集団が進化を加速させる

株式投資は「アイディアの世界」の「勝負の面」も持っています。市場に流れる「時代」をいち早く感じて…その方向性が「時代の趨勢」なら、その思考パターンを発展させれば良いわけです。

最近の事例では「エヌビディア」(NVDA)の急上昇が話題になっており、同時にHBM(High Bandwidth Memory)と言う非常に高い帯域幅(データ転送速度)を持ったDRAMが爆発的に売れており、SKハニックスやサムソンが注目されています。最近になって日経新聞も採り上げましたが…冷却装置の話は、まだ載ってないでしょう。

「Vertiv Holdings Co」 (VRT)のと 「エヌビディア」の株価比較

この冷却装置では「Vertiv Holdings Co」 (VRT)の株価動向を、皆さんに既に伝えています。この1年間に限るなら…エヌビディアより、株価は上昇をしています。まぁ「時間軸」を変えると、「エヌビディア」の方が、やはり有利なのですが…採り上げる期間により、読者の印象度は変わります。

時間軸を変えて…
「Vertiv Holdings Co」 (VRT)のと 「エヌビディア」の株価比較

まぁ原稿を書く「マジック」です。時間軸を変えたものも、提供しておきますか…如何ですか? 日経新聞など…メディアは正しい情報ですが、時間軸を変えるだけで、読者の「受け取る印象度」は、大きく変わるでしょう。これで、そのような趣旨に沿った原稿を書くと、簡単に、読者は「間違った方向性」に誘導されます。

だから…メディアの情報は疑って、自分でその「データの提供元」のサイトに行って、自分でデータを集めないと…駄目なのです。一つの報道の「検証」作業も大変なのです。でも自分でデータを作ったことがない人間は、メディアの主張を「鵜呑み」にします。

何故、カタルが「市場の整合性」の話をしているか?

一つの現象を。様々な角度の方向性から、検証をしないと…その相場の流れが、正しいか、それとも間違った解釈か…判断が尽きません。パウエルFRB議長の観方が、正しいとは言えません。間違っている可能性もあります。

故に、カタルは「市場原理」主義者なのです。市場は、年2回の可能性を訴えており、しかも深刻な事態の可能性もあり得ます。情報の観方と言うのは、難しいのです。

このAI革命を支えるGPUの冷却装置の話ですが、「ニデック」(6594)なんかは「Supermicro 社」へのサーバー用の水冷モジュールが売れている報道がされて…それ以降、株価は人気になっています。

更に、まだ市場の話題になっていませんが、この「ニデック」は「太陽誘電」と共に、電動アシスト自転車用モータを開発して1回の充電で1000キロの長距離走行と言う画期的な「FEREMO™(フェリモ)」と言う製品も生み出しています。

「ニデック」(6594) の日足推移

カタルが最初に注目した理由は、株価が大きく下がってきており、EV向けの「電動アスクル」の損失を計上した辺りでした。一般的な報道での解説では、「未来の可能性」が競争に敗れて…失われたから…株価評価を下げるものが一般的な解説でしたが、カタルは違う見方をしていましたね。まるで…逆です。早めに打ち切りを決めた永守さんの判断を称賛しています。まるで…市場の一般論の判断と180度違った観方から、株を推奨していました。

でもこの冷却装置の話も、電動アシストの話も、カタルが注目した当初は「分かりません」でした。あとで…報道されて、明らかになったのです。この影響もあるのかどうか…分かりませんが、最近の「ニデック」の活躍ぶりは、驚く動きです。誰が買っているか分かりませんが、大きなファンドが関与していることは、株価の動きから見て明らかです。

故に「押し目買いの対象」と書いた途端に…株価は反発をしていました。

カタルは時間軸を置いて…株価を休ませてから「やるべき」だと思っていますが、所詮、株価は需給バランスで、目先の値動きは変わります。ここでカタルが言いたいのは…カタルが事前に、株を当てた自慢ではなく…このようなケースが実際にあるのです。「後追い」で…「好材料」が連発するのです。これは偶然の産物ですが、時代性を加味して銘柄を選択しているから、偶然に訪れた「幸運」でもあります。

株式投資は「未来図」ですから、所詮は、誰も「未来」は分かりません。故にケース・バイ・ケースなのです。本日、メールを開くと…

「かたるさんいつも拝読させていただき有難うございます。ところで最近の保有株がパッとしません。特に日本製鉄、UACJなど3月には元気よく上昇したのですがここに来て下押ししています。この背景には政策保有株の処分があるのではないかと推定しております。

