カテゴリー:株式教室

ブルウィップ効果

カタルレポートを読むと、「難解だ」との意見もあるし…「丁度いい」と言う意見もあります。読者層の「どのレベル」に合わせて原稿を書くか? 仕方がないから…自分の関心のある的に絞って、自分の相場観を纏めるための「試行錯誤」の模様を…このレポートに盛り込んでいます。

実は最近は相場の解釈に「戸惑って」います。これまではインフレ率の話、つまり物価が市場の焦点になって動いていると思っていましたが…昨日の市場の反応は、不可解でした。小売の消費動向が落ち込まないから、つまり…市場予測より消費が強かったので株価が上がったとされています。それなら…物価動向が政策課題になっていますから、金利の上昇幅が0.75%ではなく…パウエルの事だから1%の引き上げの「馬鹿な行動になる」可能性がある筈です。だから…株価が上昇するのを…カタルは、どう理解したら良いのでしょう。

カタルは、もともとパウエルは当初から間違っており、サマーズの元財務長官のインフレ認識に同調していました。その為に、イエレンやパウエルの行動が不可解で…FRBと市場の認識はズレていると考えていました。だから…昨年暮れに、FRBが「自らの過失を認め」…テーパリングを採用したので、これで市場との誤解が「消える」と思っていました。

故に、強気になった途端に…インフレ圧力が過大に受け止められ相場が反応しているような印象を受けていました。それが…この半年余りの認識です。

もともとインフレは「進化の証し」と述べているように…「適度」のインフレなら望ましいのです。この匙加減です。仮に進化を早めても…良いのですよ。GDPの成長率が3%程度のものではなく…15%でも良いのです。可能なら…。

だから「潜在成長率」の話が登場し…マイクロソフトから始まった時代の進化は、アップルやアマゾンの時代で加速してきました。この新時代を切り拓く企業の成長速度は速く…どんどん…昔の感覚は、陳腐化してきました。あまりの成功で…SPAC(特別買収目的会社)は、仮想通貨と同じで…「やり過ぎだ」と述べていました。これが、やはり…バブルの兆候で、相場はこの1年以上…実際は昨年末から下げが加速して崩れています。

でも潜在成長率を評価するのは、正しいと認識だと考えています。故に、皆さんが見捨てたBASEに関心を示したのは、今年に入ってからです。メルカリもそうです。両社とも売り上げの伸び率は「素晴らしい」企業です。インフレの認識が遅れたためにFRBは過剰な行動を取っているという認識です。金利を上げることを咎めているのではなく…引き上げのスピードが「速すぎる」のではないか…とカタルは危惧しているのです。

その戸惑いの様子がARKKのファンドなどに出ています。相場の出発点まで売られています。まぁ、コロナで抑圧された消費願望が解き放され…リベンジ消費になりました。企業はコロナだから、消費は停滞すると考えて…「減産体制」を敷いていました。

自動車なんか…その代表事例です。

ここに半導体の工場火災など…色んな現象が重なり…汎用品と言われていた自動車向けの半導体が「目詰まり」を起こします。もともと自動車向けは、一旦、採用が決まると安定的に、大量の半導体が捌けますから…単価が叩かれています。故に半導体メーカーは、適正な設備投資も出来ない程…徹底的に価格が叩かれています。

トヨタのルネサス「虐め」は、酷いものです。カタルは長く…ルネサスエレクを観察していました。もともと世界一の供給者でしたが…価格が叩かれていた為に、成長投資も出来ないのです。故になかなか収益が生まれません。

デフレ社会の強要は、トヨタのようなメーカーが部品会社を叩いて積み上げた…メーカーの利益なのです。毎年、毎年…恒例となっている部品価格の単価「引き下げ」圧力は、凄まじいものです。1次下請けは、2次に…単価引き下げを強要します。その下の3次になる下町の工場は大変ですよ。1円以下の単価引き下げです。一山「纏めて」いくら?という料金を、更に叩くのです。この「みんなで貧乏をする」村社会の強要の結果、トヨタの利益が成り立っています。

今回は、初めて…この力関係が逆転しました。下請けの部品会社がメーカーに意見を言えるのです。日本製鉄の橋本社長は、ようやく…一息ついたとも言えます。しかし「脱炭素化競争」は熾烈です。ルネサスエレクも利益を求め、初めて…メーカーからユトリある資金を得たので「買収攻勢」に出たとも言えます。適正利益の感覚を、メーカーが初めて容認したとも言えるのです。

失われた時代は…皆、必死だったのです。だから末端の新入社員まで叩く構図が電通の不幸な事件です。社会が悲鳴をあげていたのです。

時代が変わる為には…その時期に、色んな事件が「切っ掛け」になり、新たな行動が生まれます。新しい「息吹」です。日本は、既に…名目経済に舵を切ったのです。ですが…あまりに清貧思想が強すぎて…色んな「軋轢」が生まれます。森・加計問題など…その代表事例です。その戦いの最先端が、地検の黒川人事問題です。最後はメディアの裏切りです。「メディア人」の資質が分かります。腐っています。

