夢を語れる社会の到来

今日は「期待して」観察株になったままの「ルネサスエレクトロニクス」(6723)をテーマに考えてみます。カタルが「ルネサスエレク」に興味を持ったのは、ずっと、遥か…昔の話です。「東北大震災」の前の時からです。もともと…ルネサスは「三菱電機」と「日立」から分社化され、2010年4月に誕生した半導体メーカーです。

「ルネサスエレクトロニクス」(6723) の月足

でも海外勢からは、この会社に対する評価は高かったのです。でも国内では、まるっきり…「ダメ株」扱いでした。しかし「ルネサス」の車載LSIの世界シェアは2014年時点で7割に達し2014年には先進運転支援システム(ADAS)対応R-Carの第1世代である「R-Car V2H」をリリースすることが、できたほどなのです。

故に…車のCPUの分野では世界で一番の評価もあったほどなのですが…「トヨタ」(7203)の「下請け叩き」により「利益率」が、なかなか上がりませんでした。その為に2013年に実質的に国有化である「産業革新機構」の支援を受けます。

当時…産業革新機構が、約1383億5000万円、トヨタ自動車が50億円、日産自動車が30億円、ケーヒンとデンソーがそれぞれ約10億円、パナソニックとキヤノン、ニコンがそれぞれ約5億円、安川電機が1億5000万円で、合計約1500億円の支援です。いかにも…日本的でしょう。「奉加帳」が回りました。

それから…何人も社長が変わりましたが…2019年6月に柴田さんが就任されます。でも…その前任者の呉文精氏が「リストラやM&A」の道筋を打ち立てたのでしょう。

「テキサスインスツルメンツ」(TXN)の 業績

呉氏と柴田氏は二人三脚で…「アナログIC」の強化をして来たのでしょう。IntersilとIDTの買収に資金を充てるという…大きな勝負に打って出ました。この「グルーバル戦略」が「ルネサス」を劇的に変えたのです。もともと…柴田さんが目指す姿は、米国の「テキサスインスツルメンツ」(TXN)の「高い利益率」の会社なのでしょう。だから再建終了の暁に、国内勢は、全て…持ち株を手放したのです。今の株主は「海外ファンド」が主体なのです。海外勢の持ち株は57%ですね。

しかし…今回は「幾つかの問題」が重なりました。EV開発は、中国企業の独壇場です。誰も…「勝者が居ない」過剰競争の実態です。だから…「ニデック」(6594)は「電動アクスル市場」から…撤退をしたのです。

中国は専制主義です。習近平の理想を目指し…全ての共産党員は一斉に走ります。その為に、どうしても「力を入れている」分野は「過剰生産体制」になります。過当な「競争社会」なのです。同時に「国家支援」をします。だから…世界中のどの企業も、その競争には勝てません。だって最初から「採算度外視」なのです。

仕方なく…「トヨタ」は中国企業の開発する部品を使って「車」を作ります。その現象の一端が此方の報道で…今の世界の状態が此方です。同様の記事ですが、日経新聞はこのような表現です。更に、過当競争の実態が、BYDの「車業界の恒大」と不動産で失敗した事例にも喩えています。

金曜日のWBSでも…「内巻き」と言う表現を使って…その実態が報道されていました。まだ少しの時間なら、誰でも…その報道が観られます。此方のサイトで…時間は12分後辺りから報道されています。

此処に「トランプ関税」ですから…自動車業界は当面は大変です。カタル自身は「ルネサスエレク」が、未来において1万円になると考えてきました。この理由は、「利益率」を念頭に置いた経営をしていたからです。成長性もさることながら…やはり収益力が大切なのです。

しかし…今回はSiC基板を手掛ける米「ウルフスピード」が、日本の民事再生法に相当する米連邦破産法11条(チャプター11)の適応を受けて…ルネサスは多額の損金を計上します。そもそも…期待された「パワー半導体分野」が、「過当競争」の世界ですから、誰も…「勝者」が居ない可能性もあり得ます。だから柴田さんは、何とか生き残るために「利益率」を落として…「研究開発費」を積み増すのですね。

何故、「自前主義」の拘る…日本の「トヨタ」が、中国の傘下に下った…と言う表現は、大袈裟でしょうが、「賢い利用」に、舵を切ったのか?…その理由が分かります。

「ニデック」もそうでした。過剰な値下げ競争から「離脱」と言うから、戦略的に方針転換しました。でもこのニデック製はナカナカなのでしょう。「トヨタ」が採用したことで、その実力が分かります。実は、長々…「ルネサスエレク」の事を語ったのは、重要な株価の判定(売上高営業利益率)に、影響を与える可能性が在る為に「ルネサス」株の観察を続けることは、株式投資の「武器」にも…繋がるからです。

カタルは「ジェイドG」の「時間軸のズレ」は、仕方がない…結果だったかも知れないと思っています。この時間軸の「読み間違い」で…多額の「損失」を被りました。カタルにしては、珍しいかな? 

