カテゴリー:コラム

社会通念

まだ「定着」していませんが…最近になって、ようやく…日本株の「見直し」も感じられます。ただ折角の日本株投資の場面が到来していると思っていますが…依然、海外投資家の参戦が鈍いことも事実です。

香港 — アジア太平洋地域における企業統治ランキング

常識的に考えて…香港やシンガポールより、遥かに…経済規模も大きく治安も良い日本がアジア圏の「金融を支配」しても良いと思いますが…実際は日本のイメージは「村社会」構造が強く残ります。

故に、東京はなかなか…世界の「金融センター」化しません。ロンドンにも劣り、NYには遠く及びません。もっと…インドネシアやタイやベトナムなどの企業が…資金調達の場に、東証を選んでも良い筈です。

近年の米中対立で…香港の機能は落ちてきました。ようやく…日本の地位も最近は上昇し始めて来たようです。その報道が此方ですが、この元の原稿は此方のようです。

この原稿に触れられている「コーポレートガバナンス」(企業統治)は、2010年にイギリスで作成された「スチュワードシップ・コード」(The UK Stewardship Code)を参考に…2014年に金融庁が「責任ある機関投資家」のスチュワードシップ責任が作成されました。機関投資家が投資先企業との建設的な対話を通して…その持続的成長を促し、顧客・受益者の中長期的な投資リターンの拡大を図る責任のことを言う…と言う趣旨で、ルールが決められました。

ただ日本は、「株式の持ち合い制度」は、未だに…続いています。カタルが批判をする最高裁の判決は、基本的に村社会論側の支持を表明したのでしょう。

最近、トヨタがダイヤモンド相手に訴訟をしていますが、たぶん…あの記事を読むと、トヨタと言う企業は、「私物化」されているのでしょう。その報道内容に、トヨタは噛みついたのでしょう。メディアは多少の誇張は、当たり前…「窺った見方」をします。しかし…仮にトヨタに非がなければ、カタルなら…「ほったらかし」です。あの程度の報道に、噛みついたとすれば…きっと、そのような面もあると疑われます。

でもそのトヨタグループの「デンソー」は、変わって来ました。

グループ企業との持ち合い株の解消に努め始めています。トヨタだけではありませんが、自動車は「系列」が頑固な産業です。必ず、自社のグループ企業から部品を調達します。最近になってトヨタは資金力を使い、M&Aの事例も出てきました。ただ未だに直接投資ではなく間接的な対応です。イスラエルの自動運転関連企業であるForetellix(フォーテリックス)への8500万ドルの投資はファンドを通じて間接的に出資です。

基本的にトヨタと言う会社は「自前主義」です。故に開発は遅れ気味なのでしょう。ただ…EV化に関しては米国での現地生産が要求され、兆円単位の多額の投資になっています。話が逸れるから…この辺で打ち切ります。

もともと…「スチュワードシップ・コード」は、フェアな競争社会を目指したもので…機関投資家の議決権にも言及されています。故に、株式持ち合いや…取引関係を考慮して株主総会で議決権を決めるのではなく…最近では「議決権行使助言会社」の意向が強く反映されます。

大手では米国のインスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)やグラスルイスなどが有名です。近年は日本市場でもM&Aが活発化しており、ものを言う株主の存在が、何かと…話題になるようになっています。この一番の理由は、銀行や保険会社との持ち合い株の解消が進んでいる為でしょう。故に経営者も「株主に配慮する姿勢」に変化しています。

最近になって「ROE経営」に傾く…企業は増えてきました。ここでの…代表事例は「日立製作所」(6501)です。あれほど…「変わらないことが、我が社の社風」と述べた企業ですよ。時代の変遷を感じます。このような傾向が強くなり、今年初めの…東証の「PBR改革」の登場です。

このような「時代の流れ」の把握は、非常に大切なのです。

カタルは、常々…「時代投資」を主眼にしようと述べています。このような結果、冒頭に掲げた日本市場の地位が、好転し始めたのです。日本が「村社会論の拘り」を捨てるなら…世界から、お金がドンドン入って来ます。そうすると…「貨幣乗数効果」はドンドン…高まります。

故に、東京地検のゴーン逮捕は、単に資金流用の話ではなく…企業統治の話しなのです。もともと…日産とルノーの統合が、画策されていました。ゴーンは、その「根回し」をしている最中で「寝首を搔かれた」のです。だから…カタルは地検批判をしました。この事が「切っ掛け」になって、村論理の高まりの危惧を抱く…海外投資家が増えることを懸念したのです。

「東京機械」や「ブルドックソース」の最高裁の判決も、同じ効果を持ちます。司法の判断は時代対応していません。米国は積極的に自社株買いなどの還元率を高めており…100%以上の還元する企業が非常に多いのです。しかし日本の一般的な基準は良い所でも30%程度でしょう。だから…カタルは「トヨタ」に噛みつき…「ジェイドG」を大きく持ち上げています。

米国の一般的な…標準はPERが30倍程度ですが日本は10倍でしょう。この違いは経営者の「還元率」も影響するでしょう。保身に走る…経営者が、如何に多いか? そうして会社を私物化しています。「フジテック」の問題は、そのような事例の一つなのでしょう。

