景気循環と心理的安全性

昨日は「付加価値の創造」について触れました。この付加価値の創造と言うのは、後追いの風が必要です。「ブーム」です。日本の場合、画一化教育により一斉に動きますから、このウェーブは比較的作りやすいのでしょう。でも根底にあるものが…貧弱です。「富の創造」と言う概念が必要なのですが…日本の場合、長く続く「清貧思想」が蔓延して定着しています。

特に「メディア」です。必ず、防衛線を張り「他人批判」をします。その為に官が委縮しています。なにも官僚ばかりを批判するのは間違っています。官も、昔は成功体験から「僕らが国を創っている」と言う自負があったのでしょうが、今では直ぐに「防衛機能」が働きます。「大らかさ」が失われたので…村社会論が機能を失ったとも言えます。

昔はもっと大らかな「寛容な社会」だったように思います。「馬鹿をやっている。まぁ、仕方がないか」…こんな感じですが、今は、違います。故に…海外発のリーマンショックを観て…ガチガチの融資態度に変化して、赤字法人への融資を止めたのです。これで日本経済は関係ないのに「二番底」を模索しました。

最近は少し緩んだのかもしれません。でも銀行に行くと未だに窓口は、馬鹿みたいな時間を浪費します。大概の手続きは「一時間」仕事です。せいぜい10分程度で終わる作業だろうと思うのに…1時間もかかります。この感覚は、まだ改善されません。金融は、未だに官の支配権(許認可業務)が強く…働くセクターですから、どうしてもその影響を受けます。役所も無駄な作業が多いのでしょう。

何故、このような事を述べたかと言えば…株価が上がる「相場」も「景気の波」の長さも、全て…人間の「心の持ちよう」が影響しています。黒田さんが、あれだけ笛を吹いても、なかなか…国民は踊りません。だから「流動性の罠」と呼ばれる政策のミスマッチが起きます。

流動性に罠と言う言葉の解説は「金融政策による金利の引き下げが効果を失う状態のことです。金利が非常に低いと、貨幣と債券が同じようなものになってしまい、マネーサプライを増やしても投資や消費が増えません。流動性の罠に陥ると、景気を回復させるためには、財政政策や非伝統的な金融政策などが必要になります」と言うチャットGPTの回答です。

言葉の意味を解説するのは大変ですから、自分で調べてください。このチャットGPTはマズマズ…の回答をしてきます。完ぺきではないようですが…自分で補うと良いですね。

話を戻しますが、カタルが「清貧思想」と呼んでいる現象の一つです。世の中の仕組みも、株式相場も、この「ブーム」が欠かせませんが…あまり成功体験がないために、どうしても力不足になっています。必ず…日銀批判が起こります。

黒田さんは正しいのですが、何故、10年間も金融緩和政策を続けて、成果が出ないのか? メディアが直ぐに批判をしてムードが持続しないからです。「失われた時代」に、間違った政策運営を長く続けた結果、なかなか正常な感覚の行動に、国民が変化しません。

それで「流動性の罠」という言葉が一般的になる程、定着したのです。米国はPERが30倍評価なのです。しかし日本は15倍程度かな? そんな印象です。これでは2倍の差ですから、ブームはなかなか…起こりません。

このブーム(社会の流れ)は「景気循環」の長さと強さにも影響を与えます。景気循環には「4つの波」が良く知られています。

「景気循環の波とは、経済全体の活動水準である景気において、循環的に見られる変動のことです。景気循環の波には、いくつかの種類がありますが、代表的なものは以下の4つです。

キチンの波:在庫の増減によって起こる約40ヶ月(3.3年)の波。ジュグラーの波:設備投資の増減によって起こる約7~11年の波。クズネッツの波:インフラ整備などの大規模な公共投資によって起こる約15~25年の波。 コンドラチェフの波:科学技術革新や社会制度の変化によって起こる約40~60年の波。景気循環の波は、経済指標や政策判断に影響を与える重要な要素です。」と言う回答ですね。

例えば、半導体にしましょうか…半導体は二つの波が重なっているのでしょう。在庫循環のキチン波動と、時代革新の…AIの導入などのコンドラッチェフ波動です。基本的に長期の景気波動が勝ります。在庫循環では、まだ相場は再スタートしませんが、長期のコンドラッチェフの波は、依然、続いています。

サーバー需要は永遠に続くし…AI機能が高まるなら、どんどん…半導体は必要になります。ここからEV需要も増えます。車がEV化されると半導体の需要は5倍以上になるとも言われます。まぁ半導体と言っても、たくさんの種類がありますから一括りには出来ません。

この波の解釈の仕方で、相場は影響を受けます。誰もが、同じことを考えています。

M3(2413)の週足推移

しかし今、「レーザーテック」(6920)を買えるかどうか…は、難しい判断です。基本的に、これだけ「大人気株」になったものの整理は、長引きます。そうだなぁ~…事例を示すならカタル銘柄だった「M3」(2413)なんか…代表的な事例でしょう。あれは…株価が500円台の時だったように記憶していますが…未来の夢を見て買った記憶があります。しかしあのチンタラした動きはカタル向きではなかったのです。

M3(2413)の数字変化

しかし…その後、2019年代に入ると株価は大人気になりました。そうして…PERは100倍以上の評価を受けました。しかし…相場がピークアウトすると、やはり調整波動が続いています。今でも良い伸びなのですが…こちらが参照です。何れ、成長の壁が来ますから…その動向を観ないとなりません。「レーザーテック」も、その段階でしょう。

この「M3」も「医療の電子化革命」の長期のコンドラッチェフの波は、依然、続いていますが…市場の期待に応えられません。相場と言うのは、大きな場面を創ると…「何年」も調整が続くのが一般的です。

