200日線の傾き

チャート論の基本は「200日線」にあると考えています。カタルの主眼とする投資は「時代投資」です。時代の波には、様々なものが流れています。

景気循環もあれば…政治の勢力図もあります。近年は米国の力が落ちて…中国を中心とするグローバルサウスの力が増しています。この覇権争いは、様々な産業に影響を与えています。半導体業界を観ると分かります。コロナ禍で…分かった事は、人間の「心理状態」が、消費に大きな影響を与えるという事を再確認しました。需給バランスと言うのは、実に「繊細」なのですね。

相場の流れも、なかなか…相場が「一段高」していません。

その中で「異色の存在」は、やはり…何度も引き合いに出している「レーザーック」(6920)なのでしょう。何故、カタルは一度も、参加をしなかったのでしょう。これほどの「逸材」を見逃したカタルは「大馬鹿」です。

結果論は、誰にでも言えますが、リーマンショックの後の株価は、今の株価で50円まで下げているのです。そうして、その後最高値の36090円まで大きく株価は上昇します。原稿を書く為に観たのですが、改めて…すごい会社です。

「レーザーック」(6920) の業績推移

2014年から、売り上げの伸びは続くのです。この年から2024年までの四季報予想まで含め11年間の平均の売上高の伸び率は32.38%ですよ。利益は39.74%の伸び率なのです。3年間程度は、ザラにあるのです。しかし11年です。やはり市場の「人気株」になっている訳です。この株だけを、持ち続けても…すごかったですね。

50円の株価、当時の株価は400円ですが、この間に…1:2の株主分割を3回実施しており株数は8倍になっているから、その分割を考慮して50円と言っています。

その株が36090円ですから実に721倍です。100万円分を買って…2008年から持ち続けていると…なんと7億2100万円です。もし雪だるま投資をしたら「天文学的な数字」になっていた筈です。株式投資のロマンは、やはり「成長株」の発掘と投資法にあるのでしょう。米国だけではなく…日本にも成長企業は存在します。改めて…考えさせられます。それでは…チャート論を交えて、観察をして行きましょう。

2009年当時のレーザーテックの発行済み株式総数は1178万株です。現在のロコンドのような規模です。ロコンドの発行済み株式総数は1148万株です。現在のレーザーテックの発行済み株式素数は9428万株ですから、約1億株です。2013年7月、2017年4月、2020年1月にそれぞれ1:2の株式分割を実施しています。


「レーザーック」(6920) 2010年当時の日足推移

先ずは、相場のスタートラインの50円(400円)を付けたのは2008年12月の事です。その後、翌年の5月になって「最初の上昇波動」が起こります。一気に株価は67円(536円)から135円(1080円)ですから、2倍以上に伸びたことになります。それが最初の出発です。でもその後も強かったのですが…「目立った躍動」と言う訳ではなく、真価を発揮する相場は、週足を観ると分かりますが…2019年からです。

「レーザーック」(6920) の週足推移

この時期に、レーザーテックは「EUV」を利用したフォットマスク装置を開発しています。EUV(極紫外線)と言うのは、波長が短い(13.5nm)光です。nm(ナノメートルとは10億分の1メートル)100センチが1メートルだから、1000ミリが1メートルですね。もう混乱をする…世界の話です。このEUVの開発の成功が、世界の「フォットマスク」市場の覇権を握ったのでしょう。株価は、その時から爆上がりを始めます。

「レーザーック」(6920) の日足推移

2019年の開発の後は、一度も、株価が200日線を割れたことがなく…上昇相場を続けています。いずれも…株価が200日線に接近をすると「買い場」になっています。カタルはチャートの基本は、この200日線の「傾き」にあると思っています。

目先を追うなら、間違いなく…この傾きが「右肩上がり」のものから、銘柄を選択しなくてはなりません。多くのケースでは、この「200日線の傾き」が重要です。当然、この200日線との乖離状態が問題になりますが、高い乖離を示した株は、その後も強い動きをします。目先の売り物を吸収すると…値上がりが継続するものです。

仕手株と言うか…変動率の高い株は大概、大きく上がった後、「初押し」と呼ばれる場面が、買い場になります。ロコンドが、何処まで下押すか…分かりませんが、今回の「好業績の発表」からの「初押し」の場面です。諺には「初押しは買い」と言うものがあります。

でも…乖離が高いことも事実ですから、相場の参加には注意を要します。でも基本は企業業績の推移です。このレーザーテックが継続的な上昇波動になったのは、このEUVの開発が背景にあるのでしょう。事実、この開発を切っ掛けに、2019年からの売り上げの伸び率は35%、47%、65%増です。3年続きの大躍進です。

カタルはレーザーテックを批判していますが、市場の評価が今は高すぎると思っています。しかし…一般的には、まもなく「在庫調整も峠を越える」と言われています。そうすると…今回の下げ場面が、買い場の可能性もあります。