自分達の恥部である電通で、発生した事件ですよ。フジテレビも、どの局もそうですが…ネットにパイが奪われ…自身の行動改革も、自らが決められない…出来ないのです。最近、カタルはテレビを、ほとんど…見なくなっています。アマゾンのプライムビデオを利用しています。プライム会員は無料です。楽天との違いは明らかです。昨日、観た「ネクスト・ドリーム/ふたりで叶える夢」はなかなか…いい作品でした。これは音楽界の物語です。

あるいは…「幸せは、ここにある」これはコメディ界のレジェンドが病気で記憶をなくしていく…過程を描いた作品です。良いコメントが書けませんが…両方とも、なかなかの映画でしょう。カタルがマズマズ…の評価を下した作品です。

もう一つ…社会問題を描いた「スペシャルズ! ~政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話~」という作品も、村社会を考えているカタルには…同じような課題が、どの国にも存在するんだなぁ~と考えさせられました。この作品を観ると…日本の矛盾をどう解決するか? 雇用問題が絡むから複雑です。

米国では港湾労働者が、現在「労働交渉」をしている最中です。自動化の推進を受け入れない労働者は、進化を拒む訳です。日本の建設業界と同じです。雇用を確保するために…硬直化した「予算」の改革が必要ですが…日本の労働市場は、なかなか対応できないというか…。日本人、自らが…改革を拒否します。パイオニアの指名解雇から、33年間も…「失われた時代」を相場が演じているのは、我々の「心の問題だ」というのが、分かります。

カタルはサラリーマンから、歩合給のセールスへ…そうして、今はレポート屋をやっています。株式投資と言うグランドですが…手法を変えています。3つの時代です。でもなかなか…このような変身をしているのは、珍しいのかもしれません。

多くの人は「自分の殻」を破ることは、出来ません。投資のスタイルも様々ですが…やりかたは色々あります。失敗している人は、自分を「自ら変えないと」駄目なのですが…なかなか自己否定は出来ないものです。固執しますからね。

話がドンドン飛んでいますが…最近の市場の動向は、インフレから「景気問題」に話が転換し始めた可能性があります。カタルが心配をしているのが「ブルウィップ効果」の話です。此方が良いでしょう。デンソーが1年分もの在庫投資に動いた話を紹介しました。此方の記事が良いかな?

半導体産業は、ただでさえロシアのウクライナ侵攻から、一気に「安全保障」問題になっています。これまでは効率が重視され…ジャストインタイム生産であるトヨタのかんばん方式は有名です。故に一次下請けと共に、海外進出をして…2次くらいまで影響が及びます。在庫を持たないことが、「効率」を高めたのですが…中国のゼロコロナ政策は「販売機会」の損失を産み…この痛みの為に過剰な負担が発生していることを危惧しています。

「ブルウィップ効果」の意味を、よく理解できないと…何故、カタルが「レーザーテック」の「空売り」の支持に動いているか? この理由が分かりません。もともと3万円の時から言っている話ですが…「BASE」の高値の時も…同等の批判をしていました。でも今は違いますよ。

この懸念を、市場は「先取り」しているから…小売売上が予想以上だったから、カタルのFRBによる過剰な「スピード違反」説が覆った。だから…市場は好感したと考えると、昨日のNY市場の上げは、正当化できます。分かるかなぁ~。? 同じ現象なのですが…解釈の仕方の違いで、市場の不可解な現象とも言えますし…カタルの先取りした懸念が、過剰な警戒とも言えます。

一つの現象が、市場に及ぼす解釈の違いで…「未来の相場観」が変わるのです。

たぶん…皆さんにはカタルの心の変化を読むのは、難しいと思うのですが…カタルは常に「市場の整合性」の解釈が、利益を生む源だと思っています。未来図と市場のギャップの修正が「株式投資」です。このギャップを埋める「影の黒子」の存在になりたいと思っています。

今の市場は、非常に割安です。

お金が過剰な警戒心の高まりで…正常に動かないのです。「金利裁定」概念も、なかなか通用しない株価は、やはり異常なのです。だから正常な経済になる為に「成功体験」がものを言うのです。最初は、小さな体験で良いのです。その積み重ねが、やがて…「大胆な行動」になり社会の「ウネリ」に変わります。

時代の変革は、なかなか…進みません。特に日本人は、変化を拒みます。やる前から否定的なのです。現状維持を好むのです。だから「失われた時代」になり…「互いに貧乏をする」清貧思想が蔓延をしました。

これは本当の話ですよ。証券マンの会社の机の引き出しの中に1円玉一つ入っていただけで…首になる可能性があるのです。会社は社員も信じられず…電話の盗聴は当たり前の世の中です。こんな狂った世界を、みんなが望んでいるのかどうか…。自分が携帯電話会社に行ってみると分かります。最近は改善されつつあるようですが…過剰に本人確認を求められます。銀行預金は、自分の預金も降ろせないような仕組みに変化しています。

詐欺のような卑劣な犯罪が増えています。社会が荒廃しています。株価が正しい「政策を判断する」という考え方が、カタルの「市場原理主義」です。27270円を割れている今は、その岐路です。岸田さんの政策運営が正しいなら…株価は3万円を早晩に回復して…来年は新高値の38915円の奪回です。参議院選挙が終わり…政策動向に注目が集まっています。また明日。



amazon.co.jp 全品に拡大 無料配送キャンペーン実施中!詳細はこちらをクリック。
2024年11月
« 10月    
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
株式投資関連の本