大日精化工業」(4116)の 日足推移

最近、人気になっている企業の背景を観ると…東証のPBR改革が強く影響されています。いくつか…事例を掲げましょう。最近「大日精化工業」(4116)の株価は上がりましたが…その背景は此方の発表でしょう。

「サンテック」(1960)の 日足推移

更に…先日は「サンテック」(1960)の株価が上がりましたが…こちらの報道です。

分かりますか? 何が言いたいか…。

だから…「ジェイドG」の田中君の「自社株買いのおかわり」は、評価されて当然だし…大きな社会ではTOPPANホールディングスの持ち合い株を引き取り…更に2000億円の自社株買いを発表した「リクルート」(6098)の株価が物色されるのは当然の帰結です。

トヨタは一体、いつになったら…「常識ある株主還元」を実施するのでしょう。

何故、メディアはトヨタの経営姿勢を批判しないのでしょう。株式を持ち合い、お金を外部に還元しない企業です。金融危機の時に、三井銀行から支援要請があったのですが…トヨタは蹴っています。しかし大昔、トヨタは経営危機だったのです。その時に三井銀行から助けてもらったのです。義理も返さず、人情の欠片もありません。村論理でも村八分になっても不思議ではありません。4兆円も稼いで…たった1000億円ですよ。

「リクルート」は、TOPPAN分と今回の自社株買い2000億円を合わせると2500億円以上になりますが、今期の利益は2700億円弱です。他に配当もあります。

比較する表を、日経新聞は出すべきでしょう。それでこそ…公平なメディアの姿勢です。自分の頭で考えて…投資を決めるのです。前期の「ジェイドG」の純利益は、約12億円ですが…10億円の自社株買いです。今度は、投資家が、世界基準のPER 30倍以上の評価を与えるのが、市場と言うものでしょう。年率15%成長の論理的なPER評価は40倍なのです。

カタルは読者の皆さんに…正しい価値観を持って行動して欲しいと望みます。そうすれば…「目先の値動き」だけで、投資行動せず、東京電力を買う前に…投資に値する会社かどうか…調べるでしょう。

何故、福島原発の責任を、東電に強いたのでしょう。やはり…根底が間違っています。あの時に、東電は自然災害の被害者で、「致し方ない事故」だと言う…「自然災害の認定」なら国家責任です。それをダミーにして…人々のやるせない無念さを、東電にぶつけました。確かに…東電は「村社会論理」の頂点に居る会社です。

しかし…その前に、国の「厳しい検査」を受けているのです。それでは原子力委員会は、いったい何のためにあるのですか? 単なるお飾りなのでしょうか? 

もともと…電源喪失が理由で「不備の指摘」があったなら…地震が来る前に操業停止でしょう。何のための…検査なのでしょう。カタルにはサッパリ理解できない論理です。結局、原子力委員会のメンバーは、責任を取ったのでしょうか? 村社会論は、いい加減です。

今回の安倍派閥の政治資金問題も良く分かりません。もともと…派閥に入ったお金は、「政治活動費」に使われるお金でしょう。だから…お金の流れの問題は、ないのでしょう。問題とされたのは…「記載の事実」確認なのでしょう。それなら…こんなに問題化させないで、後で分かったから、「修正申告」をすれば良いだけの話しでは、ないのでしょうか? 「裏金」と騒ぐほどの問題なのでしょうか? 

西村通産大臣や萩生田政調会長の辞任が、折角、軌道に乗り始めた「名目成長時代」への変化に、水を差さなければ良いのですが…今は非常に大切な時期です。なかなか…日経平均株価は38915円の高値奪回は、難しいですね。既に34年から35年になります。あなた方、政策指導部の基本方針が正しければ…ここまで長く「失われた時代」が継続するのでしょうか?

根底にあるのは、その論理を支持する国民感情でしょう。

判断が難しい案件だから、地検は報道機関を利用して「アドバルーン報道」を画策したのでしょう。その結果、今まで通りのメディアの反応で、その多くは「裏金」認定です。NHKの「キックバック」報道も間違っており、カタルがプロジューサーなら「政治資金の還流」と報道するでしょう。

もともと…政治資金規正法も、分かりにくい部分が多くあります。もっと簡素化すべきでしょう。そうして「社会通念の常識」なら…許すべきです。秘書が香典を持っていくとアウトで、本人ならOKなんか…行き過ぎているような気が居ます。

誰だって、一度や二度、自分が葬式や通夜に行けなくて…香典を仲間に託し、一緒に持って行ってもらうケースを体験しているでしょう。そんな事なんか…一般常識でしょう。あまりに「ガチガチ」の運用だと「社会は疲弊」をします。僕らは法律を守るために生きている訳ではなく…法律が、僕らの生活を支えてくれるものでしょう。「主従」逆転です。

法律の解釈も難しいのでしょう。部外者のカタルには分かりませんが、「本末転倒」にならない運用が、臨まれると考えています。また明日。



amazon.co.jp 全品に拡大 無料配送キャンペーン実施中!詳細はこちらをクリック。
2024年4月
« 3月    
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930  
株式投資関連の本