市場は、かなり落ち着きを取り戻しました。しかし金融界は依然、厳しい状態が続いているようです。クレディスイスは1兆円規模の増資を検討しているとか…。イギリスのスタンダード・チャータードは1/4の管理職(1000人)を削減するとか…の報道が続いています。基本的にカタルが述べているリーマンショックの後遺症が続いている訳で、これでは中央銀行の流動性を肩代わりする事は出来ず、なかなか新しい展開を迎えるには…時間が掛かりそうです。
今週は「サマーズ時間」の確認から、この認識が急展開に広がりを見せ、ほぼ一本調子の上昇でした。バーナンキ前FRB議長は、中国などの不確実性を観るためには、数か月要すると…述べ、実際にFOMCの議事録では、ボラティリティの上昇、低インフレリスクが指摘されたと発表されています。最近の6連騰のNY市場など観ると、かなり落ち着いています。市場では利上げは、来年の3月説まで予測が「後ズレ」し始めていますが…、市場(株価)の回復があると…12月の利上げも可能性が出てくるのでしょう。
アナウンスを発し、市場の反応を見て…政策が市場に織り込まれていれば、実行するのが自然の流れです。サプライズと言うのは、悪戯に混乱を引き起こし、強烈なメッセージを市場に与える場合に用います。2013年5月に、前FRBバーナンキ議長がテーパリング(出口戦略)を発表し、2年以上が経過しています。量的緩和を終了しただけでも…影響は、やはり大きいのでしょう。実際には…既に、利上げと同じ効果を発揮しています。代表事例は、WTIなどの商品指標でしょう。この影響は広がっていますね。サウジやノルウェイなどの金融資産運用にも影響を与えています。このような先行する懸念を消化し、今週はリバウンドしたわけです。
クリントン女史は反対のようですが、TPP合意は、中国へのけん制になります。オバマは米中首脳会談を受け、進展しなかった南沙諸島への軍艦派遣を容認したと伝えられています。一方、シリアではロシアの力が増し、オバマの弱腰外交を突かれています。米国の凋落は、最近の経済状態で少し挽回していましたが、依然。難しい選択が続きます。北方領土問題解決の「絶好の機会」とも思われますが、ロシアの姿勢は、相変わらず、強行のようです。更に、米国内も揉めていますからね。ベイナー共和党下院議長は辞任すると言う話で、米国の予算問題も浮上しているとか…。
今回のゴタゴタで分かったことは…IMFにより発表された対外資産負債残高の発表により、簿外の資本逃避があるとの…推測が成り立ちます。おそらく中国内の粛清の動きが影響を与えていると思われます。外貨準備の中身も、問題との指摘があります。我々の想定以上に、中国の実力は、強くないと言う事なのでしょう。何しろ、付け焼刃的な急成長なので歪みが、至る所にあります。最大はGDPに於ける固定資産投資の割合ですね。伊藤忠商事の分析では、2013年は47.6%程度と言われています。日本の公的資本形成割合と比較すると…、日本は以前、10%近くもあり高かったのですが、最近は5%を切っています。中国の異常値が際立ちです。少し統計にズレが在るかも知れませんが、感覚が分かれば良いのでしょう。
一方、中国の家計消費は36%で、政府消費は13.5%とか…。合わせると50%弱ですね。日本の場合は60%と20%となっており、政府に頼っている現実があります。未だに官主導なのですね。カタルの構想の一つである「PFI」や「コンセッション」の成長性が窺えますが…、果たして、軌道に乗るかどうか。関空などの事例を増やす必要性があります。ここに来ての…オリックス(8591)の戻りは、意外に強いのです。ただし、ここ3か月間の話です。三菱UFJの株価に、現在のオリックスの株価位置を当て嵌めると850円くらいのイメージかな? でも前半は、三菱UFJの株価上昇に軍配が上がっており、年間で見ると…同じような位置ですが…。
話しがコロコロ変わり、今日は主旨が、分かり辛いレポートですね。カタルの頭の中のパーツを並べているだけの話です。重要だと思われる要因を、いくつか掲げました。相場論と言うか…、相場の見通しと言うか…、構想と言うものは、このような断片的なパーツを組み立てて行き、整合性のあるシナリオを描くのですね。今日は訳の分からない話かもしれませんが、カタルの頭の中の解説かな? 例えば…中国の人件費が上がり、なかなか構造改革が進まないとしますね。そうすると、TPPの兼ね合いもあり、ベトナムに生産設備が移行され、あるいは国内回帰します。その全体像を思うと…。カタルが、以前、掲げたことがある「アーク」と言う会社の株価が、最近、強く見える理由の一端も、整合性が感じられます。
動意をみせる銘柄は、市場に多く存在しますが、その中から世界の経済環境に合い、企業努力をしている銘柄で、仕掛け人が関与している銘柄に絞り込むわけですね。それが継続的に市場の支持を受けるかどうかは分かりませんよ。しかし今日、列挙したようなパーツに整合性がなければ…、いくら現状が好調でも相場になりません。大阪チタンはボーイング社内の在庫が減り、世界にチタンと言う製品を供給できるのは、ロシアと日本だけなのです。だから、シリア情勢やウクライナ情勢とも、絡むわけです。勿論、輸出なので為替水準や、日本の電力事情にも影響を受けます。何しろ、チタンを作るには大量の電力が必要です。
更に、先日の習近平氏の訪米で、300機のお土産付きですね。中国にも工場が作られます。だから…大阪チタンは、欧州筋と思われる仕掛け人の存在があるので、相場になりやすいのですね。ついでに…幸い、今週は他の銘柄が急騰する中で、休んでいる株価位置です。分かりますかね。相場観と言うのは…このような組み立てになっているのですね。でも実際に、企業業績が向上するのは…、まだまだ先の話です。大阪チタンは半導体の面も有しており、此方の動向も影響を受けます。だから最近の信越化学やSUMCOなどの動向にも関連します。
多くの読者が、簡単に儲かる情報を…言いますが、仕掛け人本人たちも、結果は分かりません。あくまで実際に仕掛け、市場の反応を見るわけですね。パイオニアは、相場の形成途上に見えますね。何故、クラリオンや、JVCKWではないか…と云う感覚は、指名解雇事件などを切っ掛けにして、パイオニアと言う優良会社が、大きく凋落したからですね。ドン底に落とされた後の…今回の自動走行車は、チャンスだからでしょう。地図ソフトの資産もありますね。でも当然ですが、カタルの考えが間違っているかも知れません。ケネディクスは、今だって、カタルにとっては、輝いて見えます。
所詮、投資と言うのは、最後は自分の力量の範囲で、自分で決断する事なのです。誰から言われたとか…。強要されたとの認識では、とてもとても…投資する資格さえないですね。銘柄観ではなく、自分自身のコントロールの問題なのですね。今週は、カタルは何度か…システマチックリスクの話をしました。市場全体が回復すれば…どんな株も、必ず株価は上がるのです。自分の成績が悪いと言う問題は、自分の力量配分が出来てない為です。だからカタルは無理をしない方が、良いと…いつも述べています。信用取引をするなら、最大限、建玉全てを現引きして、更に、買えるような余力を持つべきですね。所詮、先の話は、誰にも分からないのです。カタルだって…勝手な予測はしますが、決して、自分の運用が上手く行っている訳じゃありません。何しろ、2年もケネディクスは横這いです。呆れますね。