カテゴリー:コラム

マネーショート

最近は理解不能な現実が起きることがしばしばみられます。その度にカタルは自分自身の相場観を修正します。しかしそれでも…その「わだかまり」はなかなか心の中から消えません。この現象が何故、起きるか? …を考えていくと村社会論理の、矛盾に気づきます。

まぁ、日本だけではないでしょうが…「公明正大」という国はありませんからね。北朝鮮など…中国もそうでしょうが、細部に拘ると生きていけなくなります。その矛盾が自身のストレスを生み、うつ状態になるのが一般的です。

だからカタルは「失われた時代」を通じて…生きるためには「パッパラ・パー」が一番だと考えています。深く追求しないことです。これが正義だと拘ると大変ですよ。世の中は、常に多様な考え方が存在し…自分が正しいわけではないのです。

昨日、偶然に以前紹介した事がある「リーマンショック」の映画版である「マネーショート」の後半を観る機会がありました。

皆さんは、カタルが昔、紹介したときに観られた方も多いと思いますが、まだ観てない方が居られたら、是非、見るべきです。お勧めの映画です。これは実話をもとに作成された映画です。たぶん…映画ですから誇張された演出も多いでしょうが…実際のはなしです。

カタルは、これで40億円を飛ばしました。映画の舞台は米国の金融界の話ですが、NYの蝶の羽ばたきが、日本で台風を起こすという「カオス理論」のようなものです。

カタルにとって致命的な選択をしたのは、この「リーマンショック」が起こる前のサブプライムローン問題の話です。

このMBS(Mortgage Backed Security)という住宅担保証券の焦げ付きの話の発端がニューセンチュリーの破綻でした。2007年の4月の話です。カタルの精査不足かどうか…分かりませんが、カタルの記憶では、当時の日経新聞はサブプライムローンの話は伝えていましたが…その背後に隠れた影の銀行組織というか…。CDS(Credit default swap)と言う金融派生商品を組み込んだ…CDO(Collateralized Debt Obligation)と言う債務担保証券の話を全く伝えていませんでした。しかも…この額が「天文学的な数字」なのです。

もともと一つのMBSに対して…それをもとにCDOが組成されて、さらに複数のCDOがどんどん…生まれます。まるで、ねずみ講のようなものでどんどん膨らみます。日経新聞が知っていたか…どうか分かりませんよ。故意に日経新聞がCDOの存在を掲載しなかった可能性もあります。何しろ…当時はサブプライムローンの話だけだったのです。

でも…このマネーショートを観ると分かりますが、ムーディーズやスタンダード&プアーズ「格付け機関」のいい加減さが、分かります。何しろ…これは実話をもとに描いています。

だから…世界中のみんなが怒ったのです。米国のイカサマに対して…常識派は金融制裁を掛けました。カタルは「過度の懲罰」だと思っていますが、今では高い自己資本比率を科して、金融界の行動を制限しています。これだけ株価が上がっても、未だに…「バンカメ」はリーマン時の高値を抜けない現実は、厳しい規制があるためです。シティーバンクなんか、もっとひどい格下のイメージです。すでに10年以上が経過しているのに…です。

この映画で面白いのは、「正しい主張」が、なかなか市場現象になって表れない現実が描かれています。「おかしい…」こんなバカな事があるか…と主役たちは思います。主人公の一人はスタンダード&プアーズを訪ねて…何故、格下げをしないのか? 事実を元に迫りますが…彼女の応えは「そうすれば、顧客を他社に奪われる」という現実を語ります。正義が現実の論理に負ける部分です。

ジリジリ…負けが込み、追証が続く中で耐える場面も描かれています。過去、本当に1日違い…あるいは数時間の違いで、明暗を分けたこともあるのが証券界です。

論理的に正しくとも…追証の現実は待ったなしです。この映画は破綻場面を演じていませんが、論理的に正しくても…実際の時間軸がズレることが、過去の歴史では…何度も起きています。あまりに早い着眼は、その構想が、たとえ…正しくとも実際のトレードは負けになります。

カタルが述べている時間軸の話です。「市場要因」が「個別株要因」に勝ることも、しばしばあります。ベストなタイミングで仕掛けることは「至難の業」です。

このマネーショートという映画を観ると…カタルレポートの理解度も上がると思います。お金儲けも、努力しないと…なかなか儲けられません。「恐怖と欲望」という感情に勝つためには「知性」という「理論武装」が必要になります。野村証券の追証の話しは、そう言うことです。

だって…論理的に考えれば、484兆円の内部留保と1072兆円の個人の現預金残の話は、必ず、株式の配当利回り投資に向かいます。

日経新聞が正しい報道をしないから…日本国民は騙され続け「村社会論理の矛盾」に気づきません。トヨタは1円や2円、あるいは部品によっては10銭や20銭の単価引き下げを、下請けに強要して…その利益を搾取し自身の利益を積み上げて世界一の自動車メーカーになったのです。

