を採用すればいいのです。インフレと言うと語弊を生みますからね。だからリフレと言葉を濁すわけですね。国家予算の赤字幅が縮小したのは、異次元緩和のおかげです。この影響ですよ。基本的にデフレ下で、財政を健全化させられる道理がありません。労働生産性もそうですよ。経営者は、様々、指標を観ていますからね。人間は実質の世界で生きている訳ではなく、名目上の世界で生きているのですね。「感情」で動く動物です。自殺率が高いのは、世の中に「希望」が生まれないからです。だから技術の伝承も、なかなかスムーズに進まないのですね。
今日は公益財団法人、日本生産性本部の資料から、流動性の罠からの脱出が、如何に重要か…学んだと思います。昨日の米国の時給水準からも…日本の問題点を、みた訳ですね。日本経済の問題点は、「NAV倍率1.6で、リートは割高だ」という新聞記事が躍ることに、問題があるのです。毎年、地価が10%上昇すれば…こんな割高感は、直ぐに消えますね。事実、バブル期は、地価の未来の値上がりを見込んで、銀行は地価の120%貸し付けが、一般化していたのです。分かりますかね。バブルが、何故、悪なのか? 誰も教えてくれませんね。バブルは、文化の大きな発展に繋がります。確かに行き過ぎると反動が来ます。しかし今の様に、清貧思想が蔓延し、日銀が積極的な物価目標を打ち出し、リフレ政策を実施しているのに…、日銀は間違っていると言う論評が、まかり通る不思議さこそ、異常ですね。
カタルは、「日銀は絶対に負けない」と述べています。だから、必ず「流動性の罠」から抜け出し、デフレ脱却が実現します。失われ時代で失った、国民の尊い財産である土地評価額、「1300兆円の逆襲」が、必ず、市場のテーマとして浮上するでしょう。昨日は、岡三の小川さんの話を挙げました。読者からのメールによると…、日興SMBCの吉野さんは、2015年の注目銘柄としてケネディクスを推奨しており、彼はテクニカルアナリストなので、チャート面から、第一目標が1010円から1180円、あるいは1620円処と株価分析をしているようです。段々、ケネディクスへの評価が一般化してきましたね。フィスコなどもレポートを出しており、ケネディクスも、そろそろ表舞台に立つのでしょう。
基本は「デフレ脱却」なのですね。その為に政策を実施し、その政策を受けて市場が動くのです。日銀が国債をガンガン買うから、市場から国債が消え、地銀などは国債を売った資金で、利回り採算に合う不動産ファンドを購入するわけです。この資金流入が市場を支え、不動産価値を押し上げます。この不動産の上昇を観て、また新規の資金が流入する好循環が生まれるのですよ。
カタルは中国で起きた毛沢東の「文化大革命」から、鄧小平の「改革開放路線」をイメージしているのは「文化大革命」と「失われた時代」が並ぶのですね。今度は鄧小平の「先に豊かになれる者から、豊かなれ」と言う改革開放路線が、これから起きる日銀による金融政策で、流動性の罠から抜け出し、デフレ脱却に繋がるのです。今年は、良い相場になります。今の小さなギリシャ問題からのブレは、あまり気にする必要はないでしょう。問題は米国の流動性問題ですが…。米国は市場原理の国ですから、市場の動揺を抑え込みます。日本の様に、「株や土地が下がっても経済に関係ない」だとの…馬鹿発言をするようなアホは、指揮官に居ません。偽物文化の日本にも、もっと正しい実力者が育ってほしいものです。
日経平均株価38915円の最高高値更新に向け、ROE経営は、欠く事の出来ないテーマです。昨日はISSのROE基準を述べました。企業の現預金残233兆円、当座預金残の170兆円と共に…、ムードさえ変われば、一気に、資金が循環し出す準備は整っています。あとは…気持ちの問題だけなのです。市場はその象徴的な「スター株」誕生へ向かうと思っています。ケネディクス。