アーカイブ:2015年7月

総資産経営

週明けからの動向は、面白いですね。少しは霧が晴れるかも…とも思っていますが、6月にポジションを減らして以降、相場の行方をサッパリ理解できずに、基本は相変わらず、戸惑っています。循環物色相場…と言うイメージですね。建設株も、きっと大きく伸びないのでしょう。ソニーとトヨタの増資は、あまり褒められた内容では、ありませんね。ソニーは失った資本(損失)の補てんに見えるし、トヨタの自社株買いは、今回の増資により打消しで…、市場経済の基本概念を揺るがすものです。

大企業は成長性がないので、社債など…の資金調達なら分かります。基本は自社株買いで、市場経済へ資金供給して、弱小企業を補佐するのが市場原理ですからね。既に大きな成長段階では、ない訳です。資本補強の必要性がないのですね。トヨタなど…いくらでも借り入れが可能です。今回の増資は、やはり経営者の驕りに見えます。そんなにトヨタ社長は嫌いじゃなかっただけに…がっかりです。でも3000億の自社株買いはするわけですね。だから基本は自社株買いをしなかったと言うことに成りますね。5年と言う長期保有株主に短期志向の株主から入れ替えることに成ります。この辺りの動向をみると…やはり、日本村論理が、色濃く残っているようにも感じています。

一方、政府主導により、銀行の株式持ち合いは減ります。故に、トヨタ株を持つ銀行は自社株買いに合わせ、持ち株をきっと売るのでしょう。その銀行の動向が気になりますね。自社株買いをしても良い訳ですが、自己資本比率規制の問題もあります。もともと日本は効率重視ではなく、規模拡大型の売り上げ重視の会社が多いのです。これをカタルは「総資産経営」と呼んでいます。昔、NECや富士通は、官庁のシステム公募に、1円で入札すると言うバカげた事件がありましたね。その後の保守管理など…総合的な商売で、その損失を取り戻そうとする慣行です。おそらく東芝の不正会計も、同じような考え方が根っ子にあったのでしょう。

先頃、三菱UFJが実行したサントリーへのM&Aの資金融資は、買収案件だけでは商売にならず、リスクは高過ぎると思います。しかしサントリーが、ジム・ビーム(ジム・ビーン)を買収する事で、三菱UFJ傘下にある米国のユニオン・バンクは、取引先が拡大して、総合的には商売になるから、増資資金を引き受けたのでしょう。このような取引を、カタルは「総資産経営」と呼んでいます。規模の拡大だけを目指す、売り上げ至上主義ですね。総資産経営は日立が代表事例で、今は改善方向にありますが…ここに来て、効率化のペースがダウンしていますね。

しかし世界は、効率の高いものを選択するROE経営に傾斜し、筋肉体質の企業づくりをしています。GEが儲かっている金融部門を売却して、経営資源を社会インフラに特化させているような事例が代表ですね。ただ日本はグローバル展開を加速させている段階なので、一概に、三菱UFJのような事例が、間違いとは言いきれません。しかしカタルは個別案件で、適正利益を目指すのが、やはり筋だと思っています。この適正利益と言う考え方は非常に大切です。

先頃、ABCマートがブラック企業認定を受けましたが、従業員を叩いて無理やり利益を積み上げても…長い時間で見れば、マイナスですね。ABCマートの三木さんはワンマンです。何しろフジテレビの買収合戦に於いて水面下で動き、堂々と売り逃げるし…。ユナイテッドアローズの株価を無視した間隙を縫って、株を買い集め、見事に経営陣に高値で買い取らせていますからね。まぁ、一代で財を築いただけに、キナ臭い強引なイメージですね。きっと、昔のソニーやホンダ、パナソニックなどの一流経営者も、似たような時期があったのでしょう。しかし本物は途中で変身して方向転換する訳です。少し三木さんはアクが強いですね。武富士の武井さんのように…。そろそろ、これを機会に方針転換しないと、最後は潰れますね。

つまり、このように…同じ利益でも、無理して作る利益もあります。上場企業は法令を順守し、適正利益を心掛けないと駄目ですね。山師のままなら…上場すべきではありません。カタルが、楽天の三木谷さんを好きに成れないのは、適正水準の税金を納めてないからです。既に中小企業ではなく…大企業の部類です。節税と言えば、それまでですが…。西武のような経営方式の規模拡大は、そろそろやめないとなりません。毎期、毎期、赤字企業を買収して利益を減らすのは、道理に合いませんね。ソフトバンクも、昔はそうでしたね。しかし今は違います。果たしてスプリントの買収が活きるかどうか…。本物の市場経済の国での挑戦は、やはり見ものですね。ニケシュ・アローラ氏の…手腕が見所ですね。今後5年以内に、成果が生まれるかどうか…。ワクワク感は残りますね。ペッパー君などの「種まき」は、見事な方向性です。

