かたる昔、大山さんと言う歩合セールスが居ました。もう亡くなられたと思うのですが…カタルは親交がなく、仲間の歩合セールスから、彼の噂を聴いていました。彼も勉強家で四季報を丹念に見ていたと言います。独特の感覚があり、彼の売買手法に、多くの人は付いて行けませんでした。兎に角、彼が良いと言い始めてから、時間が掛かるのです。でも彼は絶対に、自分の信念を途中で曲げず、倒産か、大成功か…どちらか、だったと言います。実際に、彼は使い切れないお金を残しましたね。
あまりの好成績の為に、社長は優遇処置を講じて、当時としては破格の給料の1億円を払って指導を仰いだと言いますが、大蔵省から指導があり、報酬の払い過ぎを指摘され…社長が大山さんに話すと…、「それなら結構です。」と引退して、自ら株式投資をしていたと言います。古い四季報をみれば、彼の名前が大株主として、数多く登場していましたね。彼も昨日、話したように、ボロ株と言うレッテルの銘柄を、多く手掛けていました。2年程度の待ち時間なら、成功の部類だったのでしょう。
どうしても企業業績重視で、銘柄を選別すると、何らかの影響で、2年や3年程度、企業業績の回復が遅れることが良くあります。別に、言い訳をしている訳じゃないのですよ。007やJTECの業績回復も遅れていますからね。でも最近は、もっと下がれば良いとさえ思い始めています。そうしたら、また買えますからね。問題は、自分自身の資金量の問題ですね。下げたらドル平均法で買い続ければ、倒産しない限り、必ず、儲かる道理になります。多くの人は、1年程度の辛抱は効きますが、2年で多くの人は脱落するのでしょう。三菱UFJが800円を割れた段階で、安いと考えていたのに…。それからリーマンショックの影響を受け、さらに下げ続けました。カタルの銀行株の本格買いは、500円を割れた辺りからですね。でも本日、ようやく、最初に買ったラインまで…三菱UFJの株価は回復してきました。ようやく、最初に買った株価の800円台を回復しましたね。
思えば…、長かったですね。2008年の話ですからね。417円、428円の公募増資後に…300円台の価格帯株価が、なんと長かったことか…。こんな理屈があるか…と、盛んに政策批判をしていたことを、想い出します。長く読んでいただいている読者の方には、過去のカタルレポートが、「政策批判」ばかりだったのを、お分かり頂けると思います。
でも安倍政権に変わり、本当に、カタルが上京してから、初めての政策転換なのですね。1989年に希望に燃えて、サラリーマンを辞めて、歩合セールスとして独立したのです。それから、どんな戦いか…。和光の小川さんは、上京したばかりのカタルに向かって「ご苦労さん、悪いことは言わないから、田舎に帰りなさい」と諭されました。まさか…あのおじいちゃんの言う通りになるとは…。おそらく、歩合の世界を知らない人は分からないでしょうね。まさに逆境下で…生きてきました。
その三菱UFJが、7年ぶりに800円台を回復してきました。こんなものではありませんね。三菱UFJの歴史をみれば、この会社の価値は、こんなに低くありません。必ず、1950円を奪回し、過去最高株価はいくらなのかな? たぶん調べないと分かりませんが…1987年の4350円のようですね。この株価を抜く可能性さえあります。政策が正しい事を、祈るばかりです。
金融取引と言うのは、常識的な収益ではありません。リーマンが破たんした元のデリバティブ取引は、CDSと言う保険商品の利用で…仕組み上は理論的に正しいのです。だから、みんなが溺れた訳ですね。事実、CDSの親玉のAIGを救済した米国政府は、一番成功した投資だったと認めています。でも実際は、なかなか上手く運びません。丁度、ロシア危機で、破たんしたLTCMのような事例もあるのです。何しろ、最初の4年間は大成功でしたが、最後は1000億ドルを運用していたと言います。それが、あっという間に消えたのです。株の世界は、何が起こるか分からないものです。
カタルは1買い2ヤリの手法を、否定するものではありません。しかしそればかりが投資でなく、小銭程度が限界領域です。余程、勘が良く、スピーディーに動けないと負けますね。でも多くの証券会社がディラー部門を抱えており、ある程度は儲かるのでしょう。でも所詮は、鞘取りの範疇です。株式取引は、未来の成長の為に資金を投じ、資本市場を通じて社会に貢献するのです。そうです。社会貢献なのですね。だから現実世界と株価とのギャップを探すのです。このギャップが大きい程、株価の変動率は高くなります。米国政府のAIGは既に売却され民営化されましたが、バフェットは、未だにファーゴを保有していますね。たぶんゴールドマン・サックスも保有しているのでしょう。彼は10年保有など当たり前ですね。嘗てのカタル推奨銘柄の沢井製薬やピジョンをみれば…納得されると思います。企業環境が伸びている内は…株を持ち続ければいいのですね。
シャープは、本日は、安いようですね。今の株価は236円買い、237円やりです。再建策をみた方が良いと思いますが…、市場と言うのは意外に懐が大きなものです。場に出ている買い物や売り物の10倍以上は、潜在需要が常に存在しますね。本気になってやるなら、買収する気概を持ってやればいいのですね。堺工場は兎も角、亀山工場の償却は、もう終わっているんじゃないのでしょうか…どうでしょうね。カタルは調べたことはありませんが…非常に興味がありますね。100円台まで、もう一度、売り込まれるのか…。それとも、この辺りで反転するのかどうか。今の金融環境は、そんなに悪くありませんね。故にカタルは、話が出た段階で、残ると考えていました。だって、この円安ですからね。
昨日も話しましたが、このようなボロ株を、平気で100万株単位で買うのですよ。大山さんは…そんな人だと言う話でした。大御所さんと、大山さんは仲が良く、大御所さんも彼を真似ていました。背広は同じものを10着作るのです。そうすると…経済的に良いと言う考え方なのですね。たとえズボンが破れ、上着が残っても、1着では捨てなければなりませんが、10着あれば…替えが効きますね。みんな、性格が変わっていますよ。歩合セールスに、なるぐらいだからね。社長を殴る奴もいれば…相場の展開が面白くないと言い、株価ボードに向かい、靴を投げボードを壊す奴もいる。挙句に、儲からないから、文句を言うお客に怒り、電話線をハサミで切って、電話機をゴミ箱に捨てる奴とか…みんな一癖、二癖あるのです。だから常識はずれの注文を取れるわけですが…。
そうそう、不思議だった、嘗てのカタルの注目株のJVCKWですが…読者からのメールの指摘で人気の理由の一端が判明しました。自動運転技術に定評があるZMP関連だと言います。どうも出資しているようですね。どの程度の関係か…知りませんし、調べる気にもなりませんが…金曜日は、人気でしたね。ファナックはどうかな? 今は、若干、高いようですね。ケネディクスは…これも少し高いですね。また高値になると、騙され買うドンキホーテを演じるかどうか…。
全人代の総会が終わり、第一汽車の摘発とか…。やはり粛清の動きは、気になりますね。粛清強化は金融の規制強化と一緒で…景気に悪影響を与えます。FRBのストレステストにシティーは通過しましたが…株価の戻りは、依然として悪いですね。デフレ脱却相場の三菱UFJは、完全にボックスを抜けたようですが…、他の銘柄は、依然、追随できていません。野村は、あの時は980円まで買われています。ケネディクスもボックス相場圏の儘ですね。カタルはどちらかと言えば、日本独自の動き、つまり内需に主眼を置いた投資を考えています。大型では重工に、NECなども出遅れている様に感じていますね。
一昨日も書きましたが…株価の指数買いは一服すると、先々週に感じていたのです。しかし現実は、週末に大きく続伸しました。その反面、個人好みの株は、ほぼ全滅です。ソフトバンクなどは代表事例でしょう。一昨年末の人気の新興御三家筆頭のアドウェイズなど…カタルは、あの時に相場を否定して、高過ぎると述べましたが、違和感が全くなくなりましたね。むしろ、戻り相場があっても良いような株価位置に、最近は見えます。
果たして、個人の人気株が、出てくるのかどうか…本当は、「ケネディクス」に期待をしたいのですが…、何しろ、騙され続けていますから…ね。依然として、最右翼に位置していますが…自信は、全くありません。最近は完全に抜けてから、買い増ししようかとも、考えるほどです。それほど保険料を積み立てているのです。でも馬鹿なカタルだから、きっと余裕が生じると…我慢が出来ずに、また同じ過ちを繰り返すのでしょう。
さて今週は、どんな展開を迎えるのでしょう。まぁ、所詮、お金が、いっぱいある訳じゃないし、考えても…相場が、分かる訳じゃありませんからね。自分のイメージ通りの相場付きに発展するように…祈るしかありませんね。トホホ…。いつまでも、3流路線は、何処までも…。寿命が切れちゃうよ。