金融政策の加速

昨日は「市場の整合性」の話を展開しました。最近、引っ越しに作業の中で、昔の本が出てきて…カタルが上京した当初、読んだジョージ・ソロスが書いた「相場の心を読む」と言う翻訳本が出てきました。翻訳なので…意味の伝わり方が今一つ、更に当時のカタルの知識はおぞましいほどのレベルですから、この再帰理論を読んでもサッパリポンで、ほとんど読まなかったのですが、流石に自分自身のレベルが上がったのか…彼の論理に共感する部分が数多く発見できます。面白いものです。

冒頭の「主体と客観」の考え方などは、情報の捉え方は、それぞれ読者の問題だと説いたカタルの解釈と同じです。相場を考える時は、どうしても自己本位になりがちですが…相場はみんなが創るもので客観的な評価のものです。だから情報の捉え方もそうですね。やはり労せずに金儲けをするのも、大変な努力が必要だと言う事でしょう。

カタル以上に稼いでいた歩合セールスは、個別株ではなく先物相場をやって稼いでいたようです。アプローチの仕方も多様です。この本のジョージ・ソロスは、まだ生きているんですね。1930年8月12日生まれですから、カタルより25歳上です。もう90歳になるんですね。この本が出されたのは1988年ですから、彼が58歳の時に書かれた本です。彼は空売りを好みました。実は空売りの方が、確率的には…簡単なんです。問題は数少ない間違いを犯さないかどうかのリスク管理の問題です。

最近バフェット(1930年8月30日)は「世界が変わる」と言い、航空機株を手放しました。調べてみて…驚きました。ジョージ・ソロスと同じ年で、しかも誕生月も一緒です。不思議な繋がりです。

さてカタルはかねがねコロナの後は「バラ色相場」で述べています。その理由が本日の日経新聞にも報じられています。基本的に経済活動は「スピード」と「量」の話です。コロナはこのスピードを大きく減速させブレーキを掛けました。世界経済は、再起動と言うか…昨年の9月頃を基点として新しい時代の模索をし始めていたところ、コロナ禍に見舞われました。コロナの収束は時間の問題でワクチン開発は来年でしょう。年内と言われていますが、ワクチンは副作用問題もあり、充分な検証作業が必要です。

色んな資料を読んでいると米国では、今回の失業補償の方が働くより収入が多い人がかなり居るとの事です。かなり手厚い給付金です。更に…FRBはジャンク債まで対象に入れ、ボーイングなどはこれに乗じてCPを発行しています。コロナが勝つか、金融・財政政策が勝るか? 

どちらが有利かという話です。カタルはいつもの事ですが、後者が有利だろうと思っています。二次感染の拡大の中にはウィルスの変質もあるかも知れません。予期せぬ、事態は必ず生じますが、カタルはいつも自分の信条に沿って生きています。

だから当然、この方針はブレません。だからパッパラパーなのです。昨日、ECBが提案したマイナス金利で市中銀行への融資するアイディアはなかなか優れたものだと思います。日銀の政策は手詰まり感があります。まぁ、もっと大胆な行動を取ればインパクトはあるのでしょうが…黒田さんも常識人ですからね。

基本はリーマンショック後に起った金融機関の自己資本比率規制問題です。ガチガチなんです。この為に折角、中央銀行がマネタリーベースを増やしてもなかなか乗数効果が生まれずに、マネーストックは大きく伸びません。カタルは前から、この総量規制を批判しています。ですが…カタルがいくら主張しても意味がない事です。主体と客観の話ですね。

それでも…マネタリーベースを増やせば、マネーストックに影響を与えます。今回のボーイングのようにジャンク債級のCPが発行できるのです。確か…250億ドルです。

すごい金額でしょう。通常はこの量を消化するのは大変です。このように…政策動向次第でコロナ禍の悪影響を抑えられ、スピードが鈍りません。日経新聞によれば、トランプは更なる景気刺激策を模索していると言います。

NYダウ平均株価の日足推移

だから昨晩は原油価格も持ち直し…NYダウが反発したのでしょう。チャート論からすると…この揉み合いを下放れせずに、このままに上昇を続ける形が、一番、強いのです。まぁ、SP500の方が綺麗ですが…此処ではNY30種を用いました。

米国のマネタリーベースの推移月次3月末まで

ここで重要な点は、FRBの流動性供給です。その米国のベースマネーの推移を見てみましょう。順調に伸び始めています。今後さらに加速する事は既に決まっています。でも日本は、なかなか現状の政策ではマネーストックの増加ペースが上がりません。

日経新聞がROE経営を批判したり、現状認識がなく「清貧思想」を広めている為に生まれた「引きこもり症候群」と言うか…マイナス思考の為です。何故、カタルは日経新聞が、あんなROEの記事を掲載すると…途端に噛みつくか? 全く理解してない馬鹿が、日本に大勢いるのです。その為に生まれたのですよ。電通の高橋さんを自殺に追い込んだのは、メディアが殺したようなものです。

パイオニアの指名解雇事件が起きた時に、メディアは終身雇用の維持を声高に叫び、日本の構造転換を阻んだのです。だから失われた時代になったのです。自分達の行動がどんな社会現象を生んだのか…日経新聞の上層部は猛反省をしなくてはならないのです。

株式投資を真剣に考えると日本の矛盾が見えてきます。哀しい事です。政治家が怒る訳です。講演の一部分だけ…都合よく抜き出して、それをダシに発言を叩きます。良く聴けば分かるのに…メディアの連中はクズですよ。

社会のダニのような存在です。だからフジテレビの日枝が、ライブドアのホリエモンを敵視して…村論理であそこまで追い込んだのでしょう。地検の国策逮捕は官僚の驕りにも見えます。

だから…安倍さんの黒川人事にメディアが噛みついたのでしょう。国会で問題になったのは、そういう背景でしょう。日産自動車のゴーン逮捕は、カタルは行き過ぎだと思っています。国の方向性を決めるのは難しいです。しかし…結果論が全ての筈です。

失われた時代を構築した村論理は、方向性が間違っていたのは事実でしょう。その為に国民は疲弊しました。何故、日経平均株価がバブル期の38915円を上回ることが出来ないのか? よくその背景を考えるべきでしょう。情けない連中ばかりが上に居ると思います。

マネタリーベースの推移(日銀より)
マネーストックの推移

ついでに日本のマネタリーベースの前年同月比のグラフとマネーストックのものを掲載しておきます。基本はマネ―ストックの伸び率を如何に、高めるか?

その為にどんな政策が必要なのか? この伸び率が高ければ、みんなの給料が上がり、日本国民は豊かになり、寛容な社会に変化します。今回のコロナ禍を切っ掛けに新時代の幕を、いち早く開けて…その動きを加速させねばなりません。内輪もめをしている場合ではないのでしょう。それでは…本日はこの辺で…。



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