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相場の強さを観るには個別株の動向は重要です。今なら市場人気になっているZOZO(3092)の株価動向が重要なのでしょう。200日線をクリアして、これまでの事例のように…株価は「お辞儀」をするかどうか…。今は重要な場面です。

ZOZOの日足推移

同時に昨日解説した「裁定買い残」などの話は指数の話です。近年はETEなどの投資信託が主流なので…その動向を反映したものでもあります。カタルが思うには、やはり全体の相場が堅調にならないと…どんな個別株も駄目だと言う印象を持っています。

今年も…昨年同様に早くから、駄目相場と諦めていました。故に可能性があるのは「仕手材料株」と呼ばれる強弱感が対立する銘柄を選択しました。この意見対立が相場を支えますが、このラインの千代化やJトラストも…その後の動向をみれば、推して知るべしです。

逆業績相場は、基本的に現実悪を再認識します。逆金融相場は漠然とした未来の不安を売るものですが…その不安が現実化するのが、逆業績相場です。

基本的に新興企業のような小型株は、企業の懐が浅いので…逆風をもろに受けます。それに引き換え…大企業は懐が深く決算操作も容易です。だから下値抵抗力と言う観点では、大型企業の方がマイルドな下落になります。

米国債10年物の利回り推移

現状の米国金利が示すように3.2%ラインから、1.6%ラインですから、既に半分程度まで金利は下げています。このペースは非常に早いですね。情報化社会の進展スピードの変化を感じます。

ドイツではゼロクーポンの30年債の入札があり1/3程度の消化で、札割れだそうです。此方です。いくら信用力の高いドイツでも、利札がない国債なんて…同時に財政状況が悪い筈のイタリア国債の利回りは1.307%だと言います。いくらECBがイタリア債を買うと言っても…米国より低い利回りとは恐れ入ります。

ドイツのゼロクーポン入札とイタリア国債の話、何れも市場にはジャブジャブにお金が存在する状態を示しているのでしょう。お金がないから、景気の状況が悪いのではなく、一番の問題はマインド問題でしょう。トランプやブレグジットなどの社会現象が世界経済の軋轢を生む原因と考えられます。この背景はパラダイムショックに付いて行けない人間の恐怖でしょう。

安倍さんのホワイト国問題は、今の所は明らかに空振りです。日本の主張は通らず、逆に反撃にあっている印象です。カタルは外務省の失態だろうと思います。日本国は過去、経済援助の形を通じて戦後補償をしてきました。タイト貿易とは言うものの…無償援助の形になっていることも度々あります。

でも韓国、中国の若者は、この事実を知りません。逆に戦争犯罪の過去の過ちばかりが強調されています。何故、CMなど色んな方法があると思いますが…現地国に対して外務省はPRを実施しないのでしょう。

そもそも韓国や中国の若者だけでなく、日本人も過去において経済援助をして来た実態を知らないのではないでしょうか? 

日本人は兎に角…情報操作に疎い国民性です。本日の日経新聞の5面にはビッグデータ活用進まず…と問題提起されており、更に一面には、先日カタルが述べた話が報じられています。シェアエコノミーなどが、今度はGDP統計に加わると言います。今でも、クラウド上のサービスは統計から外れています。でも僕らのお金の使い方は大きく変わっています。

データを正しく知れば…畏れることはないのです。でも実際の数字を知らない人にとって…漠然としたメディアのニュースへの反応は、感情論で捉えます。この感情を過度に煽り、太平洋戦争に突入した日本は、戦争を始める前から敗北していたのです。

山本五十六は、米国への留学かな? 体験があり、米国の生産力を良く知っていたので戦争に反対していたと言います。でも陸軍のエリートは、関東軍の暴走さえ止めることが出来ず、戦争への道を歩みました。一時的な感情での行動は非常に危険なものです。

自分でデータを調べてみると…グラフを作る過程でも、考えながらデータを見るので理解が深まります。でも自分でデータを作らないと理解度はどうしても低下します。歴史的な考察が必要なのです。特に日本は…失われた時代と言う長~い「空白期間」があります。この時間調整は、どの国にもない現象です。30年間もの…空白の時間なのです。

10年ひと昔と言うほどですから、世代が完全に入れ替わる「失われた時代」の価値は、戦争体験にも匹敵するほどの試練だと思います。まもなく…物理的にその空白期間が破られます。

