アーカイブ:2023年3月

投機資金の縮小の背景(推察)

ネット時代を反映しているような「取り付け騒ぎ」です。

常識で考えれば分かりますが、どんな銀行もこの騒動に見舞われたら…信用を保つことが出来ません。カタルが現役の頃は銀行株に売り物が出ると、市場に出す前に…銀行に電話をします。そうすると銀行の関連企業から買い注文が市場に入り…その買い物に売り物をぶつけていました。それ程…銀行は自社の株価に気を使っていたのです。

カタルの眼が、厳しいのかどうか…分かりませんが、今回の対応策は「下手糞」です。簡単に信用不安は収まりますが…その方策が間違っています。

クレディスイスは、頂けません。

大株主になったサウジの国立銀行のアンマル・フダリ会長が「市場は神経質になっており、懸念を裏付けるような話や出来事を探している」と同会長は指摘した。サウジ・ナショナルのクレディ・スイスの持ち分9.9%を引き上げることについて、同行と何も協議していないと述べた。…「われわれは何も頼まれていないし、何らかの支援が求められたという事実もない」とした上で、規制による制約のため持ち分を10%以上に引き上げることは難しいと説明した。

あまり違和感のない会話ですが、この発言が色んな憶測を産み…預金の引き出しが加速したと言います。そうして…「UBSへの併合」?で、問題解決と思ったのですが…CoCo債(Contingent Convertible Bonds=偶発転換社債)やAT1債(Additional Tier 1)の対処で…問題化しているようです。CoCo債は、財務が悪化すると株式に転換され、問題は永久債のAT1債です。非常に利回り(12.5%程度…クレディスイスは15%)が高く…銀行規制のバーゼル3からTier1に認められています。

分からないのが…報道されているAT1債にCoCo条項が付帯しているかどうか…です。基本的に自己資本が一定の自己資本比率(5.125%など…)を下回ると、その元本が削減されます。通常は、CoCo条項が付いていると思うのですが、報道ではその条項はなく…全額が消えるような報道ぶりです。多くの報道機関は、クレディスイスのAT1債がパーになったと言う報道です。

仮に、この報道を基準に未来を考えると…同様のAT1債はEU中心に、かなり売られています。他には…クレディスイスが2兆円ですが、総額で36兆円規模との話です。ドイツ銀行を始めイタリアやスペインの銀行にも…問題の火種が波及します。

クレディスイスの場合は、サウジが1700億円の資本を入れた10月の2022年の第三四半期の預金引き出しは1.8兆円と言われています。グリーンシルの時は500億円以上との推察です。かなり…色んな悪条件が続いた結果の混乱でしょう。


ファーストパブリック銀行 (FRC)の週足推移

難しい話は兎も角…カタルは米国株の反応が正しいのでしょう。基本的に問題行とされるクレディスイスが片付いたことです。信用不安問題は一掃されるでしょう。あとは小さな銀行の話です。米国のファーストパブリック銀行の総資産は2022年12月で2090億ドルです。一旦300億ドルを入れましたが、まだ株価は下落しています。その成長ぶりを期間の長いものと…今回の危機後のものを用意しました。


ファーストパブリック銀行 (FRC)の最近の値動き

この問題が、世界の市場に影響を及ぼし「力強い」相場の上昇になりません。でも基本の本質は、銀行問題から派生した行動でしょう。特に「クレディスイス」でしょう。もともとクレディスイスは、世界のヘッジファンドなどに果敢に融資をしています。

グリーンシル問題はソフトバンクとも関りがあり…訴訟問題になっていました。このグリーンシルのビジネスはサプライチェーンファイナンスと言い…売掛金に対して融資をする会社です。ソフトバンクが投資をしていましたが、資金を引き揚げたので…クレディスイスと訴訟問題になっています。

この事でも分かるように…クレディスイスは、世界の危ない投資をするファンドや会社に多額の投資や融資をしていると思われています。実態は、どの程度かは分かりません。でも今回の一連の株価の動きを観ると、このクレディスイス問題が「一連の株安」、金利の急変動や為替などを組み合わせた「CTAの撤退」を疑わせます。

もともとCTA( Commodity Trading Advisor=商品投資顧問業者) は、非常に大きなレバレッジをかけた投資です。

為替で「円安」方向に賭けて…債券先物を「売り仕掛け」します。為替や債券など…日銀が政策転換に追い込まれる環境をつくり、そうしてメディアを誘導します。それに日経新聞なども加担して…テレビで「日銀批判」を繰り返しました。インフレは「日銀の金融政策の責任だ」と言う論理です。

「仕掛け人」がメディアを誘導して実際の相場で演出をして、実際の政策転換への世論誘導を狙います。

皆さんは…素人だから「金融デリバティブ」の世界など、分からないでしょうが…兆円単位の仕掛けも珍しくありません。昨年の日銀の金融政策の転向を機に…三菱UFJなどの株価が大きく上がったのも、たぶん…CTAなどのファンドの演出です。その為に、今回は資金元のクレディスイス問題が起こり…「ポジション整理」に追い込まれた可能性があります。これはカタルの推察です。単なる…推察です。

