人間と言うのは困った動物です。多くの人は常に自己本位で物事を考えます。まぁ、みんなそうなのですが、その度合いが極端の人が居ます。昨日テレビを見ていたら、人間は4歳になると…他人との関わりに対して、「配慮する」ことを学ぶようです。他人の気持ちを考えてばかりでは、自分と言う存在が消えてしまいますが、この時期に他人への配慮をしっかり教育することが大切なのかもしれません。4歳児の共同生活を見ていてそう感じました。
カタル自身の人生は「失われた時代」で挫折を味わっていますから、カタルの心も卑屈になっています。だからレポートを読むと、随所にねじ曲がった思想と言うか…捉え方があると感じられる人も多いでしょう。日本のように…こんなに長く、株価が新高値を更新できない国はだぶんないと思います。
カタルが上京した1989年、平成元年は歩合生活でお金を稼ぎ、そのお金を持っていき、中国で事業をしようと思いカタルは歩合生活を始めました。その為の準備もしたのです。でも急激に下がり続ける株価を前に、どんな努力も無駄に終わり、途方に暮れ…気持ちが暗くなった1995年1月に阪神大震災が起こります。そうして立て続けに3月に地下鉄サリン事件です。
そうして…1997年は拓銀などの大手金融機関が消えていきます。山一証券の会見も悲惨でした。「社員は悪くありません。」なんて弁護は通用するのでしょうか? 山一なんか…恵まれています。小さな証券会社の社員は退職金ももらえず…もっと悲惨だったのです。
ITバブルは1999年~2000年はカタルが上京して以来、初めてかな? 年収が1700万円を超えて、ようやくこれで終わった、正常に戻ると思ったのも…つかの間の宴でした。直ぐに大手金融機関の倒産騒ぎに落ち込みます。あの「みずほ」が倒産すると株価が10万円を割れていくのです。
カタルはその様子を見て、腹を括りました。そうして倒産すると言われた「みずほ」を買い続けます。その戦略は見事に成功し…顧客の資産はどんどん増え続け…3億円が40億円に膨らんだのが、絶頂期でした。テレビ出演や講演を依頼され…連日、宴会のセットです。収入もどんどん増え続け1億円の大台を超え始めます。
世の中は上手くできていますね。良い時期は長く続かずにリーマンショックです。途端にベンチャリなどで増やし続けた40億円が泡と消えました。最後は、おまけに特別税務官のお出ましです。サラ金から借金をして800万の追徴を納入しました。
その後、再び日本経済は低迷し、とうとう日産マーチがタイへの生産移転を決めます。この当時、どうして輸送費が賄えるのだろう? 100万円の自動車をタイから日本に運び、採算に合うのかどうか…不思議でした。
実はプラザ合意が、世界の製造業にとって転機になっています。あの少し前、日本の村論理の素晴らしさが絶賛されています。ジャパンアズNO1と持て囃されていました。年功序列、終身雇用の制度が称賛されていたのです。そうして、その直後に日米貿易摩擦問題が起こり、日本車は目の敵にされ…叩かれます
同時期にTSMCが誕生します。そうして受託生産を開始するようになりました。その頃にファブレスやEMSなどの仕組みが構築されていきます。アップルの受託生産で飛躍するホンハイこと鴻海精密工業などが躍進する時期です。でも日本は労働争議に揺れていました。パイオニアの指名解雇事件は1993年の出来事です。とうとう…嘗ての名門企業は消えていきます。
カタルは、様々な日本に残る村論理に疑問を感じています。成功事例より失敗事例が多いからですね。ゴタゴタを続け…最後はパイオニアのように消えていきます。形を変え残ったシャープも似た事例です。今の東芝も同じような風土が背景に存在します。
噂は消えたように思えますが…日立がどうするか、見ものです。企業統治の関係で日立化成や日立建機など傘下に抱えています。日立が目指した優良企業だった米国のGEは、今は「塗炭の苦しみ」に喘いでいます。