株式市場全体では政策保有株の削減はメリットの方が大きいのでしょうが売却される企業にとっては、自社株買いなどで対応できればいいのでしょうが、そうできない場合には一定期間は下押し圧力が勝るのではないかと危惧しております。このような推定は当たっているでしょうか?」…と言う質問メールがありました。

この読者は、相場をあまり「ご存じ」でないように感じています。

この2銘柄は「割安株」です。「日本製鉄」(5401)も「UACJ」(5741)も申し分ない…財務内容です。このような株価は、何れ…必ず、株価修正されます。先日、カタルが述べた「名村造船」(7014)のようなものです。

この手の株価が物色されるのは「好材料」が出たときの「短期間」の株価修正です。だから業績修正を報じられると一時的に人気になりますが、この手の人気の多くは、時間軸が限られます。故に、バフェットのような「金持ち時間」なのです。その内、株価は上がるのでしょう。でもいつかは分かりません。「仕掛け人」が関与すれば、「名村造船」のように、株価は上がるし…その関与がなければ…この程度の評価で埋もれます。

でも全体株の修正が起これば、話は別です。この読者のような疑問は多くの方が抱く共通する疑問であり、認識です。

でも…ね。八方美人より、個性豊かなブスの方が役者として売れるケースが多くあります。同じことです。割安株なんか…腐る程、あります。

レディースインナー販売の「シャルレ」(9885)なんか…どうして、こんな株価なのでしょう。買収できるなら、お金を、逆にもらえるのです。現金が128億円もあり、無借金に近いのに…何故、時価総額は70億円なのでしょう。市場は、明らかに間違った判断ですが、問題は誰が「猫の首に鈴」を付けるのか?

いつもカタルが話題にしている「仕掛け人」の話で、「時間軸の壁」の話です。

だから…必ず、相場になる「BASE」(4477)を、既に2年近くも…「買っては、売り」を繰り返して、挑戦しては「挫折」をしている訳です。難しくもあり…株式投資の面白さの部分です。

この読者の推察の…「株式市場全体では政策保有株の削減はメリットの方が大きいのでしょうが売却される企業にとっては、自社株買いなどで対応できればいいのでしょうが、そうできない場合には一定期間は下押し圧力が勝るのではないかと危惧しております。」と言う部分ですが、あり得ますが、それならTOBに遭う可能性が高くなります。

経営者は、事前に「持合い株の解消」を伝えられますから…対応策を講じるのが普通です。「トヨタ」(7203)のケースは1兆円の「自社株買い」とは、言うものの…実際はグループ企業の株式売却の受け皿です。ある意味で「トヨタ」と言う会社の社風です。最近になって、トヨタの「2次下請け」の苦境も伝えられています。

もともと…日産の「下請け企業」虐め…の報道ですが、業界の慣習であり、トヨタが、長年やって来たことを、他の企業は真似をしただけの話です。

「ルネサスエレク」(6723)の株価を観れば、分かります。今回のコロナ禍の騒動から、サプライチェーン問題が勃発しなければ…生まれなかった今の「ルネサス」の株価評価です。コロナが起きたから、たまたま…「値上げ」と言う「正当な主張」が通ったから、高収益に変貌をしました。日本製鉄も同じです。だから「訴訟」をしたのです。既に和解して撤回をしていますが…。日本的でしょう。

ざっと…解説しましたが、いちいち…応えるのは、大変なのですね。でも昨日、紹介した武者さんのビデオも…このような疑問も…カタルの進化に助けになります。

昨日、NHKの番組で、「ホモサピエンス」と「ネアンデルタール人」の比較が、話題になっており、「集団」が「道具」を開発した…と言う学説があるそうです。ネアンデルタール人は家族単位の行動で少数のグループだったけれど…ホモサピエンスは300人とかと言う集落をつくった集団で生活をしたから、道具の継承が出来て…しかも道具の進化が促進されたと言う仮説ですね。その解説がありました。

そうして…今、我々はインターネット云う情報ツールを手に入れて、情報が活発化しているから…AI革命が起きて、急速な進化を遂げています。

富士通のスパコン開発は遺伝子工学や実験のシュミレーション(模擬実験?)の進化を産み、時代がドンドン加速して早まっています。この話と同じです。カタル達が「市場をリードできる」時代が来るかもしれません。

このような読者、約5000人の「三人寄れば文殊の知恵」です。

皆さんからの「情報」メールを、お待ちしています。ただし…「画期的」なもの…だけにしてくださいね。くだらないメールは読むのも疲れます。カタルも、そう言われないように…ソロソロ…本日は「退散」です。あまり長いと…読むのも大変です。また…明日。



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