しかし時代の方向性に沿っていても、必ず、アタリを引くとは限りません。誰も未来は分かりませんからね。企業努力と、偶然と言う神様の配慮がないと…なかなか成長株は生まれませんからね。カタルのこれまでの証券人生で…どうかな? 任天堂のカルタ時代、セブンイレブン…に、ヤフーぐらいでしょうかね。10年に1回出るかどうか…20年に一回程度かも知れません。でも本物の米国では、躍進企業は多くありますね。アップルもグーグルも…10倍、20倍は当たり前で…100倍以上の企業も生まれています。マイクロソフトも、凄かったですからね。売上が半期ごとに倍増するような…超が付く新興企業が誕生する事が夢ですね。その陰に…大企業の自社株買いが、これら弱小企業の資金調達を助け、弱小は上場の恩恵を受けて、資金を得て成長を加速させるのです。007は、今回、得た資金で、どんな使い道をするのでしょう。楽しみです。10億が100億、200億に化けると良いのですが…。

市場経済の仕組みは、そんな所にあります。一方、一生懸命に市場原理化を歩む中国は、改革を急ぐあまり、急ブレーキの印象ですね。株の買い支え? どうも、ピンと来ませんね。こんな2.4兆円程度の資金を入れても、「焼け石に水」でしょう。市場とは、そういうものですね。一時的な…戻りの現象に過ぎないのでしょう。カタルが、もっとも心配する1937年問題の基本は、世界中のお金が、逆回転するリスクを持っています。既に中国から資金は引き上げられていますからね。南沙問題は非常に危ういですね。真の覇権国に成れるかどうかの試金石が、AIIBにも、南沙問題にも、起因している様に感じています。

この買い支えは、結局、整理の強行を妨げ、こじらせるだけ…と考えています。同じお金を投じるなら、下げるだけ下げさせてから…時間をおいて仕掛けなくてはなりませんね。昭和40年の証券不況時の1000円攻防の買いを連想した次第です。あれは結局、最後は大儲けして…証券界に証券会館や研修所など…、様々な施設が出来ました。あの時は、長い時間をかけ、苦しんでの…出番登場でしたね。確か…。それでも、第二次の買い支えもしたのじゃ、なかったかな? なかなか、最初は立ち上がりませんでした。それに…山一倒産の時には、田中蔵相は、「無制限の無担保」の特別融資を実行したのです。それに引き換え、今回の中国は、証券界だけの買い支えですからね。だから、おそらく一時的な現象でしょう。

上海総合株価指数の週足推移
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上海総合株価指数の週足推移

その上海総合株価指数のチャートを掲げておきますね。ギリシャは、どっちにしても「いばらの道」ですね。混乱は続きます。問題はギリシャではなく、イギリスなどの離脱が問題になります。移民問題は非常にやっかいですね。フランスではテロが起き、イタリアは大量の移民の流入に苦慮しています。ただ同時にEUは、量的緩和の影響で景気は改善方向で、スペインなども立ち上がって来ていますね。耐久諸費材の住宅や車の販売推移は重要な指標の一つですね。日本もそうですよ。暮らし向きが悪くなったと言うアンケートがありますが…物価高の本番は、これからも続きますね。

日本株の上昇は続くと考えています。しかし財政ファイナンス問題もあり、必死になって頑張らないと…、プライマリーバランスなどの目標達成は、危ういですね。所詮、「流動性の罠」からの脱出が、壁なのですね。カタルがケネディクスに拘る、理由の一端ですね。読者の人も、自分自身で、よく考えてみると良いのですね。カタルを含め、他人の意見などは、所詮、参考程度に留め、最後は、自分が決断するのですよ。日本人は非常に幼稚ですね。メディアに踊らされ…イワシ民族と、揶揄される訳です。僕らは自分で考え、自分の力量の範囲で、適正な投資をしましょうね。無理をする事はありません。チャンスなど腐るほど…これからも来ます。なにも慌てる必要はないのです。他人の庭ばかり見つめているから…動揺が生まれるわけです。バフェットは40年? 違いかな…。きっと、そのくらいの時間を我慢しているのですね。コカコーラの最初の買い付けは、何時なのでしょう。これが投資の世界です。

まだケネディクスは、2年も経過していません。この8月で…2年ですからね。それも500円割れからの再推奨です。最初の推奨は300円でしたね。何れのカタル銘柄も、最初の推奨価格は、今より、かなり下です。そもそも2度の再推奨するほど、カタルが惚れこんでいるのは、限られますね。

日本通信も500円で仕上がり宣言をして、1200円になっちゃったけれど…、今は再び500円を割れていますね。同じようにラオックスも、300円で仕上がり宣言をしたけれど、今は500円台で元気が良いですが…、カタルは怪しく感じています。市場は一時的に成長を評価しますが、必ず実態推移をみる時間を、欲しがります。理想買いが、現実買いに繋がると…本物の大相場になりますが、通常は、間に調整を入れるものです。やはり上海総合株価指数の動向や、競争相手が生まれ、また50店舗も増やすそうですが…償却負担が増しますからね。でも、これはカタルの考えです。どっちの見方も可能ですからね。

相場は、常に意見が対立しているから、面白いのです。それでは…また明日。



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