でも…これだけ大きな相場の後も「上がり続ける相場」と言うのは記憶にないのです。通常は3万6千円台の高値を超えないものです。この在庫整理は、この4―6月期で終了すると言う解説が一般的です。

アップルの決算数字を観ても分かりますが…今度は、インドが市場経済に加わります。世界一の人口を持った国です。だからMLCCを抱える村田製作や、東邦チタンは二つのエンジンが稼働をし始めます。MLCCとチタンです。大阪チタンの相場を後押しする役目になるかもしれません。

相場と言うのは微妙なのです。どうしても…大阪チタンは東邦チタンの株価と比較され…足を引っ張られます。片方が悪いと全体の相場も影響を受けます。大阪チタンの立ち上がりが遅い理由は色々考えられます。仕掛け筋の野村の在庫整理の遅れ…ボーイングの株価との連動性、更にこの東邦チタンとの絡みです。考えられる理由は、色々あるのですが…そんな邪推をしても仕方ないのです。

「市場の整合性」は、微妙なのですよ。

米国株を観ても分かりますね。地銀の整理は、基本的に「SVB問題」が表面化した時に終わっています。しかし相場全体は、インフレからの金利高の局面で「逆金融相場」の状況ですから…基本的な相場観は、悪いのです。故に、これまでの期間で…多くの市場参加者の心が痛んでいます。だから基本的に解決した問題でも動揺するのでしょう。

カタルは「市場要因の悪化」と…さんざん述べています。そうして戦略として「薄利多売買」を謳っています。それなのに…多くの参加者は、少し株価が上がると…もっと上がると思っているようで…読者の人は、自分の考えを相場に押し付けます。 Jトラストが伸びず…KPPGも同様です。僅かな…利食いを吸収できません。このバランス上に、相場は成り立っています。

カタルは個別株要因より「市場要因が優先される」と述べています。その割合は6割程度が、市況に影響されると言っています。市場の整合性の話を、何度もしているのに…もっとお互いに賢い投資家になりましょう。

しかし…ね。日本市場は非常に恵まれた市場ですよ。おそらく…世界一の好環境です。アップルの数字を観ると、その意味が理解できます。インドは地理的に日本に近いのです。アセアンは、昭和30年代の躍動する日本と同じです。3種の神器の時代です。力強く成長をする段階なのです。怯むことはありません。

いつも強気のカタル君、ワハハ…と笑えるときは、もう直ぐやって来るのでしょう。本日はレーザーテックを題材に、移動平均線の「傾き」を述べています。こんな成長株が見つかったら、独り占めしないで…カタルにも教えてくださいね。

基本的に、成長株とは…新しい時代を「切り拓く」産業の「雄」を言います。EV市場の中国のBYDはすごいですね。このニュースを観ただけで…既に、あのテスラが「後塵を拝している」のです。トヨタなど…が挽回できるか世界か、どうか…は、疑わしい壁です。

連休を使って、この5日間、簡単な株式教室の意味を込めて…基礎講座を設けました。正直、書いているカタル自身も、「今一つ」の出来です。でも株価は、何も需給バランスだけで決まるわけではなく…今回の特集での主眼は、「背景に流れる条件」、「企業業績の動向」が、非常に重要だと述べたかったのです。

高いPERを獲得する企業は、やはり…売上高営業利益率の高い企業なのです。本日、題材にしたレーザーテックは、この11年間の平均は30.79%です。この3割が基準になるのでしょう。小型株の場合は、PERが30倍以上の評価は「当たり前」で、50倍程度でも良いのでしょう。事実、このレーザテックは長い期間、PERが100倍を超えていました。ですが…既にレーザーテックの発行済み株式総数は1億株近いです。1000万台の発行済み株数なら、高い評価も得られます。

基本は「経営者の資質」でしょう。まぁ今年は楽しみです。

ロコンドの田中君が、果たして…年末までに減額修正をしないで…「増額」に持ち込めるかどうか…。この121円の一株利益目標は、かなりのハードルだろうと思っています。でも年末には笑えるかもしれません。

仮に増額なら…その時は、新高値の4180円を超えます。だから継続的に手掛けることをお勧めします。ただし目先は「乖離が高い」ので…分散投資で、ブツブツ言いながら、下値を買うのが良いのでしょう。決してカタルのように、無理をしてはなりません。遊びで良いのですよ。100株なら、たかが17万円程度の話ですからね。最初は、なんでも批判などせずに。先ずは「参加」に意義があります。

どんな一歩も、「先ずは参加」です。それから…考えれば良いのです。カタルはいつも前向きに「ポジティブ」なスタンスです。先ずは「起こった現象」を批判をせずに…受け入れます。しかし…何故、レーザーテックを買う機会が、なかったのでしょう。SUMCOなどの市況ものをやった時に、何故、取り上げなかったのか…トホホのカタルです。また明日。

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