まぁ失敗は良く在るのですが、その原因を「納得」するまで考えます。「船株の謎」は、今のところは、日本の「名目経済」が定着してなく、「時間の遅れ」と言う形で…処理をしています。「大阪チタン」の失敗から、「米国株の観察」時間を増やしました。その事で…如何に、日本株は米国株の金魚の糞なのか…嫌と言うほど…痛感させられています。更に同時に「パッシブ運用」(ETF)の影響の「大きさ」も感じています。

日本人と言うのは、自分の頭で物事を考えない「馬鹿集団」です。

問題は「構造転換」が、なかなか…出来ないのです。でも、逆に一度、新しい流れが定着すると…「みんなで渡れば…怖くない」と言う「猪突猛進型」なのです。その流れが決まるまで…「ああでもない、こうでもない」と、なかなか…結論が出せません。

「和を以て貴しとなす」と言う村社会論の基礎である…全参加者が、「妥協」の上で成り立つ仕組みを構築します。全てが、「妥協の産物」なのですよ。だから「103万円の壁」や「ガソリン税」の話が出てきます。利用目的は「あいまい」で…税金を「やりくり」しているのです。

この考え方のプロセスには、「合理性」より「みんなの調和」が優先されるのです。だから全ての決定事項が「妥協の産物」の上で成り立ち…しかもその決定には「成田時間」が掛かります。最終的な…結論は、分かっているが、なかなか…その通りに「移行」できません。その移動にも、時間を要します。

分かりますか? 「船株の謎」相場が何故、成田時間に成ったのか? 

その話をしています。

昨日は「野村証券」株が、夏にも1200円になると言う希望的なメールが在りました。それは一般論です。でも日本時間と言うのは「三菱UFJ」の株価を観れば分かります。結論は決まっていますが、なかなか株価も、その通りの値動きになりません。

でも最近、驚いたのが、「小型株」なら…ある程度、名目経済の流れになるケースが出てきています。「サンバイオ」(4592)などもその口ですが、「データセクション」(3905)や「3Dマトリックス」(7777)の相場なども…「時間軸」が早くなっています。やはり「名目時代」が「進展」して来たのです。

上がる株なんか…事前に決まっているのです。

日本、米国、EUの家計の資産構成

問題は、その変化のスピードが、どんな速度で、市場に現れるのか…。この時間軸の決定は名目経済と実質経済の差でも…あります。此処に関連するのが、市場原理に傾く…日本国民の姿です。昨日、伝えた…日銀の資金循環の日米欧比較のレポートです。

これは、昨年の8月に作成されたものですが…この家計の金融資産構成比率を、もう一度、観てください。日本の家計は現金保有が50.9%と半分を超えています。低金利でも現金を貯め込んでいます。安全を優先して「リスク」を取りたくない…姿です。35年間の清貧思想の蔓延の結果、こうなっています。

日本のGDPデフレータの推移

しかし…欧州はGDPデフレーターが、約120なのです。更に…米国は125なのです。でも日本は111です。だから当然、株式投資を含めた投資信託も、日本が一番、低いのです。でも120の欧州は、株式が21.5%で投信は10.6%ですから合わせて…32%程度です。GDPデフレーターが125水準の米国は株式と投信を合わせて…53%を超えるのです。日本の現状は、両者を合わせても…20%に届きません。データ通りの株価でも在ります。

僕ら…日本国民が、どんな国を望むか? カタルは京都に旅行に行った時に、ホテルの前のバーで出会った…地元の若者に「NTT」株を、毎月100株ずつ、買えば良いと株屋らしくセールス活動をしました。先日も…草津の温泉で一緒になった爺さんに…老人ホームの実態を話して…今からその準備として「NISA」を利用して、毎月100株ずつでも「NTT」の株を買いましょうとセールスをしました。このような「草の根運動」が、やがて…実を結ぶことを信じています。

このカタルレポートも…ある意味で、皆さんの「株式投資の勉強」になれば…と思って、書き続けて…もう25年を超えます。30年近くになります。何しろ…株屋では食えないから、転職を考えていた時に、始めた「IRNET」なのです。だから「IR」(Investor Relations)と言う言葉が、まだ世の中に定着してなく…あのソニーも広報部長に面談をした時代です。

良く…続くものです。「継続は力なり」と言いますが、なかなか「あちら側」の扉は、まだ見えません。昨年は、一時は「もう卒業」と思ったものです。でも昨年は、年初からある程度、「警戒」しており、途中で現金を何度か…引き上げていました。だから、今回は悲劇に見舞われましたが、どうにか…辛うじて「息」をしているような有様です。もういい加減に「卒業式」を迎えたいものです。

でもあの馬鹿経営者でも…野村証券株は、最低限の4桁が、今度は「定着する」のでしょう。もともと…名目経済下では、野村証券と言うのは1000円を割れたことがなかった株です。それくらい…株屋と言うのは、自社株にプライドを賭けて…生活しています。

でも今の証券マンは、社長があの程度の男ですからね。末端の社員レベルは、やはり知れているのでしょう。株屋も普通の人も…未来の夢を語って、行動するのです。ソフトバンクの孫正義のように「ASIの夢」を語って…「なんぼ」なのです。また明日

今日の話は「収益性の価値」を語っているのですよ。それで「ルネサス」を題材にしたのです。ちゃんと…表面上のレポートを読むだけではなく…裏に「隠れたテーマ」にも気付いてくださいね。



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  1. 2018.04.01

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