1997年頃だったと思いますが、カタルは一度、日立本社を訪れて社長室長に面談し、IRの大切さを説いたことがあります。そうしたら、びっくりすることに、日立は変わらないことが社風だと述べていました。伝統を重んじる体質だと自負していたのです。
その当時のソニーも同じような対応でした。部長クラスで他社の動向を気にして、横並び姿勢を主張していたのです。ソニーは斬新な企業イメージだったのですが、一気に覆りました。
あの頃、カタルは起業すべきだったかもしれません。でもITバブルが起こり始め、食えるようになったので…起業して転職をすることを諦めたのです。もともと株が好きでしたからね。失われた時代は…動く株がないのです。2010年に日産マーチの生産移転が決まります。この時は動く株が皆無でした。その時にユビキタスが動き出したのです。カタルは800円で株を買い、何倍にもなる株に踊ったものです。でもこれも一時の宴でした。
その頃…カタルは「陰の際」をイメージし、日銀の緩和姿勢を待って、証券マンの現役生活を辞める決意をします。その年は11月まで証券会社に在籍しましたが、年収は1000万円を超えており…なんとか食える生活だったのです。しかし…かなりの借金はありました。
それから…2年後に安倍政権が誕生し、量的緩和がスタートされ、黒田さんの主張は、見事に落第です。如何に、「失われた時代」の認識が甘かったか…が分かります。株価はある意味で正直ですね。カタルはデフレの関門を22750円だと述べています。
今の株価は21000円台ですから、その関門をクリアしてないのです。日本経済の分岐点の株価評価は、この22750円を常時上回り、この22750円が最低株価ラインにならないと名目時代の確立とは言えません。
カタルの認識は、ようやく…新時代へのステップアップの準備作業が終わったイメージです。やはり歴史認識は正しかったのです。
黒船来航(1853年)から明治政府のゴタゴタが終了する西南戦争(1877年)までの時間推移は25年間です。今回のバブル崩壊は1989年から今年の元号改正は2019年ですから30年間ですね。
この30年の歳月と言うのは、現役世代が交代する時間推移です。社会の価値観が転換されるのです。人類の生活感がスマートコミュニティーの導入により大きく変化し、昔の考え方が通用しなくなるのでしょう。まもなく…来月になると新元号が発表され、一気に新しいムードに変化するんじゃないかと思っているのです。
日本人は、特に…ムードに流されやすい人種です。自分と言うものがないのですね。「赤信号、みんなで渡れば怖くない」という集団心理が働きやすい教育を、ずっと受けてきました。同じ制服に同じ規則で行動する。金融庁などの政策運営も同じです。箸の上げ下げまで指導するほど…暇なのでしょうか? 東京地検が法律の基準なのでしょうか?
ゴーン事件の経過も面白いですね。カタルは当然の所得だと思っています。あの落ちぶれた日産を、ここまで立ち上げてきた功績は、非常に大きなものです。ただゴーンは日本人意識に配慮して、遠慮した形をとったので…今回の事件になりました。正当な報酬だと主張すると社会の批判がある為に隠したのでしょう。
日産自動車の連結従業員数は14万人近いのです。家族が3人から4人とすれば、50万人の生活を支えた経営者です。それに引き換え…能力のない西川社長などの卑劣な行動はやはり許せません。武士道があるとすれば…どうして正々堂々とゴーンに立ち向かわなかったのでしょう。相打ち覚悟でゴーンと正面から向き合うべき生き方が人間の歩みじゃないかな? 勝てば官軍と言うけれど…やはりカタルは「負け組」の精神構造なのかな?
投資の世界は、こんな…甘ちゃんでは、ダメなのでしょうか?
かたるは新元号改正から、一気に流れが大きく変化していくと思っています。それが時代背景を考えた流れなのでしょう。ようやく…長い清貧思想の「失われた時代」が徐々に消えていきます。面白いですね。この時期に…様々な象徴的な事件が起こり、時間が流れていきます。
有料会員の方は、昨日遅くに…原稿をアップしましたから、お読みください。