抗うことはできない

ようやく…「バーナンキショック」の再来懸念が消えてきました。このバーナンキショックと言うのは2013年5月22日に当時FRB議長のバーナンキ議長が議会証言で「状況改善の継続を確認し、持続可能と確信できれば、今後数回の会合で資産買い入れを縮小することは可能だ」と発言し、市場を癇癪(テンパータントラムtemper tantrum)に陥らせた事件をさします。

2013年5月当時のNYダウ平均株価の推移

当時のNYダウを載せて置きます。移動平均線は200日線ですが…基本的に、これは後講釈のようなもので…市場は調整を欲していたところに、起こった「切っ掛け」に過ぎないのでしょう。市場と言うのは「人間の感情」の表れですから…人間だれしもが思う感情が株価になって現れます。乖離が高いという事は…「利食いできる人」が多い状態を示します。

皆さんが、間違っている概念の一つで、株式は良いから、株価が上がるわけではないのです。如何に多くの人が、その株を買いたいと思うような要因を作るか?…です。

カタルは皆さんに良く「乖離調整」の話をします。これは…どんな成長株も絶対に避けられません。必ず、人間は、株を買ったら「利食いをしたい」と言う欲望が生まれます。その欲望に抗う(あらがう)ことは出来ませんよ。バフェットぐらいのものでしょう。このような精神力を持った人は居ないのです。

だから…カタルは成長株投資と言うのは、あり得ないとは言いませんが、先ず忍耐力の上で普通の人間は不可能です。上がり続ける株を持ち続けられるのは、売れない株を持った経営者ぐらいのものでしょう。そのようなオーナー経営者も、最後は欲望に負けるのが常です。

乖離調整の意味は、「情報の伝達と行動」がセットになります。

要するに、潜在的に発生した情報が、一般化する「浸透率の話」です。

既に多くの投資家がFRBの政策を理解して、FRB自身がテーパリングの検討を述べていますから、その時期の予測を年内か…来年初めに予想し、尚、利上げも再来年には開始されると読み始めています。この考え方が一般化しました。でも未だにサマーズは住宅価格を捉えて…インフレ懸念を指摘しています。

ただ…リーマンショック時と比較して、金融界は懲りたので…過大な自己資本比率を求められ…FRBはストレステストを繰り返しています。その結果、自社株買いや増配が認められましたから…今年初めより「時間の経過」でテーパリング(量的緩和縮小=金融引き締め開始)に対する恐怖が、薄れてきました。それに備えて現金を積み増す機関が多く…既に対処済みだからです。

問題はここですよ。

乖離が高い時に、予期せぬ事態が発生すると、市場はその材料の消化を急ぎ…混乱が生まれます。事前にワクチン接種などを行えば…病気になっても軽いのです。市場も…人間社会の理屈と同じです。よく…カタルはサラリーマン当時、課長に急落する相場の時に言われました。「慌てて動かずに、じっとしていろ」とアドバイスを受けました。

バイアコム(VIAC) の日足推移

実例を示しましょうか…先日のアルケゴス事件の時にバイアコム(VIAC)が標的になって売られましたが、現在はこんな感じのイメージです。たぶん、高値更新は、直ぐに無理でも株価は戻ると思っています。事実、ジョージソロスなどのファンドは株を買ったそうです。あれだけの株を買うチャンスは滅多にありません。まぁ、このケースが事例に正しいかどうか…。あまり株価が戻っていませんから事例には相応しくないかな? 

要するに慌てるな…という事ですね。

コロナ禍の時に「追証になった。どうしよう」…と騒ぎ、「ケネディクス」を慌てて売った人は、その経験をされたはずです。まさかの事態になっても…慌てずに行動をすれば、良いのです。時間の経過は…株式相場の「妙薬」です。

人生はなんでもそうでしょう。世の中は「ケ・セラ・セラ」…なるようにしかなりません。しかし自分は、精一杯の努力をして、あとは天命を待ち、その結果を受け入れるしかありません。どうせ…いつかは死を迎えるのです。借金も、どんな苦労も、死ねば…みんな清算ですからね。人生はパッパラパーが一番です。でも…「頑張らない」となりません。

そんなわけで…カタルは昨年末から乖離問題が気になっており、年初からと言うか…昨年末からと言うか…。一貫して、本心は弱気だったのですが、ここに来て時間経過で調整が進み、少し気持ちが落ち着いてきました。でも依然、乖離は高いのです。

