本日はあまり馴染みのない「ラッセル2000」と言う指標のチャートを示します。この指数は、一般的に「米国の小型株」を集めた指標だと解説されています。最近のナスダックも大型株化され…本来はハイテク株で、小型株から出発をしたアップルやアマゾンなども非常に大きな企業になりました。だから…時代が変化し、小型の指標から外すべきでしょう。
低金利の恩恵は、財務体質が劣化した小型の企業が一番、影響を受けやすい筈ですが…このラッセル2000のチャートを観ると「奇妙な事」に気づきませんか?
金利高の影響を受ける筈の小型株指数は、ナスダックよりもS&P500よりも強く見えるのは、何故なのでしょう。そもそも…今回のインフレの引き金は、コロナ禍からの物流システムの混乱やロシアのウクライナ侵攻からの制裁など…複合的な要因に発生したインフレです。インフレにも、色んな「性格」を持つインフレがあるのでしょう。
実態景気によるジワジワ…と広がる人件費の上昇や住宅費、米国の家賃は高く、日本の20万円前後のイメージが50万円程度なのでしょう。日本は「失われた時代」において…「進化」を止めました。
カタルはインフレと言うか…。適度の物価上昇や資産価値の上昇は「名目経済」に欠かせないもので、人間が生きる「術」である「モチベーション」を高める「効果」があると思っています。ところが経済学者様は、盛んに…実質経済の話をします。
つまり…名目経済の数字から、物価の動向を加味した「本当の数字」と言えば…聴こえは良いですが、日本の場合は、特殊要因の村社会だったのです。この辺りの考察が出来てないのです。村社会の維持のために…日本独自の高い製品価格だったのです。だから、この価格が崩壊してグローバル価格になる過程で、物価が下がりますから、名目上の成長が停滞しても実質数字は良かったのです。官僚が使うマジックです。
カタルが現役の頃、為替は、どんどん…円高に振れて行きます。丁度…為替水準が1ドル170円の頃、法人部に異動になり「仕組債」を販売しました。高金利なのですが…ノックイン条項が付帯しており、130円だったかな? それを割れると元本が毀損する仕組みの債券です。
かなり円高が続き…既に良い水準なので…この170円当時に、まさか…130円を割れるとは、誰も考えていません。だから自信を持って販売していましたが、まさかのノックインになり…元本が割れたのです。その法人は「元本保証」しか…買わない堅い運用規制があったので…担当者とその損失の挽回を画策した苦い思い出があります。
後になって…気づくのです。このプラザ合意の時期に日本は国家戦略を間違えています。そうしてグローバル化を迎え…「失われた時代」になります。この「失われた時代」の本当の意味は…何か?
日本のグローバル化への「移行期間」なのです。カタルの年代は洋服の価格が高かったのです。百貨店で売っているブランド品価格は、国際価格と大きな差がありました。このギャップの修正を先導したのが「ユニクロ」です。ようやく…日本もダイソーのような100円ショップの店も出来て、標準品は国際価格になりました。だから円安に移行しているとも言えます。
カタルの現役時代は村社会論を維持するために、全ての商品が割高になっており、安い海外品の参入を関税などの保護政策で拒否してきました。代表事例は、コメの価格を観ると分かります。でもこの関税を維持してきて…農家は栄えましたか? どんどん…高齢化して、今の日本の農業従事者の平均年齢は67.9歳だそうです。そうして農業と言う産業は衰退を続け…農業の従事者は減り続けて今は122万人です。
カタルが何故、村社会論を否定しているか?
チーズなどの酪農品の関税は、徐々に引き下げられることになっていますが、あほらしい規制など…みんな撤廃をして、「自由競争を促進」させればいいのです。「切磋琢磨」して…農業分野の門戸を開放しなくてはなりません。一部の既得権力者を保護しても…国家と言う長い展望を描けません。
この失われた時代は…洋服の縫製を東北地方の女性達に「働く場所を提供する」ために、この人たちの雇用を守るために、みんなで高い洋服を買っていました。オンワード樫山など…日本のブランドは負けました。
でもユニクロは中国で…そうして米国へ、まだ世界制覇に届きませんが…世界に出ています。競争を敵視して…働かない、変わらない仕組みを守ろうとして抵抗した期間が「失われた時代」です。ここにきて円安で負けていますが…正々堂々と国内回帰して、国際競争に勝つ仕組みを構築すれば良いのです。
トヨタを批判しているのは、物事の発想の原点が、間違っていると考えています。
章夫社長は「300万台の生産体制を維持」することが、日本の雇用を守るとして…エンジン部分を残そうと画策を続けてきました。この分野が秀ている為です。でもエンジンは消え、モーターに変わりました。日本電産の永守さんは叩かれていますが、この分野を取り込もうとして必死です。きっと…日本電産は復活するでしょう。
さて米国の話題は大きく揺れていますが…カタルが「新常態」まで、この時期に語っている理由には訳があります。まだ早いから詳しく語りませんが、市場で流されているニュースには、「嘘」と言うか…間違った解釈が、非常に多いと思います。この程度のインフレ圧力からの金利高で、大きく景気が悪化するとは、もともと…考えていません。だから来年は大きく変わるでしょう。参考資料をいくつか提示しておきましょう。
まずは代表的な金利高論者のサマーズの意見が此方です。この意見が一般的なら、既に米国金利は高値を抜かなくてはなりません。ですが…なかなか3.48%の壁を越えられずに…モタモタしています。
この報道を利用して…株は、まだまだ「安くなるぞ」…と叩きを入れているレポートの代表が、こんなものでしょう。ただ…ホンマかいな?…と、この主張に反論をしているレポートが此方です。これを読めば…やはりガソリン価格の下落は大きいのです。
既に一番の「要である消費者」の判断が変わっています。そうして…カタルは景気問題に市場の焦点が移っているという主張が、このレポートです。
冒頭に掲げたラッセル2000の株価を観ても分かりますが…FOMCを境にして、下に叩けるほどの「下落圧力」が市場にあるのでしょうか? メルカリは兎も角…BASEの高値は2020年の10月でもロコンドも9月です。もう2年間も下げ続けたのですよ。
実際に昨日の米国株も全体は下げていますが…カタルがチャートを掲載したネットフリックスの株価は高かったですね。「逆行高」です。=市場全体の動きに逆らって株価は上がっています。
このように…市場全体のニュースや指標を観て、更に個別株の動向を観て…「相場観」は構築されて行きます。
Jトラストの620円に、僅か…5万株程度の買い指値を入れたら、株価の下落は止まりました。たぶん「仕掛け筋の打診」でしょう。少し上を買えば…経験の乏しい「烏合の衆」はワイワイ・ガヤガヤ…と騒ぎます。何も、分かっていません。
何故、カタルが今年5月の300円割れで「Jトラスト」を買い始めたか?
このチャートと信用買い残の意味を考えれば、「仕掛け筋の意図」がきっと見えるのでしょう。個別株の動向も…相場全体の行方も…時代考察が、如何に正しく把握できるかどうか…ここに掛かっているのでしょう。まぁ、ノンビリやしましょう。
そんな訳で…雑感を述べました。これから会員向けのレポートを書きます。会員の方は書き出しが早いから、たぶん…夜半にはアップできると思っています。明日には原稿があがっていますから、お読みください。