インフレから発生する金融問題、米国の債務は2009年から政府、企業、家計による負債総額は90%増の68兆ドルになったと言います。金利が上がったので…返済に困っている人も多いのでしょう。日本でもコロナ禍で「ゼロゼロ融資」が増えました。その日本も、最近は「ユニゾHD」が倒産して…610億円の社債がデフォルトになっています。今、この返済が始まり…倒産が増えてきました。
同じことで、米国も銀行の「商工ローン」が大きく伸びており、この返済が問題化しておりノンバンク問題になっています。米国の金融環境は、大きなところは対応済みで問題はありませんが「小さな銀行」は危ないと言われています。さらにこちらもどうぞ…
その代表事例が、先日のSVB問題に続き、今は「ファースト・リパブリック・バンク」(FRC)です。その株価推移が…此方です。どんなに健全でも、多額の資金流出を止める対応策はありません。今は連邦預金保険公社(FDIC)の管理下に置く話が浮上しているそうです。つい先日まで200ドルを超えていた株価は、今は、たった3.51ドルです。
パウエルが「インフレの兆候」を見逃して、半年間の対応が遅れた為、一般の産業界は、事前準備の期間が不足した結果とも言えます。しかし…そもそもSVBなどは経営が怠慢でした。過剰な溢れるマネーが、いつまでも…続くと思っていたのでしょう。
基本的に…「規制」と「自由」の発想です。
金利を引き上げると競争のハードルが上がります。同じように規制を強めることも…競争のハードルが上がりますから、成長が阻害されます。このような様々な弊害を生き抜く、強い体質を持った企業が残るわけです。これが市場経済です。
ところが…日本の村社会論は、雇用を優先する…あまり、「競争より調和」を求めます。聖徳太子の「和を以て貴しとなす」の精神で、みんなで仲良く…「一緒に頑張ろう」と言う村社会の精神があります。別に悪い事とは思っていませんが、どうしても「甘え」が生まれます。それが建設業界などに代表される「談合」です。
カタルは大学生の頃、建設業界でアルバイトをしていました。入札の度に責任者は近くの喫茶店に集まって、談合を繰り返して仕事を振り分けます。みんなが、程よく暮らせる社会です。全体の調和が優先されます。今でも同じでしょう。
しかしこの感覚が行き過ぎて…競争を止めたのです。日経新聞に、「日銀 25年間の緩和検証へ」となっていますが、基本の原因は、此処にあります。パイオニアの指名解雇以来、メディアは弱者救済を掲げ、人員の削減に「反対」を唱えました。故に構造改革が遅れて出来なかったのです。企業は仕方なく「空洞化の道」(中国進出)を歩みました。設備投資が日本の落ちないのです。お金が回りません。
日本独自の「村社会価格」の崩壊です。そうしてグローバル価格へ転換しました。
ユニクロが良い事例です。500円Tシャツの販売は衝撃的でした。あれから一貫して衣料品業界は安値を追求してきました。でも最近のユニクロは付加価値を売りにして…独自価格を貫いています。ヒートテックなどは代表事例の商品です。
しかし今のユニクロは、人件費をグローバル価格に引き上げて、レジの効率化などもやっていますが、それでも製品価格の引き上げに移行し始めています。つまり…ようやく日本はデフレを脱却する順番がやって来たのです。長く続いた日本の独自価格の崩壊が終了して、今度は、日本の価格は安くなりました。世界経済の物価に合わせて、値上げの様相が定着してきました。
金利や規制、この考え方の基本は「成長のハードル」を上げる事にあります。
この競争に勝てない企業は淘汰されます。YCC(イールドカーブコントロール)の話が出ていますが、植田さんが過去の金融政策の検証と述べていることは、2016年に実施されたYCCは、2022年の12月に黒田総裁の下で「柔軟化措置」を採用しましたから、植田さんは、次の会合ではYCCを撤廃すると思われています。つまり…日本でも、ようやく金利が上昇するのでしょう。
よって…預金金利と貸出金利の利ザヤが少し生まれますから、銀行株は収益が増えて株価は上がる傾向にあります。このようなストーリーが、瞬時に、頭に浮かばないと株式投資は駄目ですよ。「三菱UFJ」の株価は、現在は「乖離調整」の最中ですが…下値を買って置けば、何れ…株価は上昇するのです。もう決まっています。時間だけの話ですね。
そうして東証のPBR改革は、自社株買いを誘発し、配当性向も高まります。総還元性向が大きく増えるのです。企業の内部留保516兆円は、異常な水準なのです。「京都銀行」が物を言うファンドから、還元策を問われるのが当たり前です。「東洋建設」から「大林組」…と、もう自分勝手な…「村論理」は通用しません。その事例が「ユニデン」であり「フジテック」なのです。
このような一連の社会現象を観ると、日本は大きく転換していますから、株価は上昇を始めて…38915円を抜きます。だから、いくら駄目な「野村証券」でも「腐っても鯛」と述べて、昨日、カタルは484円で5000株を買ったのです。
もう日本株高は、決まっています。東証のPBR改革を観たら、外人投資家は「危ない日本」ですが…そのリスクを承知で、日本株買いを始めています。だから統計データで「外人買い」が増えています。なにもバフェットだけではありませんよ。「当たり前の理屈」です。何しろ「金利裁定」が働く程…割安です。
米国株は、まもなくFOMCが始まり0.25%の利上げを実施します。昨日発表されたPCEはブルームバーグの記事の「見出し」通り…「根強いインフレ示唆」です。
株価が高くなったのは、企業業績が好調で…冒頭の「ファースト・リパブリック・バンク」のような金融懸念を払拭する動きです。アップルの株価を観てください。もう「新高値」間近なのです。
村田製作が…減益示唆をしていますが、村田は多額のMLCC投資をしています。工場を新設しているのです。つまり…スマフォの減速は「一時的」なのでしょう。インドの購買力が上がるという事は、そういう事を示しています。
2022年のインドの『自動車販売台数』は、前年比25.7%増の472万台でした。日本は420万台です。インドの人口は14億人を超えているのですよ。世界の人口は、ドンドン…増えています。日本だけと言うか、日本人の感覚が異色なのです。
何故、カタルが日本は大きく遅れているか? と言い続けているか?
此方のグラフを観ると分かります。重要な事なのに…日経新聞は全然、世界の動向を伝えていません。もう完全に狂った新聞社です。それを情報源だと思って読んでいる馬鹿な日本人が「間違った方向性」に行くのは、仕方ありません。だからネット時代は、自分で「チャットGPT」などを駆使すれば…正しい情報源に辿り着けます。言葉の弊害も翻訳機能が精度アップしていますから…大体わかります。
つまり…カタルが言いたいのは、馬鹿らしい日本人の良識を疑えという事です。
今回、会員の更新に辺り、カタルの会員ページが「情報料金に見合わない」と判断された方が多く居られました。たぶん会員レポートを読んでいても、株で損をしたのでしょう。まぁ皆さん、全員を引き上げることは、なかなか難しく、カタル自身反省もしています。
でも…市場要因と個別株要因の違いも理解してない方が多いのが、日本人の一般的なレベルです。株価上昇のタイミングは、内容が良いから株価が上がると言う単純なものではありませんからね。
時間軸は「ズレる」のです。市場要因の改善が、全体の株価位置を押し上げます。だから外人投資家は、東証のPBR改革などを観て、参入し始めています。内部留保516兆円が動きます。しかもこの設備投資の多くは、安全保障問題が絡み…国内に投下され「貨幣乗数」効果が高まりますから…今度は物価も人件費も上がり金利も上がり…消費税も引き上がります。
ようやく…苦節34年が終わりを迎えます。
直ぐに始まるわけではありませんが、年後半から来年は「ウハウハ」相場になるのでしょう。もう、こんな事は決まっています。カタルレポートは単なるヒントに過ぎません。箸の上げ下ろしまで…指導してもらう訳ではありませんよ。
自分が「自分の頭」で考えて…自らが決断をして、行動をするのです。こんな小学生でも、わかる理屈が、理解できてないのが日本人の「画一化」教育の弊害です。協調を求めるより…先ずは、自己の「自立」でしょう。
規制や金利のハードルが高くなっても、それを乗り越える努力をして果敢に挑戦をしましょう。株式投資は面白いでしょう。奥を深く知れば、知る程…面白さが増します。カタルは皆さんに株式投資の醍醐味を味わってほしいのです。
ようやく…日本株も、その外部環境が整いつつあります。株式投資の楽しさを理解できるなら…どんな世界でも成功できます。何しろ…世界中の一流が集まって凌ぎを削る世界です。大谷君なんかのレベルではありません。世界の基準は「兆円」単位のお金のレベルの話です。カタルレポートが、そのヒントになれば…嬉しいのです。微力ながら…皆様と共に「新しい日本」を構築できるなら…生きている価値もあります。
常に、果敢に挑戦です。また明日。