事例としては…渋谷東急の再開発や、昨日WBSが報じていた森ビルの虎の門・麻布台の再開発など…。新しい時代を思わせる事業です。5800億円規模だそうですね。

でも関連を含むと…兆円規模に膨らむのでしょう。もともと東急は早くに開発に着手しました。森ビルもダヴィンチの時は、倒産が囁かれていましたが、ケネディクスとは違い、積極性を失いませんでした。 2年の時間空白は大きい違いです。ケネディクスのAUMを馬鹿にする連中が居ますが、都心でこの規模の資産を集めるのは大変ですよ。自分でやってみないから分からないのです。

カタルはバブル期の地上げの現場の末端を知っています。地上げをするのは大変なのです。下積みが5年や10年で、きけば良しでしょう。そんな時間なのです。六本木だと思いましたが、マンションの買い上げの場合、2室が残り、最後は…その人物が死ぬのを待って、遺族と交渉して再開発が決まりました。お金があるから、簡単に開発が進むわけではありません。現場を知らないから、AUMの価値が分からないのです。

ドイツ国債やイタリア国債の話をしましたが、所詮、お金は紙くずです。東急や森ビルが先頭を走れば…地所も三井不動も動いています。インバウンド需要から日本人の村意識が薄れると…東京もグローバル化する可能性が高まるのでしょう。失われた時間と言うのは、人間の感情を変えさせるのに…充分な時間感覚なのでしょう。

カタルはまもなく、本格的な名目時代の幕が上がると思っているのです。でもなかなか…三菱UFJの株価は、その兆候が出てこず、地固めを演じています。諄いほど…下値固めをしている印象です。でも今回は「機が熟している」と感じています。何しろ、企業の内部留保の積み上げはGDPに迫る規模に膨らんでいます。

また日経批判になりますが…7面のJPモルガンのダイモンの意見を採り上げ、株主・第一主義を批判しています。見出しだけ読んだのですが…たぶん、そうでしょう。日経はこの手の記事を好みますね。すぐに反応します。

でも日本のROEは米国に比べ、どうなのでしょう? 12%にも届いてないのです。効率化が進んでいる米国と日本の違いも論じないで、直ぐに部分的に取り上げ、国民を騙すやり方は、馬鹿メディアの体質そのものです。今、記事の内容を読みましたが…慎重な言い回しでした。問題提起の主張でしたね。

でもこの内容には、効率性のROEの考え方が抜けています。自社株買いなどは、株主・第一主義の面もありますが…その資金が新しい産業の支援に回るのです。新陳代謝を高めるのです。だからM&Aを含む、株主の利益を考えることが…経済を活性化させます。はやく名目経済の流れを定着させ、新しい時代の扉を開けないとなりません。

円高に脅え貿易収支を論じる感覚は、非常に遅れている観方に思えます。円高は利用価値があるのに…それを実施しないと言うか、拒むメディアの論調は間違った方向性を示しています。自国通貨の劣化を望む民族が居るのでしょうか? 円高を嫌う国民性は、何処が歪んで見えます。海外資産が安く買えるのですよ。Jトラストは正しい方向性でしょう。

せめて…カタルの読者の皆さんは、カタルレポートも、当然ですが…全てのレポートを、自分の頭で理解して、その内容を独自に噛み砕き、利用して欲しいと願っています。そうすれば…みんなのレベルが上がり、日本全体が豊かになって行きます。間違ったメディアの論調も批判できます。

米国のPMIの話を忘れていましたね。此方です。これは英国のHISマークイットですが、シカゴ購買部協会もあります。色んなところが、同様の指標を出していますから…分かりにくいのです。少し古いけれど…日経新聞の此方のグラフを観るとイメージが高まります。

更に737MAXの再開が4―6週間後と言う観測報道で…昨晩のボーイングの株価は上昇していました。チタン株の連動性があるかどうか。このレポートの他にも、年末に向けボーイングでは、人を集めていると言います。

様々な指標が出ており…事態は混沌としています。ターゲットなどの小売りは好調で、株価が上がったり…金融政策に対する判断は割れています。兎に角、判断は難しいですが、VIX指数のチャートが、その行方を語っている様にも感じています。たぶん、株価は上に向かうと思っています。それでは…また明日。

VIX指数の推移


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