真実なんか…分かりませんよ。

「市場の整合性」と言うのは、全ての事象を観て、総合的に判断されます。それをイチイチ…説明など出来ません。良く、何故、株価が売られているの?とか聞かれますが…株を売っている当事者を見つけて、聞かねば分かりません。だから本日のレポートは、あまり意味はありませんが…「仕掛け人」の言葉の意味を理解するには、このような「一連の事件」は参考になります。

良いですか…もともとは「FRBの金融政策」が影響しています。

カタルは0.75%ずつの金利引き上げを3回も実施したのを問題視しています。その為に債券価格は大きく下がり…今回の金融問題の起因になっています。通常、金融政策の浸透度は目先では分からず、時間がかかるのです。後になって「緩やかに」実体経済に影響を及ぼします。

だから一度、決めたら…市場予測の通り継続性がないと駄目だし…常に未来を観て考えるものです。故に、長かった米国株の上昇も大きな調整期間で…事前の乖離が非常に「大きいもの」ですから、整理に時間を要します。既に、混乱が多発しています。アマゾンは追加の人員削減を実施しています。

つまり時間軸を、長くして…実体経済への影響を観察する場面です。

今回のFOMCでは、金利の0.25%の引き上げを実施して…カタルは、その際に「利上げ停止宣言」を公言して…「QT(量的引き締め)の停止」も謡うべきだと思っています。

しかし…今の市場が混乱しているから「利上げ」はないと言う観測も多く出ています。ですが…カタルが、パウエルなら、これまでの失敗した「金融政策の後処理」を考えて…「仕方がない」ので、0.25%の利上げを敢行して、打ち止め宣言をして、しばらくは「利上げ停止」、そうして「QTの停止」を今回か…次回での停止などを…「同時に」発表します。

今回、利上げが「見送りだ」と…インフレを懸念する連中の「芽」を、完全に摘めません。一度、僅かでも0.25%の利上げをすれば…その声が消えます。そうして…今回か、次回にQTの停止です。それを「事前告知」します。そうすると…今度は、逆に「利下げ」が年内に早まる確率が高いから、ナスダックなどの株価も上がりやすくなります。

単に、今、停止するとインフレ派閥の「禍根を残る」ことになります。

人間の気持ちが、市場に出て株価になっています。僅か…20兆円程度…30兆でも良いですが…SVBの特殊事情から、一気に…銀行の「貸し出し態度」がシビアに変更されますから、「景気後退」の確率が高まります。でも今年の「後半相場」はこれで…面白くなります。ここ数年後半相場の「息切れ」が続いていましたが…今回は「尻上がりの上昇相場」になるのでしょう。

本日のレポートは、クレディスイス問題から観た「CTA」などへの資金供給網が減り、大きなポジションの整理を強行され…彼らに、試練を与えましたが、市場は、このような様々な障害を与えて「力のないもの」を、整理して強者を残します。だから…この程度の「軽い試練」が相場の腰を強くします。

三菱UFJなどを代表する「名目経済成長」を買う本格的な相場は、これから起こります。今回は、その「予兆」と考えるのが正しい観方だろうと思っています。

植田新総裁が来年、利上げできるかどうか…。その結果、日本は政府の国債費用が増大をしますから、増税になります。消費税の引き上げまで追い込まれるのでしょう。来年ではなく再来年か、その次か…。

これで…個人の金融資産の預貯金の1116兆円が動きます。企業の内部留保は、もうこれ以上は積めません。あの郵船が、とうとう…2000億円の自社株買いです。この金額は、すごい金額ですよ。2年ですから1年は約246日ですから、毎日4億円程度です。株価が3000円で…13万株を買うのです。毎日の話しです。やはり大きな金額です。基本的に時価総額を超える内部留保の企業も存在します。2020年度末で43社との報道があるようです。

このような高い内部留保がターゲットになって、「ものを言う株主」が活躍します。東芝問題だけでなく…セブンアイが、西武デパートを売却するのもその事例です。ROE経営を真剣に考えてないと駄目なのです。必然的に上場企業は「ROE経営」に追い込まれますから…株価は高くなります。

いや…面白いですね。WBCの話です。

0-3で負けていて…3-3と同点になりましたが、再び3-5にされて、最終回は4-5だったのですが、不振だった村上君がサヨナラです。最終的に6―5で逆転勝利は、すごいドラマです。特に打てなかった村上君が大事な場面でサヨナラですからね。人生も…株価も…野球と同様に分かりません。

上がらなかった日本株は村上君、同様に…「世界の主役」になる日が来るのでしょう。遅れていた岸田総理も、ようやくウクライナ訪問とか…サミットに、インドを招待したは重要です。

どうも…直ぐにウクライナ和平(停戦)は無理なようです。色んなドラマがあるから株式投資は、面白いですね。ハラハラ・ドキドキです。また明日。



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