個別株の話しをしましたが、日本の景気は、キチン循環(在庫調整)は、兎も角…ここから失われた時代を取り戻す「力強い」技術革新の波などが一斉に始まります。本日の日経新聞のNATOの話もその一つです。

仮に、この現象が発展をするなら、サーバー需要なども大きく生まれます。EUからも多くの人員が東京に移ります。これがアジアの人口の波と重なります。故にアジア圏の重要性が増しているのです。日本がその拠点になり得るかどうか…。

だからカタルは、東京地検のゴーン逮捕を批判しました。あれは…細部の見方です。確かに悪いかもしれません。しかし、他にやり方があったはずです。あんな事例を創ると「後進の道」を閉じます。最高裁の判決も影響を与えています。海外投資家の買い需要に「二の足」を踏ませる動きです。

カタルは市場原理主義者なので…株高が正しい政策なのです。

米国のGDP推移と成長率

持続可能な成長を続けるのは、昨日の米国のGDPを観ると分かります。如何に日本の政策が劣っているか…如実に物語っています。株価は「経済活動の鏡」なのです。何故、日銀が大株主になる程、株を買っているのに…誰も踊らないのでしょう。そればかりか…メディアは日銀批判をしています。馬鹿な学者を引っ張り出して、批判ばかりをしています。でも最近、少し…日経新聞も変化をするかもしれません。最近のWBSを観ていると…カタルが関心を持つ報道が多いからです。

昨日は「褒める」社会活動を報道していました。この「心理的安全性」…とは、褒める文化の奨励です。

心理的安全性とモチベーション の相関関係

「心理的安全性という概念を最初に提唱したのは、ハーバード大学のエイミー・エドモンソン教授です。彼女は、医療現場でのチームのパフォーマンスとエラー発生率の関係を調査した際に、心理的安全性の重要性に気づきました。その後、彼女は著書『恐れのない組織』で、心理的安全性を高めるための具体的な方法や事例を紹介しました。」との回答です。

この精神が日本社会には足りません。相場を観ているとそう感じますよ。ヤフーファイナンスの株式の掲示板を観ると…「他人批判」の方が多いように感じます。村社会と言うのは、他人の噂話が好きなのです。学校生活の「虐め」のようなものです。互いに「切磋琢磨」して、飛躍しようと言う概念が培われていません。悲しい現実です。

日本は「目覚める」可能性が出てきました。神風ですよ。ロシア侵攻は…。その為に安全保障問題が刺激され…一気に「国内回帰」現象が生まれています。

オークマ」(6103) の週足推移

特にジュグラー波動(設備投資)は重要です。つまり工作機械の多くは低PERですから…評価が変わる可能性があります。カタルは、森精機ではなく…「DMG森精機」(6141)を紹介しましたが、意外に軽そうなのが「オークマ」(6103)です。前に「棒」がつく可能性があります。あっても1だと思いますが…、「国内回帰=」なのです。株価位置の下値圏の「リクルート」(6098)を推奨しているのも、同じことです。これが時代背景から観た、「市場の整合性」の考え方です。


「リクルート」(6098) の日足推移

今日は「決算書の見方」を述べようと思ったのが…その前に付加価値を増やすためには、政策が重要だと述べて来た流れから見て…景気循環の話は欠かせないと思ったので此方を優先しました。

「コロナ」で鬱憤された、蓄積需要からの在庫循環の調整になっています。半導体の在庫整理は4―6月期と言われていますが、米国の金利動向との関係もあります。既に多くの半導体株は、株価が年初からかなり上がっており、期待感が溢れていますが、「後ズレ」しそうな展開なのです。在庫整理の完了は3Q~4Qになるのもかもしれません。

昨日の相場は微妙です。パウエルが停止を示唆したが…「名言」はしなかったのです。その為に会談後の株価が崩れました。「年内の利下げ」の見込みが…微妙になっています。

このような金融政策が、末端の在庫整理にも影響を与えます。景気と言うのは基本的にムードの問題なのです。日銀の黒田さんの行動と日本株の動向を観ると分かります。株価上昇ムードの片鱗はあるのですが、明確な流れになっていません。

ロコンドの決算数字

その為に、未だに「金利裁定」状態です。配当利回りで…3%を超える株はゴロゴロしており、4%台も、かなり多いのです。なかには5%台の株もある程です。こんなバカな事が現実です。だから本来なら経営者が、「売り上げ」がこれだけ伸びて…こうなると言っているのに誰も信じていません。これはロコンドの数字です。104億円が「M&A効果」で140億円になると述べていても、この121円の数字に対して「疑心暗鬼」なのです。田中君が市場から「信認を受けてない」表れでしょう。

カタルは目先の売り物を吸収して…「2000円台を駆け抜ける」と思っていますが、誰もその事を信じてないようです。その理由は彼の過去の実績です。

ロコンド(3558)の過去の伸び率推移

だからPERは13倍の評価なのでしょう。これだけの伸びなら…通常はPER30倍が常識です。彼の今までの実績を市場は疑っているのでしょう。如何に、市場が「ネガティブ」心理かが、分かる事例の一つでもあります。まぁ、それだけ…皆が、株で儲かってないのでしょう。

要するに…先ほどの紹介した「心理的安全性」が失政続きで…日本国民に成功体験が根付いてないから…ネガティブな見方が定着しています。

だからメディア自身が、変わることが大切なのです。成功体験が、日本人には必要です。AIの活用は幸い、徐々に広がっています。「未知への冒険」を畏れてはなりません。本日は景気循環の背景に流れるムードの話をしました。明日は「決算書」の話をする予定です。でも本日のように、人間の気持なんか…コロコロ変わりますからね。約束はできませんが…また明日。



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