日経新聞の3面には早期退職の話、株式持ち合いの解消の話などが載っています。カタルがいつも書いているROE経営にまい進する企業の行動を報道したものです。株式持ち合い解消は企業統治の話ですが、株主の権利が強くなっている現象です。基本的に日本の閉鎖的な村論理が崩壊してグローバルな企業論理に移行している現象なのでしょう。
日本のROEは10%にも届かず、米国の15%越えに遠く及びません。この違いは経営者の考え方の方向性が、間違った方向性に向いていたからです。ある意味で日経新聞などの記者の責任です。でも本日の3面のような記事が増えると…時代はその方向性に流れていきます。
だからどんどん効率化投資などのROEのデュポン式(分解式)の話題を加えて記事を書くべきでしょう。この記事は別の視点で描かれており、給料面の年功序列の破壊を狙って書かれています。
デュポン式は、ROE (当期純利益/株主資本 )= 財務レバレッジ × 資産回転率 × 売上高利益率と言うものですが、此処では世界トップ水準の効率化を追求しているテスラの話題を紹介しましょう。此方です
テスラは生産台数を上げることに躍起になっていましたが、新興企業らしく…穴だらけの体制で、今度は納車がスムーズにいかないという問題を抱えていました。でもこの記事を読むと実に1Q~2Qのわずかに期間に51%も改善したのですね。生産面でも13%も改善しています。完成されたトヨタがこのレベルで構造改革をしているかどうか…疑問を感じます。
この話はデュポン式の「資産の回転率」を上げます。何故、米国企業が15%ものROE水準が一般化しているかと言えば…利益率の低い分野から撤退し、常に利益率の高い所に、経営資源を投入して…改善を図っているわけです。
失われた時代は、年功序列や終身雇用の社会認識が定着しており、この考え方を壊し、日本人が効率化の為には、リストラも当たり前と言う認識を植え付ける時間が必要でした。その為に約30年も時間闘争をして、日本人の潜在意識の改善に努めてきました。
1993年に起きたパイオニアの指名解雇事件は、結局、最後は不幸な形で…パイオニアは上場廃止の道に至りました。あの時に、今の社会認識があればパイオニアは、優良企業は無理でしょうが、…上場廃止にならず生き残っていたはずです。でも結局、シャープと同じでバカ社長が連発したために、どんどん劣化して…最後は市場から消えました。能力のない人間が上に立つべきではないのです。政治家の世界を見ると分かります。馬鹿ぞろいです。まともな政策論議が出来ない連中ばかりです。他人批判など…どうでも良い話です。
1993年の…あの時は社会的な抵抗力が強く、パイオニアの指名解雇事件が小説になったほどの社会問題になりましたが、みんなメディアの責任です。時代感覚のない報道を繰り返したために、日本人は間違った方向性に時間を浪費しました。
失われ時代はメディアが創ったのです。情けない話です。一応、大手メディアは優秀なはずの人間が揃っているはずですが、全く国際的な視点を欠いた報道ばかりを繰り返し、国の方向性を間違った方向に誘導していました。おまけに日本人自身が考えない国民性です。僕らはロボット教育を受けており…右に倣え…と大衆論理で動きます。情けないですね。株式相場を丁寧に観察すると…集団論理の動きを理解できます。
面白いでしょう。株式市場と言うのは…いろんな実験が、市場の中で進行しており、その優劣を競って…株価が形成されています。テスラなどは論理的な裏付けがない株価水準ですが、流石、イーロン・マスクです。最近は、いろんな面で叩かれていますが、カタルは応援したい経営者の一人です。前澤さんと共に…。面白人間が、世の中を支えるから進化があるのでしょう。
この日経新聞の3面の記事は、日本が変わっている現象を示しており、日本株はようやく名目時代に突入するのでしょう。日銀が異次元緩和を続け…はや6年かな? 黒田さんはさんざん批判を受けていましたが、ようやく「流動性の罠」から抜け出すのでしょう。何しろ、東京の都の地価上昇率は4.9%と言う国際基準になったとヤフーニュースでは報じていました。此方です。
このような様々な現象を繋ぎ合わせると…やはり名目時代の本格化は時間の問題に思えます。もう既にその現象は、いろんな面でスタートしており時代の流れは加速されることがあっても方向性が変わることはありません。あとは消費税が引きあがった後の後遺症の度合いが焦点になります。この壁をクリアすると日経平均株価過去最高値の38915円と言う目先の頂点が目標になります。楽しみでしょう。
さてテスラの話題ですが、何故、利益が出ないのに高評価を受け続けてきたか? それは潜在成長率の高さ故、肯定されてきましたが、このクリスマスショックや生産目標も未達など…テスラファンが資金面で応援しなくなった背景があり300ドル水準から200ドル水準に株価を押し下げましたが、それでも変化率を追い求める経営努力は凄まじいものです。
皆さんは、基本認識として「損益分岐点」の図を、常に頭の中に構築して…売り上げの伸びが利益の源泉であり、尚且つ、利益率を追い求める経営者の姿が株価を押し上げる構造を十分に認知する必要があります。
そこで…昔に作った損益分岐点の図を提示しておき、本日のレポートを終了します。実はこの損益分岐点の図は、後々…非常に重要なヒントになりますから、自分なりにこの図を眺め、固定費と変動費の考え方を学んでおきましょう。
どんな業種の収益でも、この図は有効です。どの株式投資を考える上でも基礎になる考え方ですから、各自が自分の知識を補っておかねばなりません。それではまた明日。
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