昨日、会員向けのレポートを書いていて…思ったのです。奇しくも…本日の日経新聞の6面のアウトルックで、川上さんが、22750円奪回のカギは「業績相場への移行が鍵」だと…見出しがありました。みんな…現状を、分かっていませんね。
一面では合っているのですが…、一面では間違った解釈をしています。景気循環には様々な波があり…それぞれの波が重なるときに、相場が大きく振幅します。経済の教科書にはキチンの波、ジュグラーの波、クズネッツの波、コンドラチェフの波という、在庫投資、設備投資、建設投資、技術革新などの波の上下があると解説されています。
カタルは、邦銀株の上昇を見て思ったのです。ようやく眠っていたお金が動き出すのかな?
…と。この話は、前からしています。失業率の低下(3%割れ水準)が人手不足を生み、省力化投資が、待ったなし…に行われています。加えて…電通問題が生まれ、様々な日本の制度疲労が問題化しています。日産自動車や神戸製鋼など…みんな一緒なのです。東芝などの不祥事は時代背景が生み出した現象です。
もう…日本経済は、「待ったなし」の分岐点に、追い込まれているのです。米国では、一早くにスマートコミュニティー現象が広がっています。グーグルやアマゾンは時代を大きく変えています。この波はコンドラチェフと呼ばれる「産業革命」以上の歴史的な技術革新の変化です。同時に狭い意味では、川上さんのように…在庫循環や設備投資の業績相場の話が進行しています。
ようやく…リーマンショックを超え…世界の中央銀行による量的緩和が金融規制という壁を乗り超え始めています。だからFRBはテーパリングへ、そうしてECBも追随し始めています。日本は村論理が強く…なかなか体制転換が出来ないのです。「サービス残業」は良い事例です。電通事件を切っ掛けにヤマト運輸の値上げになり、一気に時代の波を受け入れ始めています。だって失業率が3%割れですからね。待ったなし…なのです。
此処に…眠れる資金があります。希望の党が、指摘した内部留保課税…で海外勢が気づいたのですね。さすが優秀な連中です。時代の分岐点を、上手く捉えています。
ケネディクスが、何故、今年の春に「エリオット」が大量買いを実施したか? 時代が動くからです。カタルは、この現象を実質経済から、名目経済への転換と述べています。様々な格言を生み出しています。「実質時代は常に利食い、場合によれば空売りが正解ですが…名目時代は常に買い増しが正解だ」と述べています。そうして「初押しは買い」だとして、ユビキタスで、実験を先行させています。
教科書では金融相場は金利を下げると…企業は有利な金融環境を利用して設備投資をするのです。同時に政府などは、財政出動を実施して景気を刺激します。つまり…有利な環境と実需を呼び水にして、景気を刺激するのですね。
だから金利の下げが…やがて業績の向上を招くから、早めに株価は上昇します。赤字の段階で、相場がスタートするのは、そういう理屈です。しかし今回は…いくら日銀が資金を供給しても、嫌がる馬に水を飲ませることなどは、出来ません。それはこれまでの数々の失政の為に、企業は懲りに懲りて…安全策を優先させ、内部留保の確保に走ってきました。ケネディクスも、この2年~3年間は、そうでした。でも今は違いますよ。積極派に転換しています。
だって金融庁は、必要な設備資金でも、貸し付けてはならないと…述べていたのです。その為に「ベンチャーリンク」は、無借金企業だったのに…倒産に追い込まれました。
馬鹿政策ですね。バブル期に土地を担保に120%融資を認めていたのに…厳格な経済環境で資金を絞るのです。こんな馬鹿な政策が連続して実行されていました。とうとう…企業は呆れて海外流出します。日産マーチのタイでの生産移転はそう言うことですよ。ますます空洞化しましたね。
でも流石に、輸送費が出るかどうかの小型車の海外生産は、行き過ぎでしょう。同時に中国は日本の失われた時代のなかで…日本に代わり、世界の生産基地化して、人件費が高騰してきました。だから「渡り鳥現象」が生まれました。中国からベトナムなどへの生産基地の移転が始まりました。だから中国は構造転換を急ぎ…今は半導体などの工場を積極的に作っています。故に…Vテクが急騰したのです。
