08/07

かたるファニーメイは米国財務省に、44億ドルと言う巨額の配当を決め、WSJの報道によれば、これまでに…9月までに支払う配当を含めると、合計で1425億ドルを納税者に還元すると言います。一方、三菱東京UFJの資料から、2008年のファニーメイへの公的資金注入額は1161億ドルだと言います。つまりサブプライムローンによる混乱の収支は、合っているという事ですね。しかし…上院の銀行委員会指導部の方針は、2014年3月に於いては、ファニーメイは解体されるそうです。現在は、そのプログラムに沿って、資産残高は減少過程にあります。本来の市場経済の考え方では…、救済されたものは、市場に返すのが…通常の思考プロセスだと思うのですが…民主党政権下のオバマは違う考え方のようですね。

何故、こんな話を持ち出したかといえば…本来の金融デリバティブの仕組み債は、一時的な混乱はあっても、必ず、収支が合うように設計されているという事ですね。途中経過が問題なのです。この途中経過の振れにより、人間の心は動揺し、混乱の中で間違った判断を下すというものです。株式市場に於いて…株価の上下は当たり前の現象ですが、原理原則を守れば、必ず利益が計上されるのでしょう。カタルはドル平均法と言うオーソドックスな投資方法を推奨しています。この一般的な概念は、同じ金額で、時間を置きながら、同じ株を継続的に買い続けることですね。

浦上さんの書かれた「相場サイクルの見分け方」には、景気循環に於いて物色される銘柄が掲載されています。通常の景気パターンにでは、「金融相場」(春)で金融株を買い、「業績相場」(夏)では素材から加工産業の株を、そうして大型から小型株にシフトとします。「逆金融相場」(秋)では素材産業は全面安になります。今の相場がそうですね。原油価格などを中心に大きく市況関連は下げています。この時に小型の優良株も賑わっています。この後に「逆業績相場」(冬)が来ますが、薬品や食品株が堅調な展開になります。景気が悪化したからと言って、病気の人の数は変わりませんし、食べる量は景気が悪くても変わりませんからね。このような景気循環の仕組みを理解され、自分の持ち株リストに変化を加えればいいわけです。

でも実際は理屈通りにはいかず、なかなか難しいですね。ファナックは業績の下方修正をしましたが、キーエンスは好調さをキープしており、中国に於いても人件費の高騰から、省力化投資は、これからも続いて行くという見方です。つまり、どうも…スマフォの需要に陰りが見えており、一般的な設備投資意欲は継続しているという事なのでしょう。

この所、株価が急騰した新日本無線は、おそらくスマフォの電波を選択するSAWフィルタが成長を支えたのでしょうが…、株価が急騰したと思ったら、あっという間に、今度は急落と…短絡的ですね。でもこのスマフォの低調ぶりは、シャープの業績不安が出た昨年の秋には…ある程度、分かっていたのですね。シャオミの躍進が頭打ちになったのは…何も、今年に入ってからの現象とは違います。Vテクにしても、そうですね。新日本無線に似た動きになっています。でもみずほのアナリストは、この事を知っている筈なのに…高評価のレポートを出していました。

カタルは、スマフォの落ち込み予想が、急速に株価に反映され、その見込みが行き過ぎている様にも感じています。だから同時に売られている村田なども、下げが行き過ぎている可能性があります。でもこの事は、今年、後半以降にならないと…実際の動向がどうなのか分かりません。株価は、常に、このように現実の動向と呼応して未来の姿を予想している訳です。ファナックの需要は…何も、スマフォ関連だけではありませんからね。もしこの見方が正しいなら、早晩、200日線ライン(23018円)を回復し、上方乖離に位置する筈です。何しろ、日銀短観では、久々の設備投資の復活です。

この設備投資意欲ですが…昨日も伝えたように、1937年問題の影響で、世界経済は明らかに減速しています。この辺りの動向を、どう経営者が判断するかですね。8月開催が見送られ、成立が困難になったTPPも影響を与えます。だから鹿島、大林などの大手建設株の物色になっているのでしょうが…。どうも、森永などのストップ高は、カタルには理解できませんね。グリコも買われ過ぎですね。明治HDにしても、何故、このような株価が維持されるのか…不思議です。おそらく…マルハニチロの子会社の冷凍食品事件の時に発想した、アジア圏の需要を取り込む期待なのでしょうが、ニチレイにしても、ずいぶんと…株価が上がりましたからね。

最近、株価が急騰したKNTCT(9726)、近畿日本ツーリストやクラブツーリズムですが、ラオックスが100円台の時に、共にカタルが掲げた銘柄ですが、時間がずれて…株価が上昇しました。通常、一緒に連動するものと思っていましたが、ずいぶん、時間差がありましたね。やはりカタルには、なかなか、この最後の課題が克服できませんね。ケネディクスも、いつか二段上げに入るのでしょうが…なかなか思うようになりません。最近掲げたアコムも、休むべきと考えていたのに…若干の時間のズレがあります。おそらくファンドの組み入れは、既に終わったのでしょうが…、方向性は、過払い請求が終り改善方向にありますから、4ケタをめざし、再び、違う追加のファンドの登場も考えられるのでしょう。

資金力があれば、自分のリズムで仕掛けることが出来ますが…何しろ、貧乏人のままですからね。昔から、最低100億は、必要と言われています。その為の期待の星、今では期待が剥がれていますが…ケネディクスの応援現象を生まれていますね。三鬼商事の調査によれば、東京のオフィスビルの空室率は、5%を切ったそうです。順調に改善が続き、遅れている賃貸料も、更に上昇を続けるのでしょう。長らく業界を見ているイチゴのS・キャロン氏に言わせると、賃貸料金は建設コストとも関連性があるそうで、この建設費が上昇すると賃料も上昇すると言います。確かに最近は、高橋カーテンウォールも株価が急上昇しており、この見方に変化はないようです。しかし経営者の方針は、カタルのイメージ通りに行動していません。現状は、カタルの予想より遅れていますが、確実に改善を続けています。その様子をご覧いただき、本日のレポートは終了です。

暑い日が続く、ぼやっとした頭で原稿を書いている為に、上手く皆さんにカタルの気持ちが伝わるか…分かりません。どのレポートもそうですが、所詮、他人の書く原稿ですから、自分なりに精査され、消化して投資に応用して下さいね。まもなく、8月の不透明感が消える時間になります。カタルは新たな投資を考え、挑戦を続けます。それではまた明日。

東京オフィスビルの空室率と賃料の推移
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東京オフィスビルの空室率と賃料の推移



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