昨日の原稿で…アップルと、テスラの動きに注目していると書きました。両社の存在は「時代の鏡」です。

アップル(AAPL)の日足と200日線推移

アップルは基本的に昨年の9月から一貫して調整波動に入っています。これが高値圏の時間調整と言う物です。調整には二種類があり、株価が下げる値幅調整と時間の経過で利食いを高値圏で消化する時間調整があります。この時間調整は最も強いとも言えます。故にアップルの高値更新が期待されます。

日本株は馬鹿が多く…出遅れていますが、ようやく「流動性の罠」から抜け出ました。生命保険会社は規制に備え…保有株を売り、株式の持ち合い制度が完全に崩壊しますから…経営者は株主側を向き始めています。東芝は良い事例です。今回の自社株買いの1000億円は通常あり得ない…選択なのです。しかし、「ものを言う株主」に押し切られました。TOBも活発化しています。

だから…ようやく日本経済も動き始めています。

三菱電機の不祥事事件が起こりました。最近の日本人の劣化は深刻ですよ。日立のイギリスでの鉄道車両事件など…昔なら、あり得ないミスが連発しています。三菱重工などみるとよく分かります。MRJの失敗など…開発期間の延長に次ぐ、延長など…兎に角、すべての産業の劣化が深刻に始まっています。

「ものづくり大国」など…メディアの報道は嘘ですよ。職人技…? あほらしい…。既に、中国製品の方が優秀なほどです。

だから…日本は世界競争で負け続けています。あらゆる面で劣化しているのです。

既に韓国人より所得が少なくなりつつあります。深刻なのです。全てメディアの責任です。NHKも日経新聞も猛省をすべきなのに…首相の記者会見での質問で同じ質問を何度も繰り返す、「ぶら下がり」質問です。だから質問を最近は打ち切っています。このメディアの資質の低下は、ヤクザ以下です。正義感がまったく感じられず…どうしたら「受け」を狙えるか? …に主眼が置かれています。野党の政治家も同じレベルです。蓮舫議員などは週刊誌の記者レベルの人間でしょう。

日本を本当に思う気持ちがあるのかどうか…。情けないレベルです。

しかし…どうも日立を始め、ようやく日本は変わり始めてきました。本日の日経新聞の一面の「若者の雇用の流動化」の記事、三菱電機の不正の記事で「品質への過信」、「組織防衛風土」、そうして「場の老朽化」を掲げています。

ようやく…時代変革に対して経営者は前向きな心理に変化を始めています。東芝の貢献は大きいですね。東芝の事件で「コーポレートガバナンス」(企業統治)が重視され…ようやく経営者の真剣度が増してきました。豊富な内部留保があり、なにもソニーだけでなく、積極的に…設備投資に動き始めています。だから…ソニーは注目されます。でもカタル向きではありません。機関投資家や保守的な運用者向けの銘柄です。カタルが1万円を割れた時に述べています。あれは一回しか割れずに、買うチャンスはなかったのですが…村田製作を買ったときの話です。あれから1割です。

やはり常にハイリスク・ハイリターンを狙うカタル向きではありません。

ですが…このグループの株価が戻ることで…株式の投資マインドが大きく改善をします。年初から調整波動で、多くの人は上手く立ち回っていないと思われます。だから最近は日証金の回転率が延びているのでしょう。ただ…このゴルディロックス(Goldilocks=適温相場)は、色んな潮流(仕手材料株相場など)が交互に選択され…賞味期間は短い可能性があります。理由は9月に割増の失業手当てが切れますから…年末にかけて一気に雇用が戻ります。

テーパリングの開始です。でも株価が下がるとは思っていませんよ。日本では豊富な内部留保が問題化され、株主還元比率は上がり、設備投資意欲が起こり一気にDX相場が開花するでしょう。もう上がる株は決まっています。

これだけ…丁寧に解説をしていますから、証券マンは自分で銘柄がイメージできないようでは、勉強不足です。

先ほどの若者の転職の話ですが、本物が優遇される時代になるのです。日本は偽物国家ですからね。昨日話したように…村社会の中でしか、生きられない人は、これからの時代は大変です。本物の価値が、だんだん…光り輝くでしょう。

こんなところで…本日のレポートは終わりです。互いに頑張りましょうね。7月に「スーパーノヴァ」と言う映画が上映されるそうです。やはり…エーザイには魅力があるように思っています。

仮に1万円を割れたら…ポジションを落として、時間経過を待ちます。しかし…きっと大物に育つと思っています。「時代の流れ」には、誰も抗うことは出来ません。株式市場は必ず、人類の進化を応援する場だと思っています。



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