時代を「つぶさ」に…観察しなければなりません。ここで「馬場レポート」が活きてきます。失業率が3%を割れ、待ったなしの行動が、資金移動に繋がっているのです。企業の現預金残は254兆円もあるのです。GDPが600兆円に届かないのに…よくため込んだものです。更に…当座預金残には363兆円も、眠れる資金があります。金融庁の馬鹿さ加減が分かります。日銀が、折角、一所懸命に資金を供給しているのに…金融庁は資金を動かさないように…取り締まっているのです。馬鹿ですね。政策がチグハグです。
でも分からないでもないのです。米国でも同じことをしています。ドッド・フランク法などの金融規制やFRBのリーマン級を前提としての行動指針計画の規制など…どう考えても、「水と油」の政策が実行されていました。このような微妙なバランス感覚で、世の中は動いています。
さて…ここがカタルらしい発想です。仮説ですが…当たっています。浦上さんの書かれた相場サイクルの見分け方には…金融相場の特徴が書かれています。カタルは昨日の有料会員向けのレポートで、今は、オリンピックが財政出動にあたると…述べ、いくつかの銘柄を紹介しました。様々な…景気循環の波が、一色端になって…日本を飲み込んでいます。だから総花的な全面高相場になっているのでしょう。
浦上さんの書かれた本の時期は、バブル期だったかな? だから…今日のような「流動性の罠」を想定して、書かれていないわけです。しかし「金融相場」の基本は、金利が下がることで…資金が動くことが前提になっているのです。この2週間の動きは、明らかに金融相場の色彩が強く、市場に表れています。
冒頭、カタルは、様々な景気循環の話をしました。スマートコミュニティーという技術革新の波もありますね。ユビキタスは、その代表的な会社の一つです。一方、ようやく滞留していた資金が循環し、「実質経済よ、さようなら…名目時代よ、こんにちは」…と時代が大転換を迎えます。「1300兆円の逆襲」相場が、これからスタートしますね。
だから日経新聞の川上さんの解説は、片手落ちだと述べているのです。一面を見れば…アセアンの活動が、世界の中央銀行の量的緩和の恩恵を受け、所得が向上し消費が伸びて、世界経済を活発化させています。故にKKRはインドネシアの投資を増やしています。だから最も正しい政策は、安倍さんは、米国にTPPの参加を呼びかけ…RCEPも同時進行させるべきです。中国経済の参加も促すことです。
習近平体制が強化され…指導部の意向が重要視されていますが…市場原理の発展が勝るのか? どうか…。興味がある処です。優秀な権力者が、正しい運営をすれば…それに勝るものはありませんが…必ず、権力は腐ります。人間という動物は、2年もすれば…新しい環境に慣れます。時間が、すべての問題を解決するように…習近平体制も、市場原理には敵わないと考えています。でも今の中国指導部は…非常に優秀です。日本と…えらい違いです。
経済成長率の差は、政策指導部の通信簿です。株価もそうですよ。今週、22750円を抜けるかどうか…分かりませんが、ようやくアベノミクスが、始動し始めるのです。長かった「失われた時代」も終末期を迎えました。早めに、実質経済の投資体制から…名目時代の、株は常に買いだと言う、買い増し行動に切り替えることを、お勧めする次第です。
カタルの時代認識が正しいとすれば…実験中のユビキタスはストップ高を交える急騰相場を演出する筈だし…日本経済の根幹を変える「1300兆円の逆襲」は定着して、ケネディクスは4桁相場に舞い上がります。人材不足も夢テクノロジーも有望ですね。何しろ、この変化率です。この数字は、先端を行く米国のグーグルやアマゾンを凌ぐ変化率です。まぁ、相手は巨人で、こっちは生まれたての赤ちゃんだから、変化のスピードが、速いのは当たり前ですが…。
さて市場をよく観察すれば…様々な現象が、確認できます。カタルレポートを参考にして自分の頭で考えて…行動してください。なにも賛同をする必要はないし…、一緒の行動をしても構いません。それぞれ、読者の自由なのです。中国共産党のように行動を縛るものではありません。自由な市場原理こそが、勝者になることは、歴史が証明しています。それでは…また明日。