今年の反省と来年

この時期になると、どうしても今年の自分自身の成績を振り返り…果たして自分が客観評価から観て上手く運用できたのだろうか? …と反省をします。その時の客観基準として、年初からの値上がり率上位の銘柄を観て…一年を振り返りますから、そのリストを作成しました。この条件は時価総額3000億円以上の会社で…30%以上の値上がりを示した企業を検索しました。その上位20社のリストです。

年初来の上昇上位の株のリスト(時価総額、3000億円以上)

考えて観ると…今年は米国の「CHIPS法」関連の銘柄が主体でした。しかし実際の半導体の価格は前半まで駄目だったのです。半導体は「期待だけが先行して」実際の業績は奮いません。しかし設備投資だけは、積み重なった受注が糧になっており大きく落ち込みませんでした。実際は、納期の「遅延要請」になっていますが、AI関係のサーバー需要だけの「特需」に沸きました。

「スクリーン」(7735) の日足推移

「スクリーン」(7735)、「ディスコ」(6146)、「マクニカ」(3132)は分かりにくい会社ですが…半導体の商社です。「アドバンテスト」(6857)、「ルネサスエレク」(6723)…「東京精密」(7729)、「エレクトロン」(8035)、「堀場製作所」(6856)は分析器の会社ですが半導体も、多少は関係あるのでしょう。そうして…「信越化学」(4063)です。

半導体関連の企業、約、半数が人気上位に名前を連ねています。

カタルの間違いは「半導体市況」に拘り過ぎて、米中対立の構図から発生するCHIPS法を軽視した為、人気に乗れなかったのでしょう。一貫して「レーザーテック」(6920)に対して…批判的です。そのレーザーテックは20位に入らずに64%の値上がりで25位でした。

「ゼンショー」(7550) の日足推移

「神戸製鋼」(5406)は割安株評価が強く…「ゼンショー」(7550)は「すき家」などの外食です。そうか…「TOPPAN」(7911)も半導体分野をやっていますね。マスクなどを手掛けており「日本酸素」(4091)も半導体関連と言えば…そうですね。やはり半数以上になります。

まったく…カタルの好みとは違うグループです。

「日立製作所」(6501) の日足推移

こう考えると、カタルは自分の相場観に絶対の自信を持っていましたが、実際は外れています。「日立製作所」(6501)は49%の株価上昇で順位は47位でした。

今年は検索リストを3000億円以上に絞ったように…比較的「大型株」が買われています。リストの中には「トヨタ」(7203)の38%上昇、「三菱UFJ」(8306)の36%上昇、「リクルート」(6098)も40%の株価上昇です。この「リクルート」は、まもなく時価総額が10兆円に届く企業です。今年2月から3月にかけて…3000円台で売り買いをしていましたね。

まぁカタルの得意分野ではありませんが、それなりの…「当たり」銘柄も、ある程度は…皆さんに紹介できたのでしょう。

この「ルネサス」は、気に入っています。車の半導体は、まだまだ…本番を迎える場面ではなく「途上中」です。「リクルート」も、まもなく…2024年問題やインバウンド需要、そうして半導体業界は人材確保の主戦場になっています。

もっと時価総額の地位は上昇するのでしょう。ただ哀しいことに…日本企業の時価総額トップはトヨタであり最高が41兆円です。その他では2位の三菱UFJもたった15兆円です。ユニクロを展開する「ファストリ」(9983)は11兆円なのです。アップルが3兆ドルを超えるのですから、如何にも…みんな小粒です。

カタルはトヨタの「村社会論」を批判しますが…この村論理は、「良い面」も持ち合わせています。米国の首都ワシントンでは、乳幼児ケア施設の利用料は年間2万4000ドルを超えるそうですが…このグラフは月額132ドルになっているか? 

まぁ良いか…カタルの娘の子供がシンガポールに住んでいますが…孫のインターナショナルスクールの学費が年額350万円ほど掛かるそうです。日本の小学校は無料ですからね。

カタルは「市場原理主義者」ですから、曖昧な基準を好みません。納得できる料金なら払います。日本の官僚などと…話す機会は余りないのですが、知り合いが、厚生労働省のキャリアですから…彼の話を聞くと、目指す方向性は「北欧型の社会構成」を理想としているようです。高福祉社会の実現です。その代わり…税金は高いのです。

日本の政治家は、あまり理想とする「社会像」を語っていません。

カタルは米国のような「市場原理」を理想としていますが、それは歩合生活だからです。みんなが、みんな「競争」を好む訳ではありません。カタルは長く…ノルマの世界に自分自身の身を置いて、且つ、完全歩合給の世界に飛び込んだので、今も、人気の値上がり株リストを掲げたように…自分が今年、失敗したことを悔いています。カタルは小型株派閥です。

今の日本市場は、まだ「実質から名目」時代への脱皮を始めた「黎明期」の印象です。

暗い「実質成長」の清貧思想の世界から、希望溢れる…寛容な名目時代への移行です。ダイハツに関連して…「トヨタ」を批判しましたが、やはり…みんなで貧乏する「押し付け」を止めるべきだろうと思っています。大谷君の年棒を褒めた方が、楽しい世界です。そうして自分は遠く及ばないが…それでも「自分なりに頑張ろう!」と思って、切磋琢磨する世界です。

何故、ダイハツのような不正が次々に起こり…なかなか消えないのか? 

振り込め詐欺と同じ土壌を感じます。

この背景は、戦時中のスローガンです。「負けられません、勝つまでは…」そうして「贅沢は敵だ!」と「他人の行動」を批判しました。丁度、NHKの朝ドラは、その時代の主人公の笠置 シヅ子が、主人公です。彼女が活躍した時代は、戦時中の時代です。

道路工事を観ると分かります。非効率な…道路工事が行われています。工事をする人より、周りのガードマンの数が多いのです。過剰な「安全・安心」を求めた結果、このような…たぶん法律での「強要」になったのでしょう。しかし事故はどんなに努力をしても起こるときは起きますから、「架空の安全神話」を求めるより、リスクを覚悟して行動した方が建設的だろうと思うのです。この道路工事なんか…「みんなで貧乏をする」非効率社会の誕生です。あのガードマンの給料は、みんなが負担をしているのです。こんな「ステルス増税」をするのが、「村社会」です。

もっと合理的な判断で…効率化の道を歩む社会が、ROE経営の基本です。

此処で…日本製鉄が何故、USスチールの買収に動いたか?

この考え方が来年の相場に影響を与えます。同じことですが…「安川電機」(6506)も米国で産業用ロボット工場を立ち上げます。投資額は300億円ですって…。

分かりますか? この背景が…「ニデック」(6594)にも関連します。ニデックの好調さは米国産業界の復活です。だからモーターが必要なのです。

日本も続々…と「国内回帰」の動きが出ています。カタルの地元の長岡の南陽2丁目に「小田原エンジニアリング」(6149)が新工場を立ち上げます。近くには…「ユニオンツール」(6278)の工場もあります。宮内と言った方が、地元の人間にとって…場所が分かりやすいかな? 

なにも…熊本の「菊陽町」(TSMC)だけでは…ありません。北海道の千歳(ラピダス)だけでなく…他の地区も上場企業が返ってくるのです。

米中対立の構図は、皆さんが考えているより、ずっと大きなインパクトを相場に与えるのでしょう。ざっと…最近のニュースを取り入れた見通しまで含め、未来の構想を語りました。具体論は、何れ…皆様に伝えます。来年はインフレ対応から、平時のモードに変わります。つまりFRBの方向転換が一つの焦点になります。ようやく…カタルの成績の「不振続き」の環境が変化します。

楽しみな一年になるのでしょう。互いに頑張りましょうね。また明日。

これから…会員レポートの「続き」を綴ります。会員の方は本日夜の10時頃を目安にしていますから…今晩遅くか…明日にでもお読みください。



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