しかし…そのトヨタが実際に世界一になっても…その後、日本国に貢献したのかどうか…。確かに貿易黒字を稼ぎ出して、日本経済を成長させてきました。そのおかげで日本の技術力が上がったことも事実です。

しかしプラザ合意の時に、何故、トヨタを助けるために、日本国民がこんな「失われた時代」という「負の犠牲」を押し付けられるのでしょう。

いい加減に…気づきましょう。トヨタなんて、なくても構いません。富国強兵の明治政府の方針を、いつまでも堅持している「村社会論」はどこか狂っています。まぁ、この話は、まだ…カタル自身も考え方が纏まってなく、的を得ているかどうか…。カタルは、新しい時代の在り方を、常に…考え続けています。パラダイムショックの行方です。

話を戻します。だから今の流れは「株主還元率」がどんどん上がり、「配当性向」も高まっています。通信のソフトバンクが80%台の配当性向を実施している現実が正しいのです。米国のS&P500社は、すでに100%なのです。先駆して成長した企業は、その恩恵を市場に返し…その恩恵を利用して、さらに新しい時代へ進むのが「市場原理主義」です。

日経新聞を多くの政治家や経営者が読んでいますから、日経新聞が変わらないと政策指導部の方針が変わりません。

だから…カタルは日経批判とも思える言動を、ずっと続けています。先日、キーエンスと東芝のコラムを書いたから、西村大臣は、日本の矛盾に気づいたのです。

あの「元を糺す」と、総資産経営の批判であり…ROE経営の推進を述べています。だから…日経新聞が、毎日、ROE経営を訴える記事を書けば、日本の経営者も政治家も変わります。「失われた時代」の無駄な31年間などは、なかったのです。馬鹿な記者レベルです。これが東大卒のレベルだと思うと…情けない水準です。カタルのような馬鹿でも、株式投資を真剣にして勉強をすれば…何とか、株で損をしないレベルにはなれます。

だから…日経新聞の方向転換が必要です。

ようやく…最近はその手の記事が増えてきました。本日の関西スーパーの話もROE経営の話です。そうして新生銀行の政府の方針は正しいですね。だって、これだけ時間があっても…新生銀行の経営連中は、村社会行動に溺れ無駄な時間を過ごしてきました。

TOBに遭い、慌てて行動をするなんて、普段は、何もしなかったのです。怠慢にも…程があります。TOBのケースの多くが経営陣の怠慢です。

だから東京機械の最高裁の判決は間違っています。林道晴裁判長は時代の流れを感じてないアホです。明治政府の富国強兵の製造業主導の政策です。本来は国民目線の消費者優先の政策を採用すべきです。

市場原理より村社会論理を優先させる判決です。変化を恐れるから…失われた時代が生まれました。現実を考えてないのでしょう。新聞を刷るための機械が高くなり、新聞経営が侵されるなら…電子化は進み、公正な価格形成になるでしょう。早く…時代を進めるべきです。テレビも新聞も、今まで通りの経営なら斜陽産業です。はやく…新しい風を入れるべきでしょう。

こんなことばかり書いていると、また怒られますが…カタルはそう感じています。

日本人は「横並び意識」が強い国民性ですから、配当性向がどんどん上がっています。金曜日も「GSIクレオス」(8101)が大幅高していました。この理由は、従来の35円配当を…62円に引き上げたのです。一株利益が135円前後ですから、約46%です。財務内容を観ればわかりますね。内部留保は135億円で、現預金が145億円ですが…株価が906円で、時価総額は114億円です。

悪戯に内部留保を貯めてもTOBの対象になるだけです。

このような状態が内部留保484兆円の意味です。だからデンソーが買われるのは、この内部留保を株主還元と投資に振り向けています。TOBをされてから…慌てる企業と、事前に「改革を推進する」経営者との違いです。

内部留保が484兆円もあるということ事態が「異質」なのです。だから配当利回りは、どんどん上がります。「日本製鉄」(5401)への投資の意味が分かると思います。

日本製鉄(5401)の日足推移

しかし現実は、株価が下がっています。この矛盾は野村証券などが「持ち合い株式」を放出しているためでしょう。野村証券は、これを全部売って自社株買いを促進させるべきでしょう。それが証券界の新しいルールです。株式持ち合いなどの村論理は止めて…「公正なルール」の中で、経営力を争うべきでしょう。市場原理主義はそういう事です。

日経新聞の11面に国債から株式へ…という話が載っています。だから株価が下がっている野村証券は「追加の損失懸念」があっても、買い場でしょう。単に時間軸の選択の話なのです。皆さんは…自分の頭で物事を考えてください。冒頭の掲げたマネーショート言う映画は、色んな含蓄を教えてくれます。自分の考え方が正しくても相場で負けることもあります。

船株の低PERの謎は、いつになったら…修正が起こるのでしょう? 

株式投資の矛盾と面白さを、自分なりに理解して…相場を楽しみましょう。1072兆円も個人の現預金は眠っており…これから「大移動」が起きます。日経新聞も「時代の変化」に逆らうことはできません。だんだん論調も変化するでしょう